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自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

好きって何なんだろう。/きし晴護「何も知らないけど、キミが好き。」 2巻

2024-01-17 | 単行本感想












内容は、
まあ表紙の通りですね(笑
どちらかと言えば愛理はモノローグ役に回り、
実質主人公が翠ちゃむに代わった~みたいな印象も受けました。

正直な話、
自分はアイドルとか女優さんとか芸能関係の人にガチ恋した経験が無いんですよね
例えば、アイドルグループの誰かが彼氏彼女云々みたいなスクープが出ても、
何とも思わないというか・・・
達観してるのもあるし、
そもそも「表現」が好きなだけであって、その人の細かい人間性とか知ってる訳じゃないし。
もっと言えば、はっきり言ってそういう人たちと自分が釣り合うなんて死んでも思えないしね(笑
 ただ、
そういう状態は、
初めから外的要因に目を向けて、
体の良いおりこうさんを演じてるだけ、、、っていうのも解かるし、
愛理の言う「良い子にしてたって一生何も無い」ってセリフも結構痛いトコ突くな~と思いました
要するに、始める前から「無理でしょう。」とセルフジャッジする人が多いという事なんですね
全部棄てる覚悟で出来うる総てをまっとうする事で初めてそのステージに立てる。っていう。




「何も知らないけど、キミが好き。」2巻より。



ただ、
愛理の言う通り、
❝それ❞をするにはある程度の正気は失わなければいけない
狂気の沙汰を貫くのにも才能が要る~っていうのは「なるほど。」とも思いました
確かに、
真人間の振りをして自分を殺している方が楽.....楽というか、安心ではある。
更に言えば、
勝ち目の限りなく薄い勝負に挑み続けるには想像を絶する精神力と根気が必要になる
そういう気持ちや心構え、どう思われても自分の好きを貫き続ける意志・・・
が、
自分には到底持てない。と
電車の中で愛理が悟り切ったシーンは切なかったけど分かる部分もかなり強かった。
例えば、
こういう事に限った事ではなく、
あるかどうか分からない可能性に自分自身を賭け続けられるのも馬鹿なのではなく、才能だから。
自分自身が「特別ではない人」と認めざるを得ない瞬間は大人ならみんな経験してる(と、思う)
そういう意味では、愛理もまた一つ大人になった・・・のだと思いたい。
それが良い事なのか悪い事なのかも断定は出来ないけれど。







でもま、
こういうのって難しいよな(笑
表現者は「好きになってもらいたい。」と努力する訳だけど、
その「好き」の方向性まではコントロール出来ない
それを「都合の良い好き」と本作は表現してるけど、言い得て妙だな~とは感じました。
ある種のタブーというか・・・
そういう意味では、
ガチ恋勢の感情や悲哀を描く~ということ以上に、
ガチ恋される側の心情も一人の人間として描いている作品とも言えますね
一方的じゃないのは好感が持てます
人は、
自分が辛かったり満たされてないと「自分だけが...。」って思いがち
でも、
本当はきっと誰もが心の奥底に葛藤を抱えながら生きている・・・本作を読むと、
その当たり前の事実に気付かされます。
その葛藤は、
どっちも何とも表現出来ないモヤモヤで包まれている気もする。







最終的には、
ガチ恋される側の心境を綴って第1章はENDになりました
こういうメインの視点がコロコロ切り変わる漫画も珍しいので正直かなり面白かった。
恐らくは、
作者さんは勧善懲悪ではなく、
「それぞれに事情がある。」という描き方のが好きなんでしょうね(たぶん)。
それは人によっては白黒はっきりさせて欲しい!って思うでしょうけど、
そういう意味では現実派の漫画なのかもしれない。
表現者側も、
いたずらに好きにさせている訳じゃない
自分の価値を証明する為でもあるし、
何よりも、
根底には表現で❝何か❞を変えたい。っていう本懐があって・・・
なんかむつかしいね。
ただ、
それでも、
彼の言う通り、
表現っていうのはそういう惚れた腫れただけの単純過ぎるものではない事を信じたい。
そんな気持ちを支持したい自分もいます まあそれが「都合の良い」って事かもしれないんだけど、
答えの出ない事柄を取り扱ってる中でも最低限の答えを出そうとする姿勢は良き!でした
 愛理がパパ活を始めるトコロとかどこまで堕ちるんだ?と思って
結構ドキドキしましたけど(笑
ただ、
本気で狂えるなら、
それはそれで幸福なのかも・・・?
とか、様々な事を考えさせられる2巻目ではありました。
愛理の言う通り、最後には完全に翠ちゃむが主人公しちゃってましたね。
でも、迷惑を掛けるのはダメよ~
良い大人なんだし、ね。











しかし、
パパ活の親父ですら、
ただの悪役として描かずに、
ちょっと真っ当な事言わせてたのは唸りましたね~
確かに、
昨今のゴシップ関係のあれやこれを思うとちょっと得心のいくセリフではあった。
それでも、強引に迫るのはダメだけどね笑 この2巻でも正直かなり上手くまとまってるけど、
あとがきによると「次巻」もある、との事でまだまだ続くみたいですね。

それと、
オタク友達間の表向きとは別の裏の噛み合わなさの描写とかもリアルで良かったです(笑
あれってぶっちゃけ男でも同じだと思うからね・・・個人的に。



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