サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

いつも「カエルの為に鐘は鳴る」のEDで泣いてしまうPART2(リチャードの心情考察付き)

2015-01-14 | レトロゲーム









先日、「カエルの為に鐘は鳴る」を去年の正月ぶりにプレイしていたら
またもエンディングで泣いてしまいました
正直な話、「今回は泣かないだろ」と思いながらプレイしてたのでそんな予想に反して大粒の涙を流してしまった自分に驚きました
そこで今回も改めてなぜそこまで自分はこの物語に感情移入してしまうのか、なぜ毎回泣いてしまうのかを探っていきたいと思います
ちなみに「今回も」というのは1年前も前身ブログで同じ内容の記事を書いているからです(笑
だから、より深く考えた上で結論を出したいなあ、と思います。

そもそも自分は多分そこまで泣く方ではなくて、事実年間作品を観ていても泣く回数は数えられる程だと思います
だから「泣いた」って事実は自分の中では結構デカくてその度に記しておきたくなってしまいます
そして2015年初泣きでした。23年前のゲームで!(笑












①そもそもリチャードは初めから・・・

このゲームはサブレ王子が活躍してサブレ王子が報われるゲームのはずなのに
一番オイシイ部分はリチャードが持って行ってしまう感がありますが(笑
でも実はサブレの成長物語であると同時に、
リチャードの成長物語であるとも個人的には思うのです
リチャードが自身の「負け」を認めてまた新しいステージに立つ為の物語でもあったんじゃないかと。

そもそも始まりの時点でナレーションでは「なぜか勝てない」という表現が使われています
「いつも」とか「かんじんなところで」とか「おしくも」とか劣等を記すような言葉ではなく「なぜか」です
その前に二人のステータス・・・というか実力は同程度と語られてるにも関わらず
対戦成績も56敗0勝とサブレ王子が大きく負け越しています

普通に考えたら、ここはベタな表現で56敗55勝とかになってても良い所だと思います
だって「実力は同程度」ならば「0勝」というのは少しおかしな表現だと思うから
ただ、ここで前述の「なぜか」が生きて来る。
その「なぜか」というのは・・・

別にサブレ王子は手を抜いてた訳でもない、
遠慮してた訳でもない
ただ、「友人」という事実が“傷つけたくない”という気持ちを誘発させ「0勝」という悲惨な結果をもたらしていたんじゃないかと
この冒頭のシーンは単なる二人の関係性の紹介に留まらず実はエンディングに於ける立派な“複線”でもある、という話ですね


ここからはより個人的な考察になりますが、
リチャードは実は初めからそんな「事実」を自身で分かっていたんだと思います
サブレ王子が無自覚でそこまでリチャードと張り合わない(むしろ初めから一緒に協力しようとする)のと対照的に
リチャードのが実はサブレ王子と張り合わんとする行動や発言が多く、恐らくは内心では「悔しかった」んじゃないかと常に本気である自身とは対照的に持ち前の「優しさ」で本気を出せないサブレに対する燻ってるような想いは確実にあったと思います
だから敢えて憎まれ役を買って出てた節もあったんじゃないかと思う。だけど・・・

そんな自身を救ったのはサブレ王子の「優しさ」だった。
リチャードが「裏切られた」と勝手に信じ込んで一人ショックを受けていても
そんな自分をも大きな優しさと彼特有の器で救わんとしたサブレ王子の「優しさ」は何よりも強固で逞しいものだった
一人で勝手に突っ走って、一人で勝手にショックを受けていた自分よりもサブレのがよっぽど立派で人間的に上だという事実を認めざるを得なくなった
だから、エンディングでリチャードはああいう態度を取ったのではないか、、、なんて個人的に考えています
本当は自分だって姫とくっ付きたかっただろうに、
最後の最後まで自身の欲よりもリチャードに対する「優しさ」を優先させてしまった
そんなサブレ王子の呆れるくらいの“お人好しっぷり”にリチャードは結果的に負けてしまったし
本当は「どっちが国王に相応しいのか」なんてきっと勝負する前から分かってたんでしょうね。



②「負けを認める」、ということ

エンディングまでプレイして来た身としても、
ちょっとショックな事があっただけでイジけて殻にこもってしまうリチャードよりも
例えショックな事があっても諦めずに友情を貫こうと頑張ったサブレ王子のが断然立派で“強い”のは分かってると思います

だから、潔く、本当に潔く自身の「負け」を素直に認める事が“出来た”リチャードの姿に胸が熱くなって大粒の涙を流してしまったんだと思います
リチャードが自分の負けです、って自ら宣告したタイミングでグッと来てしまい
その後リチャードが自分の言葉で想いを語り出すシーンで涙線崩壊、
そして部下の「あの言葉」の場面で大粒の涙・・・
あそこは演出もめちゃくちゃ冴えていて個人的にあの場面よりも優れた演出は観た事がない、と思ってるくらいです
敢えてリチャード本人の姿を映さず、部下の言葉でその「事実」を伝える手法が最高にクールで想像するだけで泣けます。

負けを認める、というのはね、思ってる以上に辛い事です。
特に男はプライドが高いですから、本当は泣きたいくらいに悔しい事なんです。
それが沁み入るからこそ泣けたって部分も少なからずあると思います
しかもそれを自身から宣告するリチャードの「男らしさ」よ!
サブレ王子も確かに成長した、
でも冒頭の真意を知っておきながらサブレ王子が無自覚なのをいい事に威張り散らしていたリチャードはもういない。
本当に劣っているのは、負けているのは自分だと自覚出来た分、その分こそリチャードの「確かな成長」なのだと思います。
だから、「それから」のリチャードはきっと自惚れも過信もない、誠実で本当の意味で生真面目な王子になっていくんだと想像してます
主人公だけが主人公なのではなく、ある意味リチャードもまた裏の主人公として機能しているからこそ、
そしてあのエンディングがあるからこそ今作が名作だとプレイした方々から謳われている所以なのだと感じてます


これは考察とかじゃないんですが
部下が言った「あの言葉」の状態になったリチャードは、
きっと笑顔だったと思います
笑顔であの状態になってたんだと思います
負けを認めた悔しさと、それでも逞しくなった「友人」サブレに対する想いとで
そんな風になってたんじゃないかなあ・・・なんてあくまで個人的に想像しています
悲しくもあったけど、
本当は嬉しくもあったんじゃないかと。
まあ、その辺は受け手の自由って事で(笑)。
でも、最終的な勝者であるサブレの格好良さを描くと同時に敗者であるリチャードも格好良く描いて終わる、という
そういう作劇の格好良さと収まりの良さはプレイする度に痺れますし改めて名作だなあ、、、って今回も強く思えました。

ところで「あの言葉」を放った部下こそ実は最高の名脇役だったのでは・・・と思わんでもないです(笑
あの言葉とあの場面は子供の頃から大好きで、大人になった今プレイするとリチャードの気持ちが痛いくらいに分かっちゃうんですよね。
だから今回もポロポロみっともなく泣いちゃった訳ですけど、その分気持ちがシュッとしたなあ、とも思いました。
本当の“気高さ”とは意地や虚勢を張り続ける事ではなく
男らしく負けや相手を認める「潔さ」なんだと。
そんな事を教えてもらいました。



③(ついでに)ティラミス姫の真意の考察

ティラミス姫及びポルナレフはある意味このゲームの真の黒幕(?)なわけですが
ただ目的遂行、世界を救うために動いていたわけでもなく
真意はサブレ王子の“成長”を促す為・・・だったんじゃないかと思います
確かに「金」を使えばある程度の事は解決出来る、
だけど「金」がすべてではない。
サブレ王子は冒頭の時点で優しさや深い想い遣りの心に長けていたけれど、
その一方で「金」を「力」だと勘違いしている節があった
勿論スネークソードを探す人を~っていうのも本心ではあったんでしょうけど
恐らくは「金」に頼らずとも現状を切り開ける本当の意味での「力」を確認する為に、または得てもらう為・・・って目的もあったんじゃないかと

そう考えるとこの二人の行動はことごとく裏目に出ずに成功していたなあって深く思いますし
基本的にRPGでは単なる囚われ役に終始するお姫様が物凄くアクティブでちゃんとした意図のある人物だな、と
ある意味これからのあの世界は無敵状態に突入するかも分からんですね(笑
普通に頼まず、ああいう回りくどいやり方をしてた時点で、ね。
お陰で結果的には友情も深まりましたし、
最後のオチ以外は(笑)ホント万事OK!って感じでその美しいフォルムもまた自分がここまでこのゲームに陶酔してしまうポイントなんだと思います。
「金」だけが「力」でなくなったサブレ王子はきっとリチャードがすぐに自身の負けを認めるくらい強くなってたんでしょうね。













泣けた理由、だけを掘り下げている記事ですが
ゲームそのものも何度プレイしても飽きない細やかさがあったり(数々の小ネタや際立った演出の楽しさ)
絶妙なバランスの良さが光ってたり(そこそこ簡単でそこそこ難しくて満足感を得ながらサクサク進められる)、
本当に方々で書かれている通り「隠れた名作、傑作」の称号が相応しいオリジナリティ「だらけ」のゲームだと改めて感じました
まあとは言ってもゲーム自体はほぼリアルタイムでプレイしていて評判が高い事を知ったのは全然後でしたけれど(笑
やっぱり自分にとっては「心のゲーム」なんだなあ、と今回もまた深く。

これからも、プレイし続けます。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿