読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

「自民党をぶっ壊す」って言ったくせに世襲ってなんだよ

2008-10-02 23:56:25 | Weblog
 春に実家に帰ったときのことだが、父が「後期高齢者医療制度」について怒っていた。確か山口2区の補欠選挙の後だった。「なんで?保険料が上がるの?」と聞くと首を傾げる。「上がるかどうかまだわからないのになんで怒るの?」と聞くと「年金から天引きされる」と言う。「最近、足腰弱って車に乗るのも億劫がってるんだから引き落としにしてもらえば助かるじゃないの。」と私が言うと、旗色が悪くなってごにょごにょ言っていたが、「次の選挙では自民党は負ける。まあ、一遍小沢さんにやらせてみればいい。」と捨てゼリフを残して逃げた。

 私は腹が立って来て、母に「保険料が上がるかどうかまだわかりもしないのになんでこの制度はだめだなんて言えるのよ。だいたい、仮に上がったとしても、払う余裕があるんだから払えばいいじゃないの!もうね、私たちに死んだあとお金を残してくれる必要はないし、どうせ跡継ぎもいなくて田んぼも作れないんだから、全部売って払える限り払えばいいじゃないの!」と言うと、母は「そうそう、私もそう思う。どうせ病院通いばっかりしていて旅行にもいけないし、お金の使い道もないんだから。」と笑っていた。

 年金から天引きされるのと、後で払いに行くのと同じことだろうに、それをダメだダメだって怒るのは「朝三暮四」のサルとおんなじだ!父なんか、車はひとりで3台も持ってるし、テレビも離れに3台あるし(母屋のぶんもあわせると5台!それも既に地デジ!)DVDデッキは2台あるし、エアコンも各部屋についてるし、通販で高い「お腹ブルブルベルト」なんか買うし、旅行は疲れるから行かないっていうし、食欲がないからお刺身しか食べないっていうし、病院にいくのだけが仕事で、毎日山ほど薬飲んでるんだから高くったって払えよ!!!

と私はイカッた。そして、こういう朝三暮四のサルみたいなのの支持で仮に民主党が政権獲ったとしても、すぐにドツボにハマり「期待外れだった!」と失望されるに違いない、難題山積で非難轟々、すぐさま支持率低下・・・と悲観的な想像をしてしまった。

 それから後も、農家の所得補償とか財源が埋蔵金とか「そんなんできるのか?」と民主党の提示する政策に不安をおぼえていたが、先週、小泉元首相が次男を後継にというニュースを見たらムラムラと腹が立ってきて、これは民主党の政権担当能力とかの問題じゃないなと思った。

 郵政選挙のとき小泉自民党に投票した人たちは、小泉氏がこういう世襲だの談合だのと、既得権益を持った人たちが永遠に勝ち続ける構造をぶっ壊して、フェアな競争に誰でも参加できるようになる、みんなにチャンスのある社会になると信じて入れたはずだ。ホリエモンが広島6区で立候補したときも、氏育ちなど関係なくあのような若輩が会社を作って成功し、巨万の富を築いたということに感銘を受けた人たちが彼に投票したのだ。なのにやっぱり世襲かよ。小泉構造改革ってのは、結局、金持ちの利権は残したままで、若者にツケをまわし、社会的弱者をさらに絞り上げることになっただけじゃないか。そして自民党は自分の責任を棚に上げて「官僚が悪い。連合が悪い。日教組が悪い」って人に責任をなすりつけるようなことばかり言っている。亡国の徒だ。

 もはや政権担当能力がなくなってるのは自民党の方ではないか。民主党がどんなに頼りなくても、一遍政権の座について、自民党は野党に転落してもらうしかない。そしてどちらも揚げ足取りじゃなくて本当に日本の将来をどうするかということを真剣に考えてもらいたい。

 太田さんのとこの掲示板で言及されていた「きっこの日記」(2008/09/27 政権交代による政治の浄化)を読んで目が覚めるようだった。「そうだ、やっぱり失言なんかあんまり重要じゃない。『疑惑の献金』『便宜供与』『政官財の癒着構造』という長期に渡って染みついた自民党政権の汚れの方が重要だ。もう、そういう『既得権』の世襲は終りにしてほしい。」と思った。
 

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