インプラント学会技術向上講習会で「未承認・適応外の医薬品・医療機器の使用を含む医療倫理について」をテーマに大阪歯科大学口腔インプラント学講座の馬場俊輔先生の講義がありましました
タイトルから難しいので要約していくと
インプラント治療において当たり前ですがインプラントは骨に植えることになります
その骨が不足しているケースが少なくないのですが、その場合自分の骨を移植するか人工の骨を移植した上でインプラント治療が可能になります
(厳密にはショートインプラントを使用するという手もありますがそれはまたの機会に)
今回は人工骨のお話です
インプラントに使用する人工骨は最近まですべて厚生労働省の認可がおりていませんでした
じゃあ、今までどうしていたのかというと歯科領域で顎いれても安全されている人工骨か
欧米で認可がとれていて実績のある人工骨などを「適応外医療」として使用するしかありませんでした
ちなみに「適応外医療」といっても、歯科領域で歯槽骨萎縮症、歯周疾患、抜歯窩、嚢胞様病変、骨欠損にたいしては適応がとれており
インプラント治療に使用する場合のみ「適応外医療」となります
今当院ではGCというメーカーのサイトラングラニュール(炭酸カルシウム)を人工骨として使用しています
このサイトランスグラニュールは厚生労働省にインプラント治療に使用していいという認可をとっておりますが、新しいためまだそれほど実績がありません
まとめると、現在(令和2年10月)、インプラントを希望される患者さんで骨が不足しており、骨移植が必要な場合
1)自分の顎の骨を削って移植する
2)世界的に実績があるが日本では認可のとれていない人工骨を移植する
3)厚生労働省の認可がとれている人工骨を移植する
このなかから選択することになります
個人的にはインプラントを入れるために削り取った骨とサイトランスグラニュールのブレンドが
1)と3)のいいところどりで、いいのではないかと思っています