サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

バスキアとバイアス

2019-11-12 19:25:59 | 歯科

今回東京の学会出張のついでに六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されていた「バスキア展」を見てきました

ジャン=ミシェル・バスキアは1980年代の現代美術家で27歳で亡くなったアメリカ人です

会場では音声ガイドで作品に対する解説を聞きながら見ることができるのですが、絵を見て自分の解釈とガイドのイメージがまったく合わないことが多々あります

「この絵はきっとこういう気持ちで書いたのだろうなあ」と思って解説を聞くと全く違う意図で書かれていることが何度もあり自分の価値観にバイアス、思い込みがかかっていることに気づかされます

このバイアスというのがやっかいで、歯科のそれぞれ専門学会にいくとその専門分野が一番大切と教えられるので無意識下で思考にバイアスがかかってしまいます

歯科医になりたての頃の話ですが歯周病学会にいくと、ブラッシングや歯周病菌の話に始まり歯周病の治療のことで頭がいっぱいになります

そのバイアスがかかったまま患者さんのお口の中をみるとやはりブラッシングのことや歯周病の治療のことばかりが気になります

それはそれで大切なことなのですが、矯正学会の後に同じ患者さんをみると歯並びやかみ合わせが悪いことが原因で歯周病が悪化していることにあとで気づいたりします

その場合は磨きやすいように歯並びを治して、かみ合わせを調節して歯に負担が集中しないようにすることが治療をする上で最も大切なことになります

事実それだけで問題を生じなくなることもありあます

普通に磨いているだけなのに歯周病にならない人がいますがその状態になったということです

おそらく歯周病の治療だけを延々続けていたらその患者さんにとって効率が悪い治療を勧めてしまったことになります

真面目に一つの専門分野を深く勉強すればするほといわゆる「専門バカ」になってしまい患者さんに有効な治療を提供できなくなってしまう可能性があります

バスキアをみて改めてバイアスの怖さに気づかれれ、思い込みを捨てて広い視野を持つことの大切さを再認識してきました

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痛みが少ない上に早く歯が動く矯正治療方法!

2019-11-12 19:04:08 | 歯列矯正

週末は日の丸の旗が振られる東京に成人矯正学会のセミナーに参加してきました

今回のセミナーで「パッシブライゲーション」についての講演がありました

この「パッシブライゲーション」という言葉は「セルフライゲーション」「ローフリクション」などとも呼ばれる矯正治療システムの一つです

歯につけるブラケットと呼ばれる矯正装置にワイヤーを縛り付けるのではなく、装置の内部でワイヤーが自由に動くようにすることで歯が動く時の摩擦を減らす特徴があります

結果として歯と歯周組織を痛めることなく、痛みが少なく、効率的に歯を動かすことができます

当院でも以前よりクリアスナップという装置を使用していましたが最近3Mのクリアティという装置に変えました(詳しくはホームページに記載していますのでそちらをご覧ください)

患者さんにとっては2回矯正治療を受けない限り違いが分かりませんが自分の経験では明らかに歯がスムーズに動きますし、患者さんの痛みの訴えも少ないです

今回の講義ではそのシステムの基礎的理論と物理効果について説明があり、より理解が深まりました

ちなみに写真は東京タワーの二日間限定の「天皇陛下御即位 奉祝ライトアップ」で時代の移り変わりを感じることができました




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