今日は午前中、母校である名古屋の愛知学院大学で口腔病理学を学生に教えていました(昼から西宮に戻って診療なので大忙しです)
もう20年前になりますがぼくは学生時代、正直言って病理学の重要性をあまり理解していませんでした。
ところが今になって病理学はとても興味深い学問だとつくづく思います。良性の腫瘍なのか、悪性の腫瘍なのか?それを細胞を顕微鏡で診断することによってその患者さんのこれからの処置が大きく変わります。
手術した方がいいのかしない方がいいのか?早期に処置したほうがいいのか、様子を見た方がいいのか?癌の場合は初期なのか末期なのか?患者さんの一番知りたいことが病理学の診断にかかっています。
医療ドラマではよく医者が患者さんに癌などの告知をするシーンがありますが、それはどうやって医師は判断するのか?それらは病理学によって判断されています。
また、再生医療に関係した幹細胞やiPS細胞の話もすべて病理学の範疇です。将来この中で病理学に少しでも興味を持って日本の医療に役立つ歯科医師が生まれてくれれば病理学を教える側としては嬉しい限りです。