文禄4年7月15日、秀次・青巌寺、柳の間にて切腹。
サブタイトルからすると、この時まだ関白のままだったと言うことか。
「天下は天下のための天下。
太閤殿下だけのものではござりませぬ!」
命を懸けての関白としての最後の務め。
こういう状況でなければ秀吉が忘れてしまっている大切なこと、誰も言えなくなってしまっている状況、それそのものが既に豊臣家の崩壊が近いことを表しているのではないでしょうか。
一豊は、関白を太閤の所に連れて行く説得に向かいます。
が、これも命懸け。
太閤の命に背く=山内家が無くなる。
関白を連れて行く=側近・前野景定らに斬られます。
前回私の心に余裕が無く、
「どうする



が書けませんでしたが、これ以上この言葉がぴったりの状況はありますまい。
千代は家臣たちと一足先に伏見に行くつもりでしたが、急遽取りやめ。
千代には千代の考えがありました。
聚楽第ではやはり一豊と側近たちが意見の食い違いで、一触即発。
「冶兵衛どの

現れたのは千代でした。
千代なりに考えた、せめて命だけは助かる方法。
ここで出家してから伏見に行けば・・・。
そんなことが通る状況ではないことは関白は分かっていたようで、そのまま行くと。
所詮は天下取りの道具という己の定めには勝てなかった。
秀吉を超えることもあるのでは、とも思ったが。
だからせめて最後に、関白としての勤めを果たそう。
そう心に決め、伏見に向かう秀次だった。
伏見城、太閤にお目通り。
関白、正装です。

謀反の心の無いこと、それから、関白は返上します、それから、唐入りの兵を早く帰す事、それから、築城とかで無駄に金を使わせることはお止めなさい、つまり
「天下は天下のための天下。
太閤殿下だけのものではござりませぬ!!」
誰も言えなかった事。
だから最後に。
これが関白としての最後の務め。
秀吉の怒りを買うことも承知の上。
高野山にそのまま幽閉、そして切腹。
謀反の罪を着せられたまま。
パイプオルガンの音が厳かに流れていた。
秀次の心の中はどんなだったのだろう。
無念の気持ち、悔しさ、悲しさ、無いと言うことは無いだろうけど、少しは晴れやかな気持ちでもいられただろうか。
謀反の代表ってことで(?)前野景定、そして父も切腹。
父は息子のことを責めなかった。
忠義を全うしたと。
仕えた主が不運だっただけ、と。
聚楽第が目障りだから壊せ、と淀殿。
あまりにも惨いのは、そこに住む秀次の側室も子らも、全て命を奪えと。
生かしておいたら必ず若君に恨みを持つ、と言う言葉に、秀吉は笑って
「よしよし」
と。
・・・酷いです。

多くの人の命がこんな簡単な会話で奪われるとは。
でんでん太鼓を持っていたら、私ここでへし折っています。

側室お宮の辞世の句
「心にも あらぬうらみは ぬれぎぬの
つまゆゑかかる 身と成りにけり」
もとより生きていたとしても、その先どんな運命が待ち受けていたやら。
伏見に移り住んだ山内家、庭。
六平太はおなじみの僧の姿です。

「家督争いにならないように」
拾は賢く逞しい9歳の少年に成長し、だが所詮は捨て子、山内家の血は継いでいないから。
もともと家督を継がせる気の無かった一豊も、拾に対しての思いが変わってきていた。
山内家の男として!なんて槍を教えようと張り切っていたり。
そんな様子を心配している新右衛門。
微笑ましく父上、母上と呼び、会話している姿を見ると、新右衛門でなくとも心配になってくるというもの。
掛川城の康豊に、康豊の嫡男国松君2歳を山内家の跡継ぎに、と、一豊に言って欲しいと、新一郎が家臣代表として思いを伝える。
そんな家臣たちの心を知り、初めは新一郎に腹を立てる一豊だったが、冷静に考えてみよう。
家臣たちがおのおのの思いで、二分してしまっては?
拾が争いごとに巻き込まれてしまったら?
そして一豊と千代が何日も考えて、出した結論。
功名のために多くの命を奪ってきた私の宿業を清めるため、拾には出家して欲しい、と。
これは父の命であると。
やはり拾は賢い子なのだと思う。
この突然の父母の言葉に涙こそ流せど、恨みを持ったりしない。
人づてに自分が捨て子だったことも知っていたよう。
それが逆に救いでもあったのかも。
吉兵衛の弟、吉蔵は、跡取りが拾でもいいじゃないかと言っていた。
囲碁をしながらの新右衛門とのやり取り。
吉兵衛とはタイプは違うけれど、この二人のやり取りが、なかなか味があって、かつての新&吉ベストコンビ再来を期待してしまう。
そうそう、吉兵衛ならどんな意見だったのでしょうね。
別れ際に一豊が拾の腕に巻いたのは、千代がかつて一豊のために願いを込めて巻いた手ぬぐい。(懐かしい

紅葉が映り、初雪が舞う。
これは拾との別れに向かう時の流れを映し出していたものかもしれない。
私には、秀次が亡くなったあの夏から、これだけ時が流れたのだと、そんな風に思えてしまったのだった。
「功名が辻」公式HP
お~、今回は快調快調!

いや~、今回は前半、秀次に泣かされ、
後半は拾に泣かされました。
秀次は殺生関白どころか良い人に描かれていたので余計に辛かったです。
拾もなんて賢い子なんでしょう。
秀吉は天下が自分のモノのように思ってるようです。
後継ぎは「拾」にするがために
禍根を断つために人の命を顧みない事を笑って命令したり。
昔のような情に厚い秀吉の面影はないですね。
千代は秀次にどんな事をしてでも生きて欲しかったのですが
秀次は自分を真っ直ぐに生きる事を貫いていったようです。
幼き頃の秀次にそう教えたのが千代というのがなんとも皮肉です。
秀吉を見習ってもう少し柔軟に生きて欲しかったのですが
秀次はどうも一豊を見習ったようです。
その跡目争いがどんなに醜いものか目の当たりにして
山内家は情を捨てて決断を下したようですね。
一国一城の主とは家臣や領民には心優しくも
身内には非情にならざるを得ない状況があったようです。
「天下は天下のための天下。太閤殿下だけのものではござりませぬ!!」
このセリフ、秀吉の心には届きませんでしたね。聚楽第にいる人の命を意図も簡単に奪ってしまう辺りは怒りが。
来週、秀吉も遂に天命尽きる様子ですが、秀次の“最後の務め”の意味に死ぬ間際でもいいから気付いてくれるといいですね。
後半にウルウルしました(; ;)
成宮くんには申し訳ないが。。。
もう出番も終わりなのにね(; ;)
別れがたいけれども、そうしなくてはならなかった、
本当に気の毒な子です。
でも、その後も強く生きていけるだけの愛情を
貰っていますものね。
千代に拾われた事は、やはり幸運でした。
さくらこさん 今日はとっても早いですねー。「簡単に・・」といいつつ この丁寧さで,この早さ。素晴らしい(^^)
新一郎とか山内家の家臣達は なんとなく 血にこだわらない、人柄重視なのかと思っていたのですが、違ったんですね。拾いかわいそうでした。
賢い子供です。僧になってもひとかどの人物になることでしょう。
あ、でんでん太鼓をへし折るの・・・
私も仲間に入れてもらいます~
いつもありがとうございます。
後半の拾との別れは感動的でした。
結局、康豊の息子が後を継ぐんだった
かな・・。
http://tb.plaza.rakuten.co.jp/bluestar1719/diary/200609240001/84702/
結んでやったところにジーンときました。
いつもは影が薄くて千代に仕切られっぱなしの
旦那様だけど、拾のことを愛してたんだなぁ…と。
最後の出番はいつだたっけ、と。
ずっと大切に持っていた一豊の気持ちが好きですね。
来週の死はちょっと絵的に怖いですよ。