人間は社会的な動物である。という社会性は、共同生活とを営む上で人が共同規範を生み出し、その規範を共通の認識として共有できたとき社会性も社会規範も、法律も公的なものとなる。しかし、それは学習する過程で人は獲得するしかない知識であり、私たちの内部に潜む動物性やむき出しの性のエロスを思うままに解き放つことを抑制し弾圧する社会規範でもある。少年期は、この激しい矛盾にさらされる。
少年期には、無意識の核に眠る動物性が理性の統御などという後天的な観念を凌駕して、突実世として膨れ上がる。むしろそれが少年期の特徴ともいえる。本人が自覚する、しないに関わらず、人類の原始の心性が脈々として胎内を流れていると感じる精神と肉体の不均衡な状態に入るといえる。