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強盗被害156万円、宅配便で返済!

2004-12-03 21:53:50 | 政治・経済・社会
 朝日新聞によると、福岡県岡垣町の遠賀信用金庫岡垣支店に男が押し入り現金を奪って逃走した強盗事件があり、犯人と思われる人物から2日、奪われた現金と同額の156万円が同支店に宅配便で送り届けられたという。宅配便には、「申し訳ないことをした。今は心が痛んでいる」などと書かれた「わび状」と、現金156万円が入っており、差出人の名前は無かったという。事件が起きたのは、11月25日午前9時10分ごろで男は30歳くらいだったらしい。
 事件が起きてから、盗んだお金を返すまでに約5日あったことになる。この間に、自分のした行為を悔やみ、お金を返すことになったわけだ。こいいうことはよくあることなのだろうか。一度盗んでしまったものを返すというのは、とても勇気のいることだと思う。もちろん、自首した方がいいのだが、お金を盗んだくらいだから、困っていたのかも知れない。店のカウンターを乗り越え、支店長に拳銃のようなものを突きつけて、「偽物じゃないぞ。金を出せ」と言って脅したそうだから、ある程度計画的な犯行だったようだ。

 産経新聞の記事では、奪われた現金は新紙幣の新券で156万4000円だったが、宅配便で届いたのは使用済みの旧紙幣で156万円だったというので、盗んだ現金はいったん使ったものと思われる。あるいは、いったん銀行に預け、あとで引き出したのかも知れない。また、朝日新聞で差出人が無かったと言うが、産経新聞によれば宅配便の伝票には差出人の住所と氏名が記入されていたのだが、実在しないものだったと述べている。差出人なしでは、宅配便は送ってもらえないので、多分産経新聞の記事の方が正確だと思われる。

 さらに、毎日新聞には、手紙の内容がもう少し詳しく触れられており、「職員に迷惑、恐怖を与え、毎日後悔している」と謝罪し、「罪がなくなるとは思わないが自分の気持ちが楽になれば」と返却する動機が書いてあったという。職員に「迷惑や恐怖」を与えなければお金を盗んでもいいのかと言う問題はあるが、もう少しで自首に結びつきそうだ。個人宅ではなく、銀行で金を盗んだのは、人に迷惑をかけるのを少なくしたと言うことでもなさそうだ。実際、銀行からの盗みは、普通の人からの盗みと比べて、迷惑がかかる人が少ない。当然保険などがあり、単なる盗みならお金は戻って来るはずだと思う。

 それでも警察は、強盗事件として男の行方を追っているそうだから、返したからと言って許されるわけではないことになる。警察は、宅配便を犯人が自ら送ったものと考え、手がかりにするはずだ。ある程度社会的な事件になってしまったので、銀行がもういいと言ったからと言って、追求しなくなるということはなさそうだが、こうした事態なので、警察の方もどうしてもという気持ちもなくなるかも知れない。年の瀬も迫り、不景気な時節柄、この男のことはもう放っておいてもいいのではないかと私は思った。
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