今日は中国のチベット・ラサからインドを経由してミャンマーのマンダレーまでTolissのエアバスA319で飛んでみます。
ラサはチベット高原のなかの谷にあって標高は11713フィート、一方マンダレーは平野にあって標高は301フィート。一気に世界の屋根からふもとに駆け降りてくる感じです。もしこのルートを飛ぶのであればまず機体をラサに呼び出してみて、電源を入れて、与圧警報が鳴らないか確かめたほうがよいです。ふつうの旅客機は与圧しますから客室高度が12000フィート近くになることはなく、そのためラサの大気では与圧警報が鳴りだすことがあります。その飛行機はラサからは離陸できません。飛行機の諸元を見ると離陸可能な最高の標高が出ています。
ラサの無償のアドオン・シナリーがありますから入れてみます。ここにあります。見違えるようにきれいになります。なお、アドオン・シナリーの入れ方ですが、一緒にライブラリーも入れなければならないことが多いので、ここを見てください。
では、今日の飛行計画です。ラサからマンダレーまで605マイル、飛行時間は1時間31分予定。目的地の代替着陸空港は南へ150マイルのネピドー(VYNT)。巡航高度はFL370とありますがFL350で飛びます。コストインデックスは10ですが、12にしました。燃料は7.1トンですが10トン積みます。ZFWはここでは60.7トンとなっていますが、このあとラサの離陸速度の計算をしたところずっと重量を軽くしないと離陸しないことが分かったので、そこで最終的な重量を決めます。
これが今日のルートです。チベットのラサを出てまず東に飛び、南下してインドを経てミャンマーのマンダレーまでです。風はずっと西風です。
今日のルートの断面図です。FL370へのステップクライムはやりません。地上の標高ですが中国領内はチベット高原が続きますが、インドに入ると急激に高度が下がり、マンダレーのあたりは低い平野です。山の上から下へという感じです。
グーグル・アースの衛星写真ではこうなります。左上がラサ、右下がマンダレーです。まさに山の上から下へです。
これが今日のルートです。DMからDUMIXまでは航空路がありますが、ここからインドのインパールを経てミャンマーのマンダレーまで、直行ルートで飛びます。
マンダレーはもやがかかっています。微風。
マンダレーの気象です。
ではラサ空港に機体を呼び出します。A319が出発準備をしています。
屋根の上についている大きな丸いものは衛星通信のアンテナです。
外部電源を取り入れ、給油中です。
IRSの座標を合わせます。
コストインデックスは12、FL350で飛びます。
コースを入力していきます。
マンダレーは右場周経路で進入します。RNPアプローチです。ゴーアラウンドコースは左場周経路です。この辺りは全部平野です。
目的地の代替着陸空港ネピドー(VYNT)は北からそのまま着陸します。
では離陸速度を計算します。今日の離陸はRWY27R。ところが当初予定のZFWでは離陸できないと出てきました!4000メートル滑走路でも標高が高くて空気が薄いのでなかなか加速しない、空気が薄くて対気速度よりも対地速度がはるかに大きくなるため、地上をタイヤで走れる限界速度が制限になる、といった理由が考えられます。結局以下の数値が限界で、ZFWは46.9トン、予定より13トンほど少なくなります。
この離陸でもフラップは3で、最大推力での離陸、離陸の対気速度は142-142-145です。ZFWCGは26.9%、トリムはUP0.4です。さて、どんな離陸になるかです。
MCDUに数値を入れます。燃料は予定どおり10トン積みます。
離陸速度などを入れます。最大離陸重量を使いますのでフレックス気温は入れません。
APUをオン。
NDに地上の地図を表示します。高い山がすぐ近くに迫っています。
ビーコン灯をオン。
ドアを全て閉めます。
地上支援車を離します。
ドアは全部閉まってAUTOになりました。
ではプッシュバックします。
パーキングブレーキをオフ。
2番エンジンから始動します。
プッシュバックが始まっています。
左右のエンジンは正常に始動。
フラップ3、スピードブレーキをARM。
プッシュバックが終わりました。
タグが離れます。
ハンドシグナルを出してタグは帰ります。
キャビン・レディーの合図です。
離陸体制完了。
北側の誘導路に出てからRWY27までタクシーします。
離陸推力はTOGAです。最大離陸推力。
滑走路の手前でいったん止まります。
いま走ってきた誘導路もかつては滑走路だったようです。
では滑走路に入ります。経過時間計をオン。
滑走路に正対しました。離陸後、進入のゴーアラウンドコースと同じように右旋回です。高い山に囲まれています。
では離陸します。最大離陸推力を出します。
推力はMAN TOGAと出ています。対気速度はゆっくり上がり、見える景色はどんどん早くなっていきます。対気速度より対地速度がどんどん上がっています。
ずいぶん対地速度が高くなって引き起こしとなりました。滑走路の長さは半分ぐらい。もっと走れるように思いますが、おそらく地上を走れる限界の速度が制限になっているのでしょう。
ゆっくり上昇していきます。
上昇してこの先で右旋回します。
右旋回です。今日は快晴です。
下の山も楽に超えます。
このように右旋回上昇していきます。
空港上空に戻っていきます。
左手の川沿いにラサ市街があります。飛行機の下に高速道路のトンネルが見えますが、これが市内と空港をつなぐ道路です。
DMポイントに向かいます。川が実に入り組んでいます。
後方がラサ空港です。
谷沿いを上昇していきます。
早々にベルトサインをオフ。
高原が左右に広がります。
大きな湖が見えます。
これですね。
東に向いて飛んでいます。引き続き上昇中です。
気になる与圧ですが、ラサの地上が11713フィート、現在の客室高度が8000フィート。すなわち離陸後に飛行機は加圧したわけです。
DMポイントで南下します。まもなく巡航高度のFL350です。
高原が広がります。
この先、高原が途切れているのがわかります。いきなり崖になるという感じ。
もうすぐチベット高原の崖です。ここから一気に地表の標高が下がっていきます。
それでも険しい山が続きます。
崖を過ぎました。どんどん地表の標高が下がっていくのがわかります。しかしまだ山、また山です。
インドとの国境です。
インドに入るとさらに標高が下がっていきます。山も次第に緑が増えていきます。
雄大な山々です。
はるか先に大河が見えてきました。ガンジス川の支流の上流、ブラマプトラ川です。ヒマラヤから流れ出す大河です。
東側です。標高が下がっていきます。
ブラマプトラ川の平野が広がります。実に広大な川です。
インドの平野です。
川の下流は煙ってよく見えません。
マスごとの最低高度がどんどん下がるのがわかります。25200フィート->17700フィート->5800フィート。
非常に幅の広い平野です。
このあたりを飛んでいます。
大河を渡ります。
後ろを振り返るとチベット高原が見えます。
大河の上流も煙っています。
再び山の上を飛びます。
川幅も非常に広いです。
小さな山脈の先はあまり高い山が見えません。
低い山脈の上を飛びます。
もうすぐインパール上空です。
インパール市街が見えてきました。大きな湖はロクタク湖です。
インパール上空を通過。
降下開始まで113マイル。ちなみにこのページ、FlightFactorのA320では出てきません。
インパールを出ると航空路ではなくマンダレーまでの直行ルートを飛びます。もうすぐミャンマーに入ります。
この先がミャンマーです。
下の大河はミャンマー側です。
チンドゥイン川、イラワジ川の支流です。
降下が始まりました。ミャンマーの広大な平野が広がっています。
見渡す限りの平野です。左手に流れる大河がイラワジ川です。現在はエーヤワディー川と言います。
大きなダム湖です。
マンダレーのアライバルです。THADUでコースに会合し、MDS03まで。ここからアプローチに入ります。空港のすぐ東側です。
そして進入はMDS03がIAFで5000フィート。さらにMDS05を通ってRW35までです。
このアプローチはRNP RW35アプローチです。最終進入は2000フィートから352度、MDAは590フィート、地上の標高が301フィート、ゴーアラウンドは左場周経路で3600フィートでホールディング。
イラワジ川の向こう側がマンダレーです。
たくさんの川や湖が見えます。
マンダレー市内は碁盤の目になっています。四角く堀で囲まれているところが旧城市です。
マンダレー空港が見えました。ここもアドオン・シナリーを入れてあります。
アライバルに入ります。予定のコースで降下を続けています。
アライバルに入りました。
着陸灯をオン。
市内上空を通ります。
複雑な川の流れです。
アプローチに入りました。ベースレグ。
そして最終進入です。ローカライザーがなぜか出てきません。滑走路がよく見えているのでマニュアルで着陸します。
着陸態勢が完了。
まもなく着陸です。
良い天気です。
広大な平野です。
無事着陸しました。リバース。
スムーズな着陸でした。
誘導路に入ります。
たくさんの飛行機が並んでいます。
モダンな管制塔です。
スポットに到着です。ビーコン灯をオフ。
ドアが開きます。
ブレーキは過熱していません。
というわけで無事、ミャンマーのマンダレーまで飛んできました。
飛行時間は1時間44分、予定が1時間31分ですから少し伸びました。燃料は6.46トンの予定が6.56トンでした。標高11713フィートから標高301フィートまで世界の屋根から駆け下りてきた感じで、雄大な景色を楽しみました。
(おわり)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます