社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

ホスピスケアにおける協働

2008-04-21 13:23:08 | あたまの整理
大学時代の恩師が中心となって活動している、ソーシャルワーク分野の研究会に参加。
アメリカで学位を取得し、現場でも長く仕事をしていた研究者の方の報告。

アメリカでは在宅でのホスピスケアが主流となっていて、そのチームリーダーは「看護師」であるとのこと。参加者から、薬の投与指示などは医師しか行えない行為であるため、看護師がトップに立つのは難しいのでは…と指摘があった。それについて、患者さんのお宅に定期的に訪問をするのは「看護師」であり、その状況を医師が報告として受け、必要に応じて訪問(往診)をしたり、薬の処方を行うことになっているそうだ。
医学的なアセスメントができ、かつケアの指導もできる…という意味で、看護師はある意味オールマイティーなのかもしれない。
ちなみに、ソーシャルワーカーもチームに組み込まれており、患者さん一人一人に担当がつくことになっている。その役割としては、「保険に関するペーパーワーク、延命治療に関する決定権の委任状の作成などを手伝うこと」。


日本のホスピスケアでのチームは、多くの文献に、「医師がリーダーとなり、看護師がコーディネーターである」と書かれている。
これについては研究会でも様々な議論があり、医学的ニーズが高い患者さんは看護師や医師が「リーダー」になりうるが、いわゆる老衰でのターミナルケアの患者さんは、ソーシャルワーカーやケアマネージャー、ヘルパーも「リーダー」ないし「コーディネーター」になりうるのでは?という指摘が多かった。


「ターミナルケア」の対象者を「がん末期患者」に限定した場合、それは医療者が担う場面が多いであろう。しかし、山崎章郎氏が指摘しているように、患者をがんの疾患限定せず、広く対象とするべきである…ことを踏まえると、必ずしも医療者が中心となるチームばかりでもないと思う(もちろん、「援助チームのリーダー」とそのチームを有する「組織の労務上での責任者」は別と考える)。
ソーシャルワーカーがコーディネーターとなり実践をしたチームを整理することで、何らかの特徴を見いだせるかもしれない。
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