中田真秀(なかたまほ)のブログ

研究について、日常について、その他。

平成23年、文教・科学技術予算のポイント:学振PD増額

2010-12-28 08:57:20 | 日記
平成23年度予算案が閣議決定されて、、文教・科学技術予算のポイントを見ると若手研究者に対する支援の充実というのがあって、PD60億円、9年ぶりの受給
人数増とあり、すばらしいことです。安心した。ど~なってるんだ政治の世界は...

しかも、http://www.jsps.go.jp/j-keiji.htm
によると、

* 第二次選考(面接選考)の結果を平成22年12月28日(火)付で、申請時に届け出られた連絡先宛に発送しました
 また、政府予算確定後に採否の結果を通知する予定であったPDの選考結果についても同日付けで発送しました。

RPDも
* 平成23年度特別研究員-RPDで採用内定者となられた方には、採用手続書類を送付しました。所定の期限(1月20日(木)および4月8日(金))までに指定の書類を本会まで提出してください。

ということで一安心か。なんという...

若手はイジられる:公的研究機関の若手研究者減少…内閣府調査

2010-12-27 06:36:53 | 日記
読売新聞から、

> 2009年度の全体の研究者は約7万3400人と05年度に比べ1・3%増えたが、
> 博士号を取得してから約10年となる37歳以下の若手は約1万6500人で7・4%減った。

自分も任期つきだし、酷いな~と思うが、これは組織的なものなのだ。2010/12/20付け日経新聞11面によると、科学技術基本計画(日経によれば、1995年に制定されてた科学技術基本法にも続き、中長期の視点で科学技術政策を遂行するために総合科学技術会議が策定する計画、だそうだ。)、第三期2006-2010年

人材育成の欄、
驚愕の

> 優れた高齢研究者の活用

となってる。ホウ、団塊の世代がいなくなる頃に合わせて、がっつりポストをご用意するというわけですか。

それにしたがってるだけじゃないかね?

それにしても、これまでさんざん「ポスドク余ってる、どないしようもない」といいながら、科学技術基本計画ではあからさまな老人擁護である。さすがである。

ただし2011-2015年閣議決定は未だが、「若手研究者のポスト拡充」となっている。予算が実際について拡充されるまで信じてはならない。騙されないよう。

マザーボードが突然停止、取り替えた

2010-12-25 07:58:02 | 日記
2010/12/24に、コンピュータの電源が突然きれた。電源入れなおして
もうんともすんとも言わない。
中を見るとCPUファンが
回ってなかった。GA-EP35-DS4のマニュアルを読むと、CPUか、ファンが悪いとか
書いてあった。CPUとファンを別のマザーに移すと動く。

従ってマザーボードが悪いと考えた。以前、マザーが壊れて、交換してもらった
ものがのこっていたので、それと交換した。それで事なきを得た。

2008/7/10に購入したとあるので、二年ちょい。

この忙しいときに...結構時間を取られた。
まぁサクッと直って良かった。

迷走をするThe Document FoundationとLibreOffice

2010-12-23 16:51:05 | 日記
The Document Foundationが、2010/12/20に、Open Invention Networkに参加すると
表明をした。


Open Invention Networkとは、
> Open Invention Network® is an intellectual property company that was formed to promote > the Linux system by using patents to create a collaborative ecosystem.

Linux向け(Free softwareではない)パテントの管理団体のようだ。

これ自体は何の問題もないのだが、平野一成氏が指摘するように、

> The Document Foundation has the mission to facilitate the evolution of
> the OOo Community into a new open, independent, and meritocratic
> organization within the next few months.

> TDFはOOoコミュニティを今後数ヶ月以内に新しい組織へと進化させる、その促進をミッションに
> しているそうです。

> An independent Foundation is a better match to the values of
> contributors, users and supporters, and will enable a more effective,
> efficient, transparent, and inclusive Community. TDF will protect past
> investments by building on the achievements of the first decade, will
> encourage wide participation in the Community, and will co-ordinate
> activity across the Community.

> ファウンデーションに関するご託宣はたいへん結構ですが、いったいTDFという組織を別にたちあげ、LibreOfficeというフォークプロダクトを作り、LibreOffice
> Community をつくっているのに、OpenOffice.org
> Community進化の方向性や期間を口にするのは、あからさまな内政干渉ではないか。
>
> TDFは組織的な混迷ぶりが目立ってきました。

その通りである。組織的な混迷だ。

私はLibreOffice, The Document Foundationの立ち上がりについては存在意義、存続のための議論がなかったのではないか、そう見ている。

なぜThe Document Foundationが立ち上がったか。個々のモチベーションは違う。これが混迷の原因だろう。私はMichel Meeks, Andre Schnabel, Caolan McNamaraからの返信からこれを垣間見ることができた(全員から返事が来た)。Michel Meeks(Novell Go-oo)とCaolan McNamaraの考えは比較的明らかだ。

* Hamburgがコードの取り入れに消極的であった、ということと、
* Novellが、JCA/SCAなどにサインしないコードを混入させようとする政治的な駆け引きをHamburgに対してし続けてきたこと、そしてこれが失敗していること。端的にまとめたLibreOfficeとgstreamerのこと。なぜgo-oo実装は入らなかったか(4)を参照頂きたい。
* Copyright assginmentをNovellがharmfulだと考えていること。

私はLibreOfficeがGo-ooと等しいと思っていたのだが、そうでもなく、Andre Schnarbelからは、一番最初にThe Document Foundationの案があったときは、Novellの参加は考えられてなかった、と告げられて、かなり驚愕したを覚えている。なぜならば、Novellの抱えるOOoへの問題 - コードを取り入れてもらえない - のと - Copyright assignmentへの不満 -はTDFを作るには十分な理由があると考えるからだ。

さらに、council memberの無理解である。The Document Foundationのアナウンスからは、The community of volunteers developing and promoting OpenOffice.org sets up an independent Foundation to drive the further growth of the project
とあるが、コミュニティでのコンセンサスはまったく得られてない。これはクーデターと見るべきであろう。

この後、Council memberの何人かの辞任、、これはコミュニティマネージャーのLouis Suarez-Pottsの、Charles Schltzへの指摘からの発端であり、TDFの人間が一体どういうことをしているか、理解していないという、端的な例の一つである。

このように、TDFはかなり組織的に意思統一ができてない、ということが指摘できる。

日刊工業新聞:2010/12/21理研の最前線「第178回:縮約密度行列の直接決定法」掲載

2010-12-22 12:19:34 | 日記
日刊工業新聞の2010/12/21に、私の研究の一般向け紹介記事を書きました。第178回:縮約密度行列の直接決定法:12月21日掲載として掲載されました。

化学や物理のほとんどは、密度行列を決定することで分かります。たんぱく質の複雑な挙動、超電導の仕組み、これらを知りたい。それを理解するには、計算機をつかった物理や化学が必須です。近似をなるべく使わず、本質を保ったまま、簡略化できるか。そして化学や物理をどうやって理解できるか。これが私の科学への試みです。

良かったら読んでみてください。質問もどうぞ!できるだけ答えてみたいと思います。