中田真秀(なかたまほ)のブログ

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為替相場にバンドパスフィルタを通した:価格の転回点が綺麗に出た

2013-07-25 11:41:41 | 日記
物理的には、オーダーが違うとそこでは物理が変わるといわれる。なるほど眼の前にある
水は、小さな目でみれば水分子の運動であり、量子化学の範疇で、さらに小さな目で見ればクォークの力学で、場の量子論(QCDか)の話である。
日常では、微視的な物理を意識することはほぼなく、単に古典力学の範疇、流体力学で水の性質はおおまかに理解できる。

この考えを為替相場に応用できないかと思ってやってみた。

離散コサイン変換により平滑化するというのは以前やった。この考えは上の考えを使って、
たとえばオーダーが2つ違う周期での動きは資金のオーダーの違う動きだと思って平滑化したわけである。

もう少し具体的に言うと個人が1-10万通貨を取引する間に、銀行は100-1000万通貨単位で取引するので、
この2つのでの値動きは桁が違うはずである。資金量のオーダーの同じプレイヤーの間のプレイは
いったいどういうものか、資金量のオーダーの違うプレイヤー同士の結合定数は如何なものか、
を見てみたいわけである。

この違いをフーリエ変換による平滑化で分離して表示するというのを考えると、
バンドパスフィルタを設計すれば良いということになる。

たとえば4096本の足を使っていればNyquist周波数2048周期以下、安全を見て1024周期以下256周期まで、を拾ってみた。

EURUSD 1H
USDCHF 1H
AUDUSD 1H

グラフにすると微分して0になる点で、綺麗に価格の転回が起こっていることがわかる。
また、資金量のオーダーの同じプレイヤーはそこで資金の取り合いを行なっていて、
価格はほぼ同じ振幅で、サインカーブのように変化していることがわかった(勝ち負けは半々という意味だろう)。

資金オーダーの違うプレイヤー同士の結合は普段は無く、ほぼ分離していることがわかった。
しかし、一度に非常に大きな資金の移動があるとき、たとえばECBドラギ総裁記者会見、
バーナンキFRB議長の議会での証言など、があるときなどはオーダーの違うもの同士がまざり、
資金オーダーの違うプレイヤー間での相互作用が見られる。

色々わかりました。

FIR IIR と因果的...

2013-07-23 07:49:06 | 日記
FIRを設計してみた。http://momiji.i.ishikawa-nct.ac.jp/dfdesign/fir/mado.shtml
石川先生、ありがとうございます。

結果からいうと長期トレンドラインをみるのにオーバーサンプリングはあまり意味なしであった。FIRなら長い波長の平滑化には最低その2周期は必要、ナイキスト定理なのである...

期間を区切ってフーリエ変換をして平滑化すると、時間経過とともに因果的でない効果が蓄積される。
長波長になればなるほど、である。これは時間領域、周波数領域で、矩形窓での打ち切りをやっているために
非因果的となってしまうのである。矩形窓でのインパルス応答は負の時間まで続く。

しかし、これをどうにかしてFIRなどにして、因果的にするとどうしても遅くなってしまう。

ということでどこかで「未来を予測」するものがはいらないと、長期の予測は不確か、という至極当たり前のことが導きだされた。

確かに、一番速く追従するのは、短波長であって、中波長、長波長は順によりおくれて追従する。

まぁリペイントは我慢してDCT平滑化について考えてみよう。

さてどちらにかければより安全であろうか。
* 長波長側は下降、中波長も下降、短波長は上昇。
このときはショートが正しいのかもしれない。
ただし、ファンダメンタル的転回があるFOMCや雇用統計での局面ではさけた方が良いのだろう。

* 長波長が上昇、中波長が上昇、短波長が下降、これは押し目買いなのかもしれない。

これってRSIよりはましなテクニカル手法なのかねぇ...

まぁぼちぼち。

為替相場曲線平滑化と因果的フィルタ

2013-07-20 20:27:56 | 日記
実際にDCT平滑化を為替相場に応用してみると、フーリエ変換が必ずしも因果的でないことが問題となってくる。
つまり、離散コサイン変換をするとそれ自体、矩形窓を使うことと等しいことになる。それが問題で、未来のデータが
過去のデータに影響を与えてしまう。いわゆるリペイントというやつである。
それを最小限にするにはどうすればいいか、だらだら考えてた

とりあえず
* オーバーサンプリングを使う(一時間足のところ、5分足で平滑化するとか)、ただしこれでもゼロにはならない
* 因果的なFIRを用いる
というのを思いついた。

いずれにせよ平滑化は遅れがでてしまう。。

また、H^\infty 最適化における因果的B-spline補完というのもあって、面白そうではある。

それにしてもエーラース先生はすごいね!

為替の相場曲線、フーリエ変換による平滑化

2013-07-13 07:05:31 | 日記
EURUSDをフーリエ変換により平滑化。スプラインの結果もある 平滑化のコストはorder O(N log N) で行えるFFTが有利と思われる。スプラインは平滑化のコストはかかるが、ローパスフィルタとしては、遅れが少なそうである。FFTだと周波数カット、つまり窓関数の設計をうまくやらないと、遅れがでてしまう。

EURUSDのDCT-IIによる平滑化。

離散コサイン変換による為替相場のトレンド分析

2013-07-07 07:29:12 | 日記
EURUSDの離散コサイン変換とローパスフィルタによるトレンド分析を行ってみた。

ただし離散コサイン変換の特性上、右端の傾きが0に近くなる(ので判断が難しい)。また、時間が進むと、過去が変化してしまう、(のできれいに見えすぎる;リペイント)。つまり、トレンドの大きな変化があると(今回では、ECB総裁ドラギ氏の発言で)都合良く変化してしまう。

現在下がり過ぎだがここで上昇を見込んでEURUSDのロングはちょっと危険。もっと下がると考える方がよい(雇用統計が良いことによるQE3の短縮懸念)。短期の赤線が中期の青線を上回ったときにショートが安全かと思われる。

単純移動平均も結局はローパスフィルタなので、基本的な分析方針としては同じ。ただし単純移動平均は相当遅れがでるので、フーリエ変換によるローパスフィルタ実現の方がはるかに素直なアプローチだろう。また、離散フーリエ変換だとどうしても高周波数のノイズが残るので、離散コサイン変換のような、偶関数フィルタの方がきれいに出やすい。窓関数は今回は設定していない。

古典的なテクニカル指標である、「短期長期の二つの単純移動平均のゴールデンクロス、デッドクロスによる売りサイン、買いサイン」の置き換えができると面白いと思う。こちらの場合長期の遅れがないのでクロス判断が正確になる。

投資などの判断は自己責任でお願いします。