中田真秀(なかたまほ)のブログ

研究について、日常について、その他。

YouTube配信: SS研座談会2045年、コンピュータが人間を越えた時

2015-02-28 15:25:02 | 日記
個人的には柏崎先生がすごかったな、と。楽しかったよ~

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【YouTube配信】: SS研座談会(2015年1月7日(水))
      「2045年、コンピュータが人間を越えた時
      -語り合おう!シンギュラリティを越えた先に何があるのか?-」
                     YouTubeでの配信について
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 SS研座談会のイベント実施内容をYouTubeにアップしました。
 最近、シンギュラリティ(技術的特異点)について、情報処理学会やNHKスペシャルで
特集が組まれるようになりました。そのシンギュラリティについて、論客である座談会
メンバーが熱く語り合っておりますので、是非、一度YouTubeをご覧ください。
 ※YouTubeの動画は Part1~Part 11。以下のURLの下方に動画が埋め込んであります。
  画面が小さいので、その画面の右下の四角のマーク(全画面)をクリックしてください。

イベント概要:
http://www.ssken.gr.jp/MAINSITE/event/2014/20150107-tabletalk1/

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座談会メンバー(氏名あいうえお順)(敬称略)
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    大武 美保子 (千葉大学)
    小町 守   (首都大学東京)
    金澤 裕治  ((株)富士通研究所)
    寺澤 洋子  (筑波大学)
    三谷 純   (筑波大学)
    森下 唯   (ピアニスト)
    柏崎 礼生  (大阪大学) (兼コーディネーター)
    検崎 博生  (理化学研究所)  (兼コーディネーター)
    中田 真秀  (理化学研究所)  (兼コーディネーター)
   オブザーバー
    水本 好彦  (国立天文台)
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為替の板情報はいずこ

2015-02-21 17:41:28 | 日記
為替は証券のように取引所が決められているわけではなく、基本的にはお互いが合意すれば交換できるため特に板情報というのはない。然し乍ら、どこにどんなbid/askがあるか、はなんとなく噂がでてくる。
例としては
* 120円にはオプションがらみの売り厚め
* GPIFによるドル買いのbidが115円から断続的に続いている
* 大口のストップロスのドル買いがあることを確認
* 値動きによりオプションが「観測された」
などであろう。

為替で一番規模が大きく重要なのはインターバンク市場であり、彼らは
"ロイター" "EBS (Electronic Banking System)" 端末たちで取引しているという。他には、「テレホンブローキング」といい、電話で銀行間で直接やり取りしているとのこと。

以下で彼らの板情報が入手出来みたいである。ただし有料っぽい。


こういうのを使っているのを示唆するのが、高安研にあった「為替EBS全通貨板情報から,為替市場を研究します」という記述である。

他には無料では、 OANDAの顧客のポジション情報、それをもとにした、クソポジチェッカー

また、外為どっとコムの板情報もある。

メルマガ、有料サイトでは

などがある。

Electronic Communications Network (ECN)やSTPなブローカーでは、仕組み上、板情報を見れるはずである。Electronic Communications Networkを用いて価格をマッチングさせているわけであるからだ。
実際cTraderを用いてlevel2 pricingを見られるものがある(ブローカーとしてはThinkforex, Pepperstoneなど)
Level 2 pricingはdepth of marketing = つまりask/bidだけではなく、そのネットワークに参加している投機家、つまりliquidity provider or market makerたちの板情報も見られる。小口の個人投機家をターゲットにしているわけでインターバンク市場の板情報からは遠いと思われる。スキャルピング、つまりliquid providerとの勝負の場合は参考になるが、そうではない場合あまり参考にはならないとは思う。


大学の授業と予備校の授業

2015-02-16 11:52:22 | 日記
高校から大学に入ってきて、予備校の授業を受けてきた人にとっては、大学の授業が如何に下手かには衝撃をうけるだろう。
情熱もなく、わかりやすくもなく、教科書棒読み(これも必ずしも悪いことではないが)...
「大学に入って学生に勉強させるのが正しいか否か」ここから多分議論には成るかもしれない。

端的には、予備校の講師には激しい競争があるにもかかわらず、大学での一般教養で教えることには競争が全く入ってこないからだ。
特に旧帝大での典型としては、先生は教養で教えることには興味がなく(さらに一番よいのは授業に出ず自分で本を読むことだと思っている人が多い)、専門ではまだもう少し興味がある。

専門で教えることには次の二点で興味がある。
* 優秀な学生に自分の研究室に入ってほしいということ
* 最先端の自分の研究を教えると、自分にとって考えが整理されるということ

30年後にそこはかとなく重要性が解る、そんな教育も悪くはないだろうが、せっかく授業をしているのにお互いモチベーションが低いというのは、お互いの時間、能力の無駄となり、大変もったいない。アンケートは多分そこまで意味はないだろう。学生は単位が欲しいから媚びるだろうし、先生も甘めの授業をすればよく、媚びるだけで、お互いサボるのがwin-winとなってしまう。
行動経済学的にモチベーションを上げるのはどうしたらいいのだろうか。

* 一コマあたり手当を出す(非常勤である僕は出てる)
* 授業は実は進路に非常に影響を与えている(なんとなく感じる)
* 今を生きるには幅広い知識が必要(学際的な研究が重要?)
* むしろ授業をなくしてしまって、研究室配属、専門決定過程でもう一度試験をする(東大の進振りみたい?)

とか思った。




理論化学、量子化学、理論物理の違い...学生にとって:構造化学

2015-02-16 11:20:00 | 日記
理論化学、量子化学は面白いんだけど、化学の中ではかなり不人気である。理由は、数式が苦手な人が化学には多いからだ。
確かに有機化学の人は多分数式をほとんど見ないだろうなと思う。Gaussianは触るだろうけど。

理論物理は全く逆で、物理の学生は数学も大好きで、理論物理はむしろ人気がある。数学か物理か。迷う学生は多い。
ということで、理論化学や量子化学でやる気のある学生を集めるのはなかなか難しい。

化学には進んでほしいけれど工学系だろうが理学系だろうが、まさか情報系だろうが、量子化学が出てくることはある。
他にも有機化学、無機化学、物理化学、薬学、物性物理、原子物理...様々なところで顔を出す。計算を流すだけの場合がほとんどだが、大まかに知っていないと全くわからないだろう。
基礎的なところはもはやほぼ完成してしまったが、応用をすること、より巨大系に適用できるようにする研究は
まだまだ重要である。

分野はもはや垣根がない。当たり前だが物性物理の人は、例えば超電導などを考えたい場合銅のd軌道が、
ということを平気で使う。

構造化学は、そんな学生たちにとってもサラッとでも量子化学を学ぶ機会を提供できる。

なんだかんだいってちゃんと第一原理から化学を説明できて学んでもらえる機会を作ってもらえてすごく嬉しい。