前回、次の仮説を立て新旧観測点の気温の状況を観察したが、関連性があったのは最高気温が高い時に新旧の気温差が拡大するだけだった。
- 新旧の気温差は気温が高くなるほど拡大する。
- 新旧の気温差は風の強い日ほど空気が拡散するため縮小する。
- 新旧の気温差は風向により異なる。北風の日は旧観測点の方が高く、東風の日は新観測点が高い。
その後、7月2日から7月28日までのデータに加え、8月18日までのデータを追加し分析したが、風向や風力と新旧の気温差との間には関連性は見られなかった。
そこで今回は、7月2日から8月18日までの日照時間や降水量と新旧の温度差との関連性について分析してみた。その結果、日照時間が長い日ほど旧ポイントの温度は高くなり、逆に日照時間が短いと新旧の差は無くなるという相関関係が得られた。
日照時間が長いと気温も高くなることも多く、したがって最高気温が高いほど、旧ポイントの方が気温が高くなるということになる。しかし最高気温は日照時間だけで高くなるわけでなく、その他の因子も影響をしている。その影響で相関関係が弱まることになるのかもしれない。
冬の晴れの時も、日照時間が確保できるため、気温差が出ていたのかもしれない。ただし冬期は日中時間が短いため、夏期の晴れの日より気温差が出ていない可能性もある。
今回の結果から、日照時間が長くても高温にならない素材で環境整備をすればヒートアイランドは防げることになる。アスファルトやコンクリートの材質をやめ、土や芝生にすればいいということかもしれない。
いずれにしても、館林においては、アメダスポイントを移設してから8月18日まで間、日本最高気温は記録していない。