「最近、シヴィライゼーション5をパパに買ってもらったんだ。コンプリートパックでね」
「アレを買ってもらったのか…スネ夫…廃人街道まっしぐらだな」
「僕もちょっと気になってたんだよなあ、ちょっとプレイしてみたいな」
「悪いなのび太、このシヴィライゼーション5は12人用なんだ」
「どう考えても僕が入る余地があるのに、なぜ排除されるかが理解できない」
「へへへ、悪いなのび太。俺達だけで楽しませてもらうぜ」
「あ、ジャイアンもダメね」
「なんでだよ!?」
「モブを12人集めて、どんな殺し合いをするのか眺めて楽しむからね」
「「楽しみ方が後ろ暗すぎる」」
「って言うことがあったんだよ、ドラえもん」
「集めるってことはパソコン12台用してやるのかな…また手間がかかることを」
「ドラえもん、僕もシヴィライゼーション5やりたいなあ」
「さすがに僕でもそれは用意できないよ、プレイを覗き見するくらいならできるけど」
「スパイセットとか、また懐かしい道具を出してきたね」
「よし、スネ夫の部屋に入ったぞ…」
「どれどれ…」
「本当に俺達の中で勝った奴がレギュラーに昇格できるんだな!?」
「嘘は言わないよな、スネ夫!」
「もちろんだよ、みんなの中で勝った一人が出木杉とポジションを交代していいよ」
「よぉし、負けられないぞ!俺が次のレギュラーだ!」
「いや、俺だ!お前なんかにレギュラーの座を渡すもんか!」
「大変わかりやすい撒き餌ですね」
「出来杉君のポジションって辺りがまたアレだね」
「ああ、いきなりギリシャ、朝鮮、ポーランド、ショショーニを誰が取るかで揉めてるね」
「わかりやすい強文明争奪争いだなあ」
「ちなみにドラえもんだったらどの文明を選ぶ?」
「うーん、僕はどこでもそれなりに動かせるからなあ…特に決まってないかな」
「そっかあ…説明とかをみる限りでは僕はイギリスが強そうで好きかな」
「長弓兵いいよ、射程長いし。戦列艦も強いし」
「おっ、そんなことを言っているうちに文明が決まったみたいだよ」
「おい!俺が取ろうとしてた塩を取るんじゃない!宣戦布告だ!」
「ふざけるなよ!お前こそ俺が目をつけてた土地に都市をねじ込みやがって!」
「何言ってるのかしらないけど、お前と同盟組んでる都市文明奪っておくからな」
「くそう!お前なんか俺の戦闘弓射手でハチの巣にしてやるからな!」
「みんな仲悪いなあ、僕はそのうちにアレクサンドリア図書館建設してようっと」
「おい、アイツ俺たちを出し抜こうと遺産を立て始めてるぞ」
「よし、俺とお前ともう一人でアイツを一気に攻め立てるか」
「オーケー、やってやろうぜ(後でお前の土地もいただくけどな)」
「ハハハ…」
「醜いなあ…」
「醜いねえ…まあ、マルチだと基本的にこんな感じかもしれないけど」
「さすがのスネ夫も言葉を失ってるね」
「僕達レギュラーにはわからない争いなんだろうね、モブキャラのこういうのって」
「しかし、ヴェネツィアを使う彼がまたいい働きをしてるね」
「ギリシャが必死に金を積んで同盟を組んだ都市文明を一発で奪ってるね、素晴らしい」
「名前知らないけどね、モブだし」
「それは言ってやるな、僕も知らないけど」
「あ、アラビアを使ってる金尾タメル君が他のモブ4人に宣戦布告された」
「慌てて即金で長剣士を生産してるけど、あっという間に弩兵にハチの巣にされてる」
「あっという間に首都も衛星都市も占領されて滅亡したね」
「明らかに資金面で数歩リードしてたからね、放っておいたら脅威になってたろうし」
「なんか、あの弩兵が税金鳥の集団に見えてしょうがない」
「トラウマをほじくり返すのはやめてあげて」
「お前が出した道具だろうが」
「おっと、そうしているうちにズル木君がルネサンス時代に突入したよ」
「彼もモブキャラ扱いでいいの?」
「僕らと比べたら出てないからね、しかし朝鮮を選んだだけあってテクノロジーの進歩が早い早い」
「開放したのは火薬か…マスケット兵で速攻狙いかな?」
「いや、他のモブの長剣士も結構昇進を積んでいるからね、まだわからないよ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「だんまりタイム入りましたー」
「もうみんな余裕無くなり始めてるね、口約束することもなくなってる」
「ルネサンス以降は割と忙しくなってくるから仕方ないね」
「遺産もあらかた建設されてるし、そろそろ戦いが膠着してくるかな」
「うわ、このタイミングでペルシャ使うガリ勉くんがタージ・マハルを建てた」
「黄金期ボーナス有りのペルシャでこれを建てたか、これはまだ荒れるぞ」
「ズル木君が弩兵とマスケット兵の集団に責め立てられてる」
「それでも火車やフリゲート艦で何とか耐え抜いてるね、しぶといなあ」
「その脇で他のモブが都市を建てたり奪ったり奪い返してる」
「ポイントのための骨肉の争いだねえ、もう都市の維持とか誰も考えてないよ」
「130ターン経過、終了だよー」
「お、終わったか…!」
「勝ったのは誰だ!?」
「えーと…都市はいくつか落とされましたが、遺産の数で圧倒。エジプトのコントロールが良い投手です」
「誰だよ!?」
「あー…たしかにそんな奴いたよな…」
「というわけで、はい、来週からレギュラー確定です。おめでとう」
「あ、ごめん。僕、今日たまたまここに着てただけでさ、明日にはもうとなり町に帰ってるんだよね」
「えっ」
「なんで、レギュラーは他の人に譲っておくね。こっちにいちいち来るのめんどくさいし。それじゃ」
「……」
「スネ夫、どうすんだよこの状況」
「モブな上に勝ち逃げとかないだろ、それは」
「…言っちゃなんだけど、あれに出来杉君の代わりは務まらないよね」
「まあ、モブだしね」
「結局、不毛な戦いをずっと眺めていただけで終わったね、僕ら」
「もう5時間は経ってるよ…こんなことしてるんだったら別の遊びするべきだったね」