2007年7月6日(金)に
恵泉女学園大学 人間社会学部人間環境学科の松村講師と学生さん4名が、「
さえずりの森」に来訪されました。
永山駅前の雑木林が「
さえずりの森」として残されるにいたった経過を聞きたいとのこと。
世話人会から、浅井代表と他5名で対応しました。

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* 村山さんの案内でまず”
さえずりの森”の中へ。

くぬぎ山、きつね谷など名称も新たに記入されたルート地図を手に
永山駅前雑木林を学生さんに実体験していただきました。
梅雨時の合間、暑い日ざしの中でしたが林の中は涼しく、蚊に食われなければまずまず快適。
例によって村山さんが前日までにしっかりルート整備をしてくださったのではと思われます。
とても歩き易くなっていましたがはじめての学生さんたちはどう感じたのか伺うのを忘れました。
歩いた経路はC入り口より
くぬぎ山→きつね谷(ここで命名の由来説明)→ほおのき沢→くぬぎ山→C入り口
でした。
途中クロモジの若木の香りをかいだり、アカマツは荒地に多いと説明を受けたり、ホオノキの緑の実の確認、
・ツルニンジン
・ハエドクソウ
など珍しい植物に触れ、クヌギ、コナラ、シラカシの確認、ヤフレガサ、ギボウシ、ヤブミョウガ、キズタなどをみてもらいました。

草木の成長は早く、よく見通せたホオノキ沢も小柄な人はどこにいるのか見えないほどに伸びて、ツルニンジンがもうかわいらしいツボミをたくさんつけていました。
とても大きな茶色のキノコを発見しました。浅井さんいわくホテイシメジで食べられるキノコだそうです。
* 永山ハイツ集会所にて

村山さん、浅井さんから永山駅前雑木林について多摩ニュータウン開発時から現在に至るまでの経緯が説明されました。
公団が開発を始めた40年ほど前、浅井さんは上空からヘリコプターでニュータウンを見る機会があり、開発で茶色の地肌が広がる中、グリーンベルトとして残されていた永山駅前から、後に開発されたJTB、南多摩保健所のあたりの雑木林の緑が強く印象に残っている。
グリナードという駅前商店街の入ったビルの名前はグリーンプロムナードから公団が命名した。
その公団が組織改変で機構(UR)となって2005年、一等地の駅前雑木林が開発の対象に。
そこで手付かずの雑木林を駅前という立地だからこそ残し行こうという事で”守る会”が生まれた。
趣旨に賛同した7,000名からの署名請願を多摩市議会に提出、採択され、緑を残していこうという市長の意向もあり市の緑化基金2億1千万で購入された。
雑木林には貴重な
・タマノカンアオイ
・キンラン(金襴)
・ギンラン(銀襴)
などの植物もありまた、
・タヌキ
・ハクビシン(白鼻芯)
・コジュケイ(小綬鶏)
など小動物、小鳥もいるので、「
永山駅前雑木林保全育成の会」をつくり試行錯誤しながら維持管理をしている。
今回の活動で
駅前雑木林が守られたのはインターネットを活用した若い世代の力も大きく、遠方の方々にも知られることになった。
また維持管理については、すでに市民が保全に携わっている「なな山緑地」の経験を踏まえたグリーンボランティアの助けを借り学びながらしている。
危険な作業や素人では難しい作業は市から専門業者に依頼。
これからの課題は雑木林の役割として
・生活の憩いの場
・子供たちの学習
・自然観察
・体験の場
としてどのようにすれば危険なく提供できるかである。
現在は心して場を設けていかないと、雑木林のようなところで自然を体験する機会が以前のように身近になくなっている。
雑木林は大切に思っている人が多いが、開発したほうが良いという人もいる。
運動としては里山として残し、入って楽しんでいきたい。手を入れなければ竹が繁り、常緑樹の林になってしまう。
地球に酸素を供給し、CO2を吸収しているということであればそれでも良いが、昔から林と共存してきた里山のあり方を残していきたい。
松村先生の自己紹介
環境社会学を専攻、町田に在住、横浜、町田などで里山にかかわる活動をしている。
よこはま里山研究所理事長でもある。
里山として残した雑木林の維持管理の問題や地域住民と雑木林とのかかわり方、また自立した組織作りをして上手に雑木林とつながりを持っているところなどについて例を挙げながら経験を話される。
「
さえずりの森」について、雑木林の保全管理、多摩地域の「めかい」について、恵泉の裏山での親子自然体験、などなど様々なやり取りがありました。
〇参考資料として、
・守る会が報道された新聞記事のまとめ
・守る会の呼びかけチラシ
・ 雑木林を守る永山ハイツニュースバックナンバー
・運動記録のビデオのDVD
などを松村先生に差し上げました。