長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

志賀高原・長池~志賀自然教育園~(山ノ内町)

2012年09月23日 | 山歩き
2012年9月15日 志賀高原・長池~志賀自然教育園へ行って来ました。


長池
標高1584m。かなり水が減っていました。


たこ松
 この木はコメツガです。なぜこのようになったのでしょうか。根が岩を抱くように下へ伸びたのか、岩の周りにあった土が失われ根が露わになったのか・・・。根は重力屈性、水分屈性によって岩のコケなどに沿って下方に伸びていきます。最初は細かった根も土にたどり着き水分が十分に得られるようになると太く成長することができます。可能性が高いのは後者ですが、どちらの可能性もあり得るかなと思います。


上の広場(1656m)のオヤマリンドウ


倒れても枯れないクロベ(ヒノキ科クロベ属)
 クロベは、雪や風で折れたり倒れたりしても新たな枝が立ち上がって主幹に成長します。針葉樹にしてはしぶとい性質を持っています。


展望台から
 手前が長池、奥が琵琶池。


クロベとシャクナゲ
 展望台の後ろの様子です。クロベは、池や湿原の周りだけでなく、乾燥しやすい尾根の岩でも生きられます。なので同じく尾根筋で乾燥にも強いシャクナゲと一緒に写真に収められました。


ふたご岩
 2つ並んだ輝石安山岩の大岩です。写真のように、大岩の節理に生えたコケの上にコメツガ、クロベなどの大木が成長しています。後から流れ出た溶岩流が既に固まった岩を運んで並んだと考えられています。


まが玉の丘(1765m)のクロベ
 自然園最上部の「まが玉の丘」にもクロベの大木が見られます。そして根本に空洞があります。これも岩を抱いて成長??・・・にしては岩が見当たらない。元々一本のクロベが周りに幹を分けながら伸び、元祖の古株が腐ったため根本に空洞ができたとも考えられます。


ふたご岩のひとつを後ろ側から
 大岩に大木が育つ様子は不思議な感じと共に畏怖も感じます。


木場の広場(展望台)からの眺め
 正面の目立っている山は五輪山(1620.2m)でしょうかね。眼下に琵琶池(左)、真ん中右寄りに蓮池が写っています。天気が良ければ遠くに妙高山や黒姫山、北アルプスも見えるということです。
 この木場の台地は、志賀火山のもっとも新しい溶岩流(5~10万年前頃)の縁だそうです。


ヒカリゴケ(ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属)
 鮮やかな黄緑色に光るコケです。自ら発光しているのではなく、レンズ状細胞が光を反射させ光っているように見えます。反射する道路標識と同じ原理なのですね。レンズ状細胞で光を集め効率的に光合成ができる能力を獲得したので洞窟・石窟など弱い光の所でも成長できます。競争力は弱くとも特殊能力を獲得することで生きる場所を見つけた植物なのです。



田ノ原湿原

草紅葉が始まりかけた田ノ原湿原


リフトとヤナギランの紅葉
 ヤナギランは花も綺麗ですが紅葉もいいですね。もっと近づける所でヤナギランの紅葉を撮影したいと思いました。

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