駅弁で何が美味しいかと聞かれれば、水了軒の「八角弁当(はちかくべんとう)」( http://www.suiryoken.co.jp/detail.html#hachikaku )と答え、好きな弁当はと聞かれれば水了軒の「赤飯弁当」( http://tanokenoamura.asablo.jp/blog/2010/04/21/5032867 )か崎陽軒の「シウマイ弁当」と言っていた。(両方とも経木だ)特に出張の多い20代は水了軒の弁当を思うと舌なめずりした。<o:p></o:p>
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今回、水了軒の閉店を知り、味の記憶を惜しむ。<o:p></o:p>
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八角弁当は、<o:p></o:p>
おつまみとして空豆、穴子鳴門巻、牛蒡、烏賊雲丹焼<o:p></o:p>
おかずに焼魚、蒲鉾、炊き海老(珍しい)、卵焼、かしわ、蒟蒻、小切茄子、とうろう豆(デザートに最適)焚物に昆布巻、人参、椎茸、高野豆腐(美味しい)、筍<o:p></o:p>
ご飯、柴漬<o:p></o:p>
が入っていた。「フライもの」の無い、真っ当な弁当で大阪味の文化の誇りである。<o:p></o:p>
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赤飯弁当はおかずが4分割され、下に赤飯が入っているが八角弁当より安かった。これと「シウマイ弁当」は車中でお酒のつまみになるうえ、仕上げにご飯も頂ける構成があり良い。赤飯弁当は赤飯があとで楽しめ、しかも蓋の段があり乾かないし、味も良いしと言うことのないお弁当だ。構成は(下線は八角弁当との相違、間違いはご容赦)<o:p></o:p>
かしわ(多い)、蒟蒻、蒲鉾<o:p></o:p>
炊き海老、人参、椎茸、高野豆腐<o:p></o:p>
焼魚、小烏賊の詰め物<o:p></o:p>
大根膾、とうろう豆、柴漬<o:p></o:p>
味の濃いかしわでお酒が進み、大根膾でさっぱりという構成だ。(大根膾の入った駅弁を他には知らない)焚物の海老(剥き難いが)、合いの手にじゅくじゅくした高野豆腐の味はなんともいえない按配の良さだ。デザート代わりの「とうろう豆」は絶品だ。<o:p></o:p>
この前食べたのははるか前なのに書いているだけで食べたくなる。あの頃を想い出す。<o:p></o:p>
これ以上の駅弁は考えられない。<o:p></o:p>
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大阪の味の遺産として保全するべきものだ。
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