指揮者 神尾昇の一言

日々の生活の中でちょっとした事などがあったら、ちょろっと書き留めて行く、そんなブログです。

バロック音楽

2013年03月30日 | Weblog

最近、バロック音楽に若干ハマっています。

今までは、バロック音楽は私にとってちょっと縁遠いものでした。
理由は正直に、「かったるい」感じがしていたからです。
テンポ感としては、ちょっとゆったり目というか、
違う言い方をすると、「心地よい」のですが、
以前はそれが「かったるい」と思う一番の原因でした。
それから和音やメロディや構成もロマン派以降の「派手さ」は無いですし、
楽器も「ユルい」音が出るものばかり。
金管や打楽器の派手さもありません。
極めつけが、「ピカルディ終止」
短調で始まった曲は全て長調で終わります。
どんな悲しいアリアを歌っている時でもです。
最後は明るく。
これが腑に落ちないでいました。
ということであまり聴きも、演奏もしなかったのは事実です。
しかし最近はなぜがハマりつつあります。
それは、年齢なのか、運命なのか、気まぐれなのか、
私にはよく分かりませんが、
言える事はバロック音楽は今の私にとって「安らぎ」になる、ということです。
私はFMのエアチェックをするのに、オリンパスのラジオサーバーというものを使っていて、
自動的にいくつかの番組を録音する様にしてあるのですが、
ここ数ヶ月で、朝の6時から始まる「古楽の楽しみ」
という番組もリストに入っています。
そしてそれらをチェックがてらパソコンで流してパソコン作業をしているのですが、
ブラームスや、ブルックナーなどを聴くよりは、作業が捗る様です。
それは、音楽の軽さがそうさせているのでしょうが、
バロック音楽というものはロマン派以降のように、
深く深く自分の中に入らなくてもいい、
というか、自然に浸透してくる、
そう言う感じがするからだと思います。
最近K-mio Chorでウィリアム・バードの曲をやり始めました。
理由は二つ。
一つは「私が好き」になったからです(笑)
もう一つは、合唱団のレヴェルアップに繋がるからです。
何百年も続いている音楽の歴史の原点に帰るということは、
逆に言うと「基礎」を知る、という事でもあると思います。
ロマン派以降の音楽に比べて単純な造りである、
ということは実は演奏するには難しいのです。
声楽曲であれば、余計なビヴラートをかけてはいけませんし、
いかに純正律に音程を近づけるか。
楽器に頼れないのでお互いを信頼して音程を合わしていくしかありません。
私にとっては実は未開拓分野なので、
今後バロック音楽に触れる機会を増やして、
更なる音楽の世界を楽しんでいきたいと思っています。
 
 
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