指揮者 神尾昇の一言

日々の生活の中でちょっとした事などがあったら、ちょろっと書き留めて行く、そんなブログです。

2012年総括、其の弐

2012年12月31日 | Weblog

いよいよ2012年も今日で終わりますね。
今日は総括の続き、ということで今年自分の中で一番躍進した、
「料理」の事について回想してみようと思います。
今までもやっていましたが、やっても月に一度や二度、
ということで「やってます」と言えるレヴェルではなかったですし、
一度にかける時間もそんなに大した事ありませんでした。
ほとんど休みがない状態でしたので、仕方ない、
と言えば仕方ない、と言い訳ができるのですが、
今年は意外に休みが多く、その分多く時間を料理に割けました。
ですのでレパートリーの幅も広がりました。
先ずカレーやシチューなども、ルーを使って、
という事は無くなりましたし、
その他のスープやソースなども、なるべく市販のものは使わない。
一から作る事で素材の味を知り、そして料理の深さを知ったように思います。
ですので、正直外で食事をしていても不満が結構出てきます。
ここは手を抜いている、ということがよく分かるようになったからです。
一緒にいる人に悪い思いをさせてはいけないので口には出しませんが、
サーヴィスも含めて今年は結構そういう事には辛口になってしまいました。
そしてそのサーヴィスについても結構学んだ年でした。
ウチに人を呼んでパーティー、という事を何度もやったのですが、
火を入れるタイミングや、提供するタイミング、
盛りつけや量なども、いろいろな人にサーヴすることによって学びました。
味付けも、塩の加減を最後のひとつまみまで極めよう、
とやっていましたし、ドレッシングなどは完全に私のオリジナルです。
ボルシチ、ピロシキ、グリヴイなどのロシア料理は、初体験でしたし、
パスタも手打ちに挑戦したり、ピザも生地から作る事に挑戦しました。
タイカレーは以前に作った事がありましたが、
今年はインドカレーにナン、まで作ってみました。
スペイン料理はパエリアと、アヒージョ。
作ったとは言えないくらい簡単でしたが(笑)
道具も増えました。
パスタマシン、ムーランなども念願叶って手に入れましたし、
先日はブリュレを作るためにバーナーまで買ってしまいました。
これで炙りものもできるようになります。
包丁も合羽橋で何本か買いましたが、
一週間に一度は砥石で研いでもいます。
お陰様で先日は左手の人差し指を爪ごとスパッとやりましたし、
昨日も左手の中指の爪と指の間を、可憐に刃が食い込みました。
年末年始ピアノを弾く仕事が無くて良かったです。
 
というような一年でしたが、
料理をする、ということは音楽と共通する、
と前々から言っていたことを自ら、より体験した一年でした。
中には私がビストロでも開いて音楽家を辞めてしまうんではないか、
という懸念を持たれている人もいる様ですが、
今のところそこまでは考えていません(笑)
料理をすることによって音楽そのものの造詣ももっともっと深めていきたいと思います。
ちなみにフランス語で指揮者のことは、
chef d'orchestreと言います。

それでは皆さま、来年も、何卒、宜しくお願い申し上げます!!!

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2012年、其の壱

2012年12月30日 | Weblog
今年も後二日になりました。
30日である今日が日曜日、というのは世間の休日事情という事で考えたら、
得なんでしょうか、そうじゃないんでしょうか、
私には良く解りませんが、せっかくなので今年の総括的な事を書いてみようか、
と思います。
今年は、というか今年も、音楽やその他の「謎」に関して良く考えた年でした。
かと言って、全くと言っていい程謎に関しては解けていないのですが、
私的には音楽の表現に関して、多少は造詣が深くなったのではないか、
と自負しています。
昨年は大震災があり、それによって自分の中で何かが高まり、
音楽を表現する時の気持ちの入れ方、とか心のふるえ方、
などが大きく変わってきたと思います。
特に宗教曲や、絶対音楽などに関しては、「祈り」の部分が強くなったように思います。
それが今年は私を取り巻く、ある意味プライベートな部分と、パブリックな部分で、
様々な変化があり、私の仕事の形態も昨年から比べて大きく変わりました。
先日のブログで書いたように、「大きく変わる」というのは、
逆に言うと「大変」だった年で、
心身ともに相当なストレスやプレッシャーをかけられました。
それが、私にとっては、特に音楽にとっては、
結果的に非常にプラスに働いたように思います。
離任した団体も幾つかあり、
私にとってはそれらの団体での公演は「最後」ということになってきたわけで、
だからこその「思い」とか、それこそ「祈り」とかの境地に、
更に入っていったように思います。
四十歳を境に、音楽や芸術や仕事に関する考え方、
捉え方というものがいろいろな意味で大きく変化してきた、と思いますが、
四十歳を迎え、第一回神尾合唱祭、そしてリサイタルをやった2010年、
大震災に遭った昨年2011年、
そして今年、という三年は私の中で大きな変化に富んだ三年でした。
恐らく来年も今までか、今まで以上の大きな変化にのまれていく、
というような予感はしていますが、この数年で体験した事、
というのは大きな糧になるような気もしています。
それによって私が周りの人がどういう影響を受けるのか、
また、どういう影響を与えられるのか、
それはまだ分かりませんが、
周りの人も含め、一緒に大きく成長して行きたい、
その様に思ってもいますし、願ってもいます。
 
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元気と勇気をもらった映画

2012年12月29日 | Weblog
Soul Surferという映画を見ました。
13歳でサメに襲われ、左腕を無くした女性プロサーファーの実話に基づいた映画です。
公開前にNHKで紹介されいていたので観たかったのですが、公開中は逃してしていました。
レンタルが始まったので観たのですが、予想通り、いや予想以上に感動的でした。
先ず、これは実話な訳で、サメに左腕を食いちぎられて、
ほとんど腕がない状態なのですが、そこから夢だったプロサーファーになった、
不屈の精神をもったベサミー・ハミルトンという女性の、
ある意味ドキュメンタリー映画なわけです。
DVDには、ボーナス映像も入っていて、本人が頻繁に出て来ていました。
ベサニー役をやった、アナソフィア・ロブが本人に雰囲気も似ている、
と思ったらベサニー本人のご指名だったようです。
でもキャストの多くがサーフィンをあまりやったことがない、
ということでしたが、さすがプロの役者達、
そんな事をまるで感じさせない演技と、
そしてハワイロケによる映像が素晴らしかったです。
実際のサーフィンをする映像では本人が出演をしているので、
迫力も満点です。
 
映画の最後の方で、一度は諦めかけたサーフィンで、
全国大会に出て、最後に素晴らしい波乗りをするのですが、
終了のホーンが鳴った後に立ってしまって、それが反映されず、結果5位になるのですが、
表彰式後のインタビューに答えるシーンがあります。
最初は家族が気遣ってインタビューを断るのですが、
本人が、
「子供たちが見てるかも知れないから」
と自らインタビューに答えます。
ー 優勝を逃して失望を?
「サーフィンが出来たら満足よ。」
ー サメに襲われる前に戻れるなら、戻りたいですか?
というちょっと無神経な質問に、
「過去は変えないわ。
 この貴重なチャンスを失いたくないの。
 今は両腕で抱くより、多くの人を勇気づけられる」
 
映画の途中で、大津波に村が襲われ、多くの人が亡くなった、
タイのプーケットにボランティア活動に行くシーンがあります。
家族を津波で奪われ、笑顔も言葉も無くしてしまった少女が、
海に入るのを嫌がっているのですが、ベサニーがサーフィンを教える事で笑顔を取り戻していく、
というシーンが描かれていました。
本人も直前に大会に出るのですが、思うように波に乗れず、
サーファーになることを諦めかけていた、
という時の体験、ということで描かれていました。
 
サーフィンが天職だから、毎朝夜明けに起きる。
お腹のすり傷やリーフカット、筋肉痛も我慢する。
人生はサーフィンに似てる。
波にのまれたら立て直せばいい。
次はいい波が来るかも。
神を信じていれば、どんなことも乗り越えられる。
 
という言葉で映画は締めくくられます。
年の瀬に、大きな元気と勇気をもらった映画でした。 
 
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昨晩の出来ごと

2012年12月28日 | Weblog

昨日は混声合唱ショコラの練習&忘年会でした。
年の瀬ということもあり、参加できなかったメンバーも何人かいたのですが、
練習は来年1月20日に行う予定の、老人福祉施設でのコンサートの練習総括でした。
そして忘年会は四谷に比較的出来て間がない中華料理店へ。
コースは、なんと飲み放題だけでなく食べ放題、しかも時間無制限で4200円というもの。
都心でこの設定はかなり勇気がいるのではないか、と察します。
でも料理は美味しかったですし、ハウスワインですがワインもありました。
そしてここでのメインイベントは、「変面ショー」というものでした。
ネットで検索をかけると、「上海変面ショー」などと出てきて、
結構有名なものですが、私は初めて見ました。
そしてこのショーは、お店のマスターがやる、
というもので、音の操作は恐らく奥様。
ステージの上ではなく、目の前でやってもらうので、
迫力満点で、コミカルな部分もあり、大変面白かったです。
食べて飲んで、とにかく大満足なひとときでした。
 
そして松戸に帰って、私が行きつけ、
というか、マスターと顔見知りになっている店で、
ある居酒屋とラーメン屋があるのですが、
パッと見居酒屋の方は電気が消えているような感じだったので、
ラーメン屋の方へ足を向けると、
なんと、マスターが酔っ払いにからまれているではありませんか。
息巻いているだけで、暴力を振るうような感じの人ではありませんでしたが、
結構酔っているみたいで、同じ事を大声て繰り返していました。
警察を呼んだ、ということだったので、警察が来るまで一緒に待っていましたが、
その酔っ払いはマスターのお父さんを知っている、
というか家庭的な内情を知っている風で、
それをネタに、罵詈雑言を吐いています。
やがてお巡りさんが来たのですが、
今度は向かいにある中華料理店から出てきた酔っぱらいが、
そのラーメン屋さんに入って大声で怒鳴っています。
呆れてマスターと苦笑するしかありませんでした。
ひと段落ついたので、
マスターに頑張ってください、と握手をして帰ってきましたが、
それにしても、個人的な事を取り上げて、自分がさも偉くなったように振る舞う、
という人は本当に最低な人間だと思います。
自分にだって、一つや二つ後ろ指を指されるような事だって、
人間生きてきたらあるのではないかと思います。
それを棚に上げて、鬼の首を取ったかのように暴言を浴びせかける、
人間のクズです。
 
マスターに「年の瀬はこの手の輩はやっぱり多いんですか?」
と訊いたら、やはり
「そうですね…」と答えていましたが、
やはりお酒は美味しく、楽しく飲まないと、お酒を造った人に申し訳ない、
と思うのは私だけではない、と思います。 
 
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K-mio Chor年内最後の練習

2012年12月27日 | Weblog

昨日の練習は前半が練習、後半は忘年会、ということでした。
これはどこの団でも言える事なのですが、
総括して言える事は、
個人個人がどういう発声になっているか、
そしてどういう表情で歌っているか、
という事を個人個人がいかに意識していくか、
という事がとても重要だと思いました。
合唱というのは人が集まった団体ではありますが、
結局は個人が集まって成り立っているものなのです。
ですから、一人一人の自覚、
というか、一人一人がとても重要だ、
という認識の基に参加するべきである、
と常に言ってきましたが、
来年はどこの団体もそこの部分を徹底していく必要がある、
と今年は痛感しました。
その中でK-mio Chorの私が思う良いところは、
欠席率、遅刻率が低い、ということです。
これは他の団の団員にも意識してもらいたい、
と思います。
「私一人くらいいなくても大丈夫だろう」
から、
「私一人がいなくては困るだろう」
という気持ちにシフトして、自分が団の構成員の大切な一人、
という自覚をちょっとでも強く思ってもらえれば、
団内の意識も高まりますし、結果団のレヴェルも上がっていく、
という風に思います。
合唱団に参加している人は、あまりそう思わないかもしれませんが、
私は誰が練習に出席して、誰が欠席して、
ということを別に名簿を見なくても把握しているつもりです。
そして、いる人を中心に音楽を作っていく訳ですので、
「休まない」「遅れない」という心遣いは、指揮者にとって一番ありがたいのです。
そしてそのためには健康である、ということが一番大切。
私も心身の疲れから今年も一度だけ練習に穴を空けてしまいましたが、
やはり健康であってこそ、良い音楽が出来ますし、
聴く方も元気がもらえる、というものです。
来年も健康に留意して頑張っていきたいと思います。
ちなみに、昨日は見学者二人、うち一人は入団でした。 
 
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「ストレス」の結果

2012年12月26日 | Weblog

今朝の新聞に、福島の子供の肥満が急増している、
という記事が載っていました。
宮城県も10~11歳、岩手県も16歳で肥満割合が全国最高だそうです。
原因は、被爆を恐れて外で遊んだり、運動したりしない、
ということと、
ストレスではないか、
ということでした。
こんなところにも影響が出てくる、
という事を考えたら、原発に関しては本当に根本から考えないといけない、
と思いますが、ストレスというのは色々な影響を及ぼすのですね。
私もストレスに関してはいろいろかかりますし、
かけられますし、やはり避けて通る事が出来ませんが、
何かしらの事象についてストレスになりそうだ、
と思ったらなるべく素早い解決をする、
事を心掛けています。
それを放っておくことで更にストレスがかかりますし、
時間が解決してくれるのを待つ、
というのは案外大変だと思うからです。
それにしても、福島の子供は不可抗力でストレスをかけられてしまい、
本当にかわいそうです。
 
そしてふと、
音楽を演奏しているとき、練習も含めてどういうストレスがかかっているか、
ということを考えました。
自分ひとりで練習をするときも、指揮をしているときも、
やはり「思い通りにならない」ということが一番ストレスになります。
でもそれは練習を重ねる事である程度解決できるわけですし、
逆に言うとそれしか解決方法がありません。
しかしどこのラインまでいければ「思い通りになった」のか。
ここが一番問題です。
いろいろな要因で「限界」というものはあるわけで、
それを避けることはできませんが、
それでも「あと少し」というラインを広げる、
というか延ばす、というか、
そこの部分には拘る必要があると思います。
自分の、自分達の演奏に満足する事は決してありませんが、
でも結果として残していく必要もあります。
私たちはここの狭間でいつもストレスを感じていますし、
それがある意味宿命、というものでもあると思います。
だからといって暴飲暴食をする、
という解決方法に走ることは根本的な解決になることはありませんし、
やはり向かい合うしか方法が無いのです。
だから人からは理解できない言動に走ってしまったりして、
それを人は「芸術家だから」とひと言で片付けますが、
でもそこに「人間の本質」、「人間の本性」がある、
ということも言えると思うのです。
わざわざそこの狭間に入っていかなくても人は生きられるでしょうし、
できれば入らない方が幸せかも知れません。
でも「芸術家」になってしまった以上、
そこに向き合わないわけにはいかないのであって、
だからこそ、「芸術家」というものは逆に、
一番人間らしい職業じゃないのかな、
 
とかという事を、今朝の新聞を読んで思いました。 
 
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映画「レ・ミゼラブル」

2012年12月25日 | Weblog

映画「レ・ミゼラブル」を観てきました。
私は実はあまりミュージカルには詳しくなく、
このミュージカルの舞台も観た事が無かったのですが、
映画はとても良くできていたと思います。
21日に公開が始まった、ということもあるのでしょうが、
かなり盛況でした。
168分と、映画にしては長いものだったので、
途中でトイレに立つ人がひっきりなしにいましたが、
あちこちですすり泣く音が聞こえる程、
感動的でした。
 
もともと私はオペラもちゃんと見始めたのが大学に入ってからですし、
それも積極的とはあまり言えず、授業やレッスンでやるから、
ということで図書館の資料を見る、というようなレヴェルでした。
ちなみに、その頃はレーザーディスクが主流でした。
一番最初に観たオペラは、四国二期会が上演した「ドン・ジョバンニ」でした。
しかし小豆島に帰る最終の船の都合で、最後まで観られませんでした。
次に観たのが、ウィーン国立劇場日本公演の、「薔薇の騎士」でした。
新聞で記事を見つけて親にせがみ、当時28,000円でしたが、
勉学のため、と行かせてくれました。
大阪のフェスティバルホールでの公演でした。
親にせがんだのは良いですが、レコードも聴いた事も無かったですし、
リーフレットなるものも小豆島には置いても売ってもいませんでしたし、
そもそもオペラを観る前にどういう事をしておけば良いか、
ということも全く知らずに観に行ってしまったので、
今から思うともったいないと思います。
当時は字幕というものも出ませんでしたし、
内容を同時に理解するには、劇場で貸し出されている、
イヤホンを借りるしかありませんでした。
500円を出して借りましたが、
右の耳からは日本語、左の耳からは音楽、
という感じでどちらにも集中できず、
結局一幕でイヤホンを聞く事を諦めてしまったので、
内容に関しては全く分からない状態で最後まで聴いてしまいました。
もったいない話です。
でもそういう体験があったから今の自分がいるのも事実だ、
とおもうと決してムダではなかった、とは思いますが。
 
そして、レ・ミゼラブルです。
本来はミュージカル歌手じゃない俳優たちが歌っているので、
やや、「あら?」と思う部分がありましたが、
本当に歌いながら録っているのかな?
と思うくらい迫真の歌声でしたし、
感情表現が舞台でのミュージカルとはまたちょっと違うのでしょう。
毎日ルーティーンに上演されるものと違って、
言ってみれば一過性なので、俳優たちの感情の入れようも凄くて、
本当に感動しました。
168分が正直、あっという間でした。
 
今年は私の見にもいろいろな事がありましたし、
だからこそいろいろな事を考えました。
来年は自分のやる事をどういう風にしていくか、
ということを考えないといけない年になるような気がしています。
そんな中でこの映画を観られたのは、
とてもラッキーな事だったと思います。 
 
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「音楽とは何か」

2012年12月24日 | Weblog

混声合唱ショコラでは、ショコラ通信なるものを毎月発行しているのですが、
今月号の、団長のコラムがとても興味深いので、ここでの引用を申し出たら、
快くOKしてくれましたので、掲載させて頂きます。
以下原文のままです。
 
佐々木団長の 断腸の思い
「音楽とは何か」
 この問いはおそらく太古から現代まで問われ続けています。様々な見解中「音楽は感情表現である」という意見には賛同される方が多いと思います。音楽には常に感情が伴っており、機械や自然が発する音はそれを音楽と呼ぶことは通常しません。では音楽は本当に感情表現ができるのでしょうか?この分野の科学的研究は最近かなり進んでいるのだそうです。科学的に考えるときの注意として、聴き手が音楽に内在する感情を認知する場合(演奏に左右されない)と、演奏によって惹き起こされる聴き手の感情に着目する場合は区別されなければなりません。研究結果を列記できませんが実験を通じて、音楽に内在されるもの、演奏によるものいずれもが感情と密接な関係にあることは間違いないようです。曲そのものが感情表現を内在しており、歌詞抜きで機械的に演奏しても聴き手にある傾向の感情を惹き起こすことができます。さらに演奏者の力で感情表現を作り出すこともできることを示しています。これは私たち演奏者が楽譜に忠実に演奏しさえすれば曲の力だけでも感動を起こせるが(楽譜に忠実でなければいけません)、逆に曲に忠実でなくとも、または曲に内在する力が弱くとも演奏者の感情表現力で聴き手の感動を大きくすることができるということです。次回はもう少し感情表現について考えてみたいと思います。
 
プロを自認する私としては、その研究結果の内容が凄く気になるので、
ネットで検索をかけてみました。
そうすると、京都市立芸術大学名誉教授の、大串健吾先生の論文がヒットしました。
バイオメカニズム学会誌に載せられた論文です。
リンクは以下です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/30/1/30_1_3/_pdf
 
プロを自認する私としては、これまで読んでいなかったのは恥ずかしい限りですが、
とても興味深い内容でした。
ちなみに「音楽 感情表現」と検索エンジンに打ち込んだのですが、
私のブログが引っかかったのは我ながら笑えました。
 
教授の論文を読んで面白かったし、参考にはなったのですが、
実は一番肝心な「なぜそうなるのか」という事に、
いまいち言及されていない印象を受けました。
つまりそこの部分はやはり謎なのでしょう。
謎のまま残る、ということはこれからもその「謎」
について考えていかないといけない、
という結論に達しました。

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「対話」の本質

2012年12月23日 | Weblog

今日は「対話」という事に関して考えてみたいと思います。
「対話」というのは何もヒト対ヒトだけではありませんし、
私はそれ以外の対話を結構大事にしています。
まず挙げられるのが、自分との対話。
以前にスティーブ・ジョブズが毎朝鏡に向かって、
「君が今日やろうとしている予定は、本当にやりたいことか?」
と問いかけるところから一日がスタートする、
ということでしたが、やはり自分との対話は大事だと思います。
特に悩んだ時や、迷った時は一度じっと立ち止まって、
自分自身の中に問いかけてみる。
そうするととりあえず答えはみつかってきますし、
それを選んだ事を後悔しない、ということも多い気がします。
今日ある番組で、京都のお坊さんが、
「頭で考える事は科学で解く事ができる。
 心で考える事も半分は科学で解く事ができる。
 でも、魂で考えるということは科学では解けない。
 だから宗教があるし、必要である」
と仰っていました。
それを聞いて、「納得!」と思いました。
第六感とかいわれるものはやはり存在すると思いますし、
でも科学では理由が付けられないのです。
音楽をやる時も多くの時間はそういう時間です。
演奏しながら、自分自身の中に問いかけ続ける。
この音量でいいのか、このバランスでいいのか、このテンポでいいのか、
この音色でいいのか、この解釈でいいのか、この気持ちでいいのか・・・
などなど、
音を出す前も出している時も出してからも、
常に問いながらやっています。
そして迷いながらやってしまった時や、
何も問わないでやってしまった時は、
それらが顕著に音に現れます。
聞く人が聞かなくてもわかります。
 
だからこそ、私は色々なもの、事との対話が大事だと思っています。
私は趣味で料理をしますが、常に行っているのは、
「素材との対話」です。
まずスーパーで材料を選ぶ時、対話をします。
同じものでもインスピレーションというか、
私との相性がいいか、悪いか、ということが伝わってくる、
そんな気がします。
安い、というだけで選んでしまうと裏切られる事も多々あります。
そしてもちろん調理の時。
火の通し加減や、調味料の加減、量の加減など、
魂を研ぎすませていると、材料の方から答えを教えてくれる、
そんな気がします。
例えばパスタをゆでるときなどは私はキッチンタイマーは一切使いません。
ここ!という瞬間を教えてくれる、
そんな気がします。
 
家にはネコもいますし、熱帯魚もいますし、観葉植物もたくさんおいてありますし、
これらとも対話が必要です。
生き物なので、対話をしないと意思の疎通が取れないばかりか、
マニュアルに頼ってしまうと別の方向、
特に悪い方向に行ってしまう事も結構あるように思います。
これらは結果として分かってしまいますが、
その前の時点ではある意味、「勘」でしかありません。
その「勘」を頼る。
全く科学的ではないかも知れませんが、
私はとても大事にしています。 
 
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昨日のコンサートを終えて

2012年12月22日 | Weblog

昨日は老人福祉施設でカインズのクリスマス・コンサートをやってきました。
いつもはアンプとスピーカーを持っていっていたのですが、
今回は初めてそれらをなしで演奏しました。
演奏はともかく、話す時にマイクがない、というのは案外きついものでした。
やはり大きな声で話さないといけない、と思うのですが、
それが歌の声にも影響が出てきてしまって、両方の声をキープするのは、
意外に大変な事でした。
まあ、だからこそ熱演になったのではないか、と思います。
 
そして本番後に、今後についての話し合いをしました。
メンバーの荒木さんが居住を兵庫県宝塚市に移しているので、
東京に来た時にしか、合わせ、本番が出来ないのですが、
今後その頻度はどうなっていくか、ということが一番の懸念材料なのです。
それも含めて今後カインズの活動をどうしていけばいいか、
ということの話し合いでしたが、荒木さんのお話が印象的だったので、
それについて考察してみたいと思います。
 
今年は結成10周年ということもあり、ホールでのコンサートをやりましたが、
今後はそういう大きな事はあまりやりたくない、ということ。
それは、声や身体や、演奏のクオリティーを保つ、というのが大変、
ということもあり、それも十分理解できます。
私も一度リサイタルをやって、それらがいかに大変か、
ということを身をもって体験しています。
そして、大きな演奏会をやった後というのは、
虚無感に襲われて、それがいやだ、ということもありました。
これも十分理解できます。
荒木さんの言い分は、若いときはそれもあって、だからこそ次に頑張ろう、
と思っていたのが、このごろはそれが辛く、それを体験するのもいやだ、
ということでした。
そういえば、高倉健さんが何年間も映画に出演しなかった件について、
「映画を撮り終わったら、共演者やスタッフと別れると分かっていて、
 それでも映画を撮るのが耐えられない」
と言っていたのを思い出しました。
 
私は今年は特に、「なぜ演奏するのか」「なぜ演奏会を開くのか」
という事に関してもの凄く考えました。
それについての答えは実は全く出ていないのですが、
これは一つのヒントになる、ということは分かっています。
 
演奏が終わった後の虚無感に耐えるためには、
それだけの心と身体を作っておかないといけません。
でも、感受性が強くなればなるほど心も脆くなる、
と思います。
そのバランスをとることは非常に、難しいのです。
だからプロは「仕事だから」と割り切らないとやっていけない、
という部分もあるのでしょうが、
そのバランスも非常に難しいものです。 
 
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