漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

あまざけ

2014年07月04日 | 食べもの

今は寒い冬、
スーパーや酒屋の店先に並ぶことが多い「甘酒」だが、

何を隠そう、実は夏の季語である。

江戸時代、暑い夏、温めた甘酒を飲み、
汗をかくことこそが、滋養強壮に効果があるとされていたと云う。

砂糖など高価すぎて、手に入らぬ庶民が、
気楽に手を出せる甘味は、夏バテ対策として貴重だったのだろう。

天秤棒でかついで売り歩く「甘酒売り」は、夏の風物詩であったのだとか。

さて、私の子供のころ、
甘酒は、母親が作ってくれる自家製であった。

おかゆに麹(こうじ)をまぜ、
藁布団(わらぶとん)などで保温した状態でひと晩あまりおくと、翌日には飲める。

父親も「あまざけ」を好んだが、
曽野中身は、実はどぶろくで、

当時はどぶろくの密造が厳しく摘発された時代だったから、
「あまざけを飲む」と称していたのだが、

むろん、子供のこととて、そんなことに気づくはずがなかった。

ただ、臭いが強いとは思っていたが。








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