漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

粗末な高級品

2019年07月16日 | 歴史
NHKのニュースに、に

“大嘗祭にまつる「麁服」 原料の麻 収穫式”とあります。

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ことし11月に行われる皇位継承に伴う伝統儀式
「大嘗祭(だいじょうさい)」でまつられる特別な織物、

「麁服(あらたえ)」の原料となる麻の収穫式が徳島県で行われました。

麁服は、
大嘗祭で「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物で、

徳島県の一族が代々皇室に納めてきました。

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天皇がその年の新穀を神に供え、
自らも食する儀式は毎年行なわれるが、

その中でも、
新天皇となって最初の年に行うのを、

特に「大嘗祭」というのだそうだ。

記事の中、
「麁服」に「あらたえ」と振り仮名があるが、

これ、普通に音読みすれば「そふく」ですよね。

「麁」の訓読みは「あらい」、

つまり、麁服とは、
布地の中でも特に目の粗い粗末な織物を指す。

で、辞書で引いてみた。

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【あらたえ】

 1 上代、木の皮の繊維で織った、織り目の粗い布の総称。

 2 平安時代以降、麻織物のこと。

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ナルホドね、
神代の時代には貴重だった木の皮から作った衣服も、

平安時代になると、
麻の織物が登場し、こちらが儀式で使われるようになった。

ただ、言葉はそのまま残った・・・のかな。

この辞書によれば、

「あらたえの」と云う、
「藤」にかかる まくら言葉があるんだそうですが、

これは、
「藤を“あらたえ”の材料とするところから」だそうです。

フム、
フジのツルをつぶして繊維を取り出し、服に織ったのか。

だとしたら、
これは相当な手間、

今の人件費で考えたら、
粗末な服、麁服どころか、そうとうな高級品、ですな。(笑)



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