むかし、「コレクター」と云う映画がありましてね。
当時はその内容の刺激的なことから、
ずいぶん、一般世間の話題になったものです。
ストーリーは、
蝶の採集が唯一の趣味と云う、
内気で陰気な男が、宝くじに当選、大金を手に入れる処からはじまる。
で、この男がまずしたことは、
蝶の採集に便利な郊外にあって、
しかも、堅牢な「地下室を備えた家」を手に入れること。
そこで男が採集したのは、
蝶ならぬ「若くて美しくて、はつらつと生きている画学生」。
この魅力的な女性を、
クルマで誘拐し、その地下室に閉じ込めるわけです。
そこから、双方の精神的な葛藤や、
脱出のための駆け引きが、映画の眼目となる分けですが、
話題になったのはそのラスト、
いろいろあって、ついに画学生は亡くなってしまうのですが、
それを知った蝶の収集が趣味の男は、
ひとこと、
「なんだ、死んだのか」と言って、次の収集に出かけるのです。
もちろん、若い女性の。
先日からの報道では、
小学生を誘拐した男は、
誘拐に供え、一千万円をかけて、
防音節義を備えた部屋をしつらえていたと云うことですが、
私は、はるか昔に見たこの映画を思い出しました。
ただ、映画と違い、
少女は救い出されたようですから、良かったですがね。