漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

聞かなくちゃ、デモ、針が無い

2011年07月27日 | テレビ 映画 演芸

ネットニュースを読もうと頁を開いたら、
「宮崎あおい、夫婦間に溝?」と云うタイトルが目についた。

隣の部屋の我が同居人ドノに、

「宮崎あおいってだれ?」と訊くと、
「以前、NHKで篤姫やった人」とのこと。

「誰かと結婚してるの?」
「俳優のタカオカソースケ」

「ふ~~ン、その人どんな人」

「なんか、子供のときに両親が離婚して、
 中学生の時には公園で暮らしたりしてたんだけど、
 親切なラーメン屋さんに出会って助けられたらしいよ」

「じゃ、苦労人なんだ」
「うん、まあ、そうなんだけど、チョッと変わった人」。

なんだか、どこかで聞いたことがあるような・・・、
ベストセラーになった芸人さんを思い出し、そこから連想はまた別の方へとんだ。

若き日の森進一さんが、
LPレコードに古賀メロディーを吹き込んだ時、

「泣くな妹よ、妹よ泣くな」と云う処で涙があふれて歌えなくなった。

いぶかしがる周囲に、
森さんは、
「かって歌手を志して都会に出たものの、
 さっぱり目が出ず、くさりかけていた時期に、
 中学を出て働き出したばかりの妹が、手紙の中に二千円を入れて送ってくれた。」

それを思い出して涙があふれたと云うのです。

森さんは母子家庭で育ち、
母は懸命に働いたが生活は苦しかった。

「自分は長男で弟妹を養うべき立場にあるのに、
 まだ幼い妹が懸命に働いた中からカネを送ってくれた」

その我が身の不甲斐なさと、
妹さんの健気さを思い出し、今はスターとなった森さんも涙を止められなかった。

その時のLPは絶唱と称賛される出来栄えとなった。

のち、森さんが離婚し、
子供たちも母親側に付いて出たと聞いたとき、

明日の食事さえシンパイせねばならぬような、
貧苦を共にした森さんの弟妹たちなら、森さんと人生観を共にしたろうけれど、

生まれたときから広い家に住み、
衣食に心配ない生活をしている子供たちには、

父親の厳し過ぎるような人生観に付いていけなかったのかな、と思ったものでした。

そう云えば、あのLP、長いこと聞いていないナァ、

聞いてみたいけど、ステレオは押入れの奥だし、
それよりもなによりも、使える針が有るかどうかだなぁ、・・・はぁ。

 








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