「む・しネット」~女性を議会に 無党派・市民派ネットワークblog

市民自治と市民派女性の政治参加をすすめる「む・しネット」の情報発信ブログ。
4月の統一選には市民派議員をふやしたい!

第1回「M&T企画/市民派議員のスキルアップ連続講座」終了。

2008年08月25日 | 市民派議員塾・政策研究会/選挙講座
「M&T企画/市民派議員のスキルアップ連続講座」の第1回、
テーマが盛りだくさんで過密スケジュールだったのですが、ぶじ終了。

1月の勉強会は直前に体調を崩して薬を飲みながら、という状態だったので、
今回、レクチャーが多い長丁場が乗り切れるか心配だったのですが、
事前にレジメを準備しておいたので、なんとか集中することができて、
一泊2日の日程を、あっという間に終わりました。


参加者15人のうち、時間の余裕がある人が残って、
午後からは、個別課題を話し合う、オプション講座。
 


休む間もなく、議員の皆さんは9月の決算議会に突入するのですが、
次回の講座に向けて、情報公開、監査請求、一般質問などの課題をお願いしました。

第1回 「M&T企画/議員としてのスキルアップの連続講座」 
●日時:8月22日(金)13時~23日(土)12時
  
●会場:「ウィルあいち」(名古屋市)  
●講師:寺町みどり&ともまさ 
     
《事前の課題》
(課題1)  あなたが議会や行政との関係などで抱えている問題について、A4用紙 1枚 に具体的に書く (フォーマットなし)。
(課題2及び課題3)  (フォーマットあり) 
 現在、調整中  20日中に返信をお願いします。
●今年度は、上記課題や当日資料は講師サイドで全員の分をプリント、製本していきます。

《持ち物》 (※講座でテキストに使うので必携です)
●『地方自治小六法』
●『市民派議員になるための本』
●『議員必携』
※ 他の参加者に配布したいニュースなどはご自由にどうぞ(配備用の机あり)

《スケジュールおよび内容》
8月22日(金)13時~20時
    集合:12時30分(時間厳守) 1Fロビー

13:00~13:20 
○講座の説明      ○自己紹介 1人1分×15人

【第1部 】
《セッション1》 「議会の基本を知らないと議員活動は安易に流れる」
 【Part1】 
   1.議会とはなにか-議会の役割と「長」との関係
   2.議会の権限とはなにか
   3.会議の原則~議会のルールと流れを知ろう
   4.本会議と委員会- 議会の活動能力や守備範囲の理解
 【Part2】
   1.議会における「議案」とはなにか
   2.「審議」・「審査」とはなにか
   3.議会における議員とはなにか~議員の仕事/市民の仕事
   4.議会運営の原則、ルール


【第2部】
(《セッション1》の続き) 
   個別課題との関連など 

《セッション2》 「原則に基づく的確な発言、議論が効果を生む」
 【Part1】 
   1.議会における「発言」とは
   2.「質疑」とはなにか、「一般質問」とはなにか、その違い 
   3.質疑、質問の原則とルール
   4.その他の発言、問題発言、懲罰との狭間
 【Part2】
   1.質疑・質問には、獲得目標の設定が不可欠
   2.質疑・質問の組み立て方/答弁の引出し方
   3.テーマに関する調査のコツ/事前調査や聴き取り・ヒアリング
   4.「思い」を表わすのではなく、根拠に基づく論理的説得力を身につける
  【Part3】 
   個別課題との関連など 

【第3部】
《セッション3》 「公的手続きを使うことで影響と効果は倍増」
 【Part1】
   1.じょうずに使おう! 直接民主主義の制度
   2.請願・陳情
   3.請願の紹介議員になったら
   4.伝家の宝刀といわれる直接請求
 【Part2】
   1.情報公開制度を活用しよう
   2.誰でも都合の悪いことは隠したい=情報公開で真の背景が見える
 【Part3】
   1.民主主義は「ノー」から始まる
   2.行政の処分とは / 意味、意義、効力
   3.納得できない処分に対しての不服申立、異議申立・審査請求等
 【Part4】 
   1.流れの転換やダメ押しには住民監査請求=請求で実力と実績倍増
   2.議会活動、情報公、住民監査請求などの連係で議員のステージアップ
 【Part5】
個別課題との関連など 

8月23日(土) 9:00~12:00
【第4部 】

《セッション4》 「9月議会にむけて=決算審査のために」
  1.予算概論-自治体財務・予算のしくみと流れ
  2.決算とはなにか、 決算は政策の事後評価
  3.決算審査とは~決算の意義と考え方/決算審査を予算に生かす
  4.決算審査の着眼点
  5.06年成立の財政健全化法=07年度は指標公表、08年度決算から健全化計画

【第5部】
《セッション5》 「議会や行政との関係での具体的問題の解決」
   ・課題に対応して、認識の整理をする

【まとめ】
   ・参加者として講座で獲得したこと(1人1分以内)
   ・講師のまとめ

8月23日午後  昼食の相談もしつつ、希望者とのオプション講座)


参加した皆さま、ごくろうさま&おつかれさまでした。
またお会いしましょう。


10月の第2回と、1月末の第3回は、以下のテーマです。

第2回 「議員としてのスキルアップの連続講座」 
●日時:10月24日(金)13時~25日(土)12時
 
 10月24日(金)13時~20時
「議会活動のレベルアップ、各手法の実践的テクニックを身につける」
《セッション1》「議会改革を=自分の議会がすべてじゃない」
   ・議会運営の問題点-議会の内と外の区別を明確にする
   ・申し合わせの点検・見直し。「自分の議会がすべて」じゃない
《セッション2》 「発言、議論、一般質問、交渉などの重要性」
  ・発言、質疑、一般質問のテクニック
  ・行動や行政交渉のテクニック
《セッション3》「私のまちの情報公開の問題点と改善」
・情報公開の制度と条例、請求のテクニック。
・課題の情報(非公開)文書の点検と問題点=改善点
・異議申立の仕方、構成、要点。(情報公開訴訟)
25日(土)9時~12時
《セッション4》 「議会の議論を鍛える住民監査請求の立論」
・住民監査請求の制度とテクニック。
・不当支出や違法支出の実例の検討。住民監査請求するとどうなるか
・議会議論で決着がつかなければ住民監査請求、住民訴訟も視野に
《セッション5》 「議会改革で抱えている具体的問題の解決」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 第3回 「議員としてのスキルアップの連続講座」
●日時:2009年1月30日(金)13時~31日(土)12時
 
    1月30日(金)13時~20時  
「一般質問と議案質疑の組み立て、情報公開、不正支出、予算審議対策」
《セッション1》「議案質疑を深める」
・議論の仕方。議案の争点、質疑の論点、獲得目標の設定の必要性
・あなたの具体的事例にあわせて質疑の手法の問題点を検討、他の事例の検討
《セッション2》 「一般質問を深める」
・議論の仕方。議案の争点、質疑の論点、獲得目標の設定の必要性
・あなたの具体的事例にあわせて一般質問の手法の問題点を検討、他の事例の検討
《セッション3》「まちの情報公開度を高め、支出を斬る」
・非公開情報への異議申し立てとその点検=立論・議論の実践でもある
・『こんな非公開!」の実例を持ち寄り検討。
・実際の住民監査請求の立論と展開の実習。
     1月31日(土)9時~12時
《セッション4》 「3月議会にむけて=予算審議のために」
・予算の概論と予算書点検、着眼点や論点などの 《セッション5》「まとめ」



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明20日は「『おひとりさまの老後』を読む会」です。

2008年08月19日 | 上野千鶴子さん講演会
8月8日(金)から約半年間の予定で、
「『おひとりさまの老後』を読む会」をはじめました。

第2回は、明日20日10時から12時まで、
JR岐阜駅コンコースのすぐ東に続いている
「ハートフルスクエアG」(岐阜市女性センター・2F)で開催します。
名古屋から快速で18分、交通の便がよいところです。

「む・しネット」プロジェクト企画として、
会員制ではなくて、オープン参加でやりますので、
どなたでもお気軽にご参加ください。

『おひとりさまの老後』(上野千鶴子著/法研)の本を持ってきてくださいね。
(本をお持ちでない方には上野さんのサイン本があります)

『おひとりさまの老後』
はじめに
8月20日(水)  第1章「ようこそ、シングルライフへ」
9月29日(月)  第2章「どこでどう暮らすか」
10月 未定   第3章「だれとどうつきあうか」
11月 未定   第4章「おカネはどうするか」
12月 未定   第5章「どんな介護を受けるか」
2009年1月   第6章「どんなふうに『終わる』か」
2009年2月   あとがき・まとめ 


第2回の明日20日(水)は、前半の1時間は
第1章「ようこそ、シングルライフへ」を、小見出しごとに分担してレポート、
後半の1時間は、本の問いに対して、参加者それぞれが
「わたしは・・・」と、自分自身にひきつけて話し合います。

読書会終了後は、時間のある人は、近くのお店で、昼食を取りながらのおしゃべり。

次回以降も、基本的に、章ごとの問いに対して、
自分にひきつけて話す、という同じすすめ方をします。

以下、『む・しの音通信』66号に載せたインフォメーションです。

~「む・しネット」プロジェクト企画~
「おひとりさまの老後」を読む会
 
上野千鶴子さんの著書を読み始めて7年目。
今年度は、話題の75万部の大ベストセラー、
『おひとりさまの老後』がテーマ本です。
読みやすいけれど奥が深い本を一緒に読みましょう
会員制ではなくオープン企画なので、
参加したい方はご連絡ください。
会場はJR岐阜駅東の「ハートフルスクエアG」です。
◆第1回:8月8日(金)10~12時
 小研修室2(ハートフルG)
◆第2回:8月20日(水)10~12時
 小研修室1(ハートフルG)
◆第3回:9月29日(月)10~12時
 小研修室1(ハートフルG)
プロジェクトスタッフは新田幸子と寺町みどり。
お問い合わせは、058-272-2348(新田さん)。

(『む・しの音通信』66号より転載)



名古屋でお会いした上野さんから日本経済新聞に連載していらっしゃった
【やさしい経済学「21世紀と文明」】「エイジングとポストモダン社会」
というコラムの、全回分のコピーをいただきました。

最終回だけ、以下に紹介します。

読書会参加者には、全回のコピーをお持ちします。






「エイジングとポストモダン社会」【 やさしい経済学「21世紀と文明」】――[8] おひとりさま現象  
(2008.07.28 日本経済新聞)

 『おひとりさまの老後』(法研、2007年)という本を書いたら75万部に達するベストセラーになった。著者のわたしも想定外の、「おひとりさま現象」が生まれている。
 それも無理はない。高齢者の三世代同居率は五割を割って45%。代わって増えたのが夫婦世帯の35%とひとり世帯の16%。合計すれば51%と、同居世帯を越える。これから先はますます、ひとり世帯が増えるだろう。
 これまで「家族のなかの老後」がいちばん幸せと思われてきたが、ほんとうにそうだろうか?
 NHKのTV番組、『クローズアップ現代』が「おひとりさま現象」をとりあげた。キャスターの国谷裕子さんの「どうしておひとりさまが増えるんでしょうね」という問いに答えて、ゲストの樋口恵子さんが、ズバリ、「そりゃ、ラクだから」と答えた。
 樋口さんと言えば、1980年代、時の中曽根内閣が家庭基盤充実策をとなえ、「老後は、孫を膝(ひざ)に抱くたのしみを」と言ったのに対し、「そんなことをしたら、年寄りの骨が折れる」と返した人だ。当時すでに人生80年時代。80代の年寄りが20代の孫を膝に乗せれば、そりゃ骨折もするだろう。
 高齢者の同居率を経済階層別にブレイクダウンしてみると、おもしろいことがわかる。高経済階層ほど別居を維持する世帯分離派、低経済階層は、子世帯が親にまで手がまわらない「姥(うば)捨て」別居派。中間層に、かえって同居率が高い。二世帯を維持するのは、余裕と選択の産物なのである。
 「家族のなかの老後」は、場合によってはリスクにもなる。家族は、政府の言うように「福祉の含み資産」にもなるが、逆に虐待やストレス源などのリスク要因になる。介護関係の専門家は、ひとり世帯の方が同居世帯よりも問題に対処しやすい、と証言する。家族がたちはだかるために、みすみす問題があるとわかっている家庭に介入できないのだ。考えてみれば、「おひとりさま」は、家族に期待もできない代わり、家族がリスクになる可能性からもまぬがれている。
 後期高齢者医療制度は、高齢者を扶養家族からはずすという。それならいっそ、65歳以上になったらだれの扶養を受けないですむ「おひとりさま」仕様の年金・社会保障制度を設計してもらいたいもの。そうでなければ制度の一貫性に欠ける。
=おわり
…………………………………………………………
上野千鶴子(うえの・ちづこ)
48年富山県生まれ。京大大学院博士課程修了。
専門はジェンダー研究。
(2008.07.28 日本経済新聞)


「『おひとりさまの老後』を読む会」に参加したい方は、
新田さん、またはみどりにご連絡ください。


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ホームページ「みどりのwebページ」更新しました。

2008年08月09日 | 『む・しの音通信』
前に更新してから、じつに8ヶ月ぶり。
ホームページを一気に更新しました。

     みどりのwebページ

ブログをやるようになってから、めんどくさいホームページの更新は滞りがちで、
いっそのこと、辞めてしまおうかとも思ったのですが・・・・。

今回発行した、最新の『む・しの音通信』66号と、
1月に出した65号とを、一挙大公開。

『む・しの音通信』のページ
New!◆◆No.66 (2008.7.25) 
      「初心にかえろうよ!」
        事務局・寺町みどり
      「薬害C型肝炎」とわたし   
        岐阜市・新田幸子
      人生を生きるという意味・・・
       元ハンセン病療養所で出合った人
         東京都八王子市・甘利てる代
      既存の自治会ではない自治組織を目指して
        三重県桑名市・小川まみ
     前我孫子市長・福嶋浩彦氏を招いて公開講座
        「自治ネット」公開講座担当・神谷明彦
      インフォメーション
《市民運動のページ》
      ●選挙公営に関する住民監査請求
        愛知県日進市・ごとう尚子
      ●選挙公営問題の最前線/岐阜から
         岐阜県山県市・寺町知正
       ●金沢・控訴審は結審。判決日は9月22日
        ~福井・音声記録非公開処分取消訴訟?
         「原告団」事務局・寺町みどり
★-DV被害についての講演が突如中止に?!-
  つくばみらい市講演中止とジェンダー攻撃
    (月刊『創』2008.5月号より)
     上野千鶴子[東大大学院教授]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 New!◆◆No.65 (2008.1.23) 
   ●公開フォーラム
     「さまざまマイノリティが生き延びるために」
       小川まみ・今大地はるみ・寺町みどり
   ●2008年に 想うこと
   ●ヌエック単独存続を求め、申し入れ書提出
      岐阜県山県市・寺町みどり
   ・インフォメーション
《KJ法まとめ》「さまざまなマイノリティが生きやすい市民社会をどのようにつくるのか)



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「『おひとりさまの老後』を読む会」と「議員としてのスキルアップ連続講座」/インフォメーション

2008年08月05日 | 『む・しの音通信』
『む・しの音通信』66号のインフォメーションです。

8月8日に「『おひとりさまの老後』を読む会」、
8月22、23日までに、M&T企画「議員としてのスキルアップ連続講座」を開催します。
講座は先着15名です。お早めにお申込を。

M&T企画(寺町みどり&ともまさ)/「議員としてのスキルアップ連続講座」 
「む・しネット」の共催で、3回実施します。
担当スタッフは、島村きよみ、小川まみです。
●第1回「議会で働くために、
まず各種の基本を身につける」
日時:8月22日(金)13時~20時~
23日(土) 9時~12時
会場:ウィルあいち(名古屋市)
講師:寺町みどり&ともまさ
《講座対象者》「無党派・市民派」の議員
       および立候補予定者の市民
《参加費》 1万5千円(2日間通し)
《締め切り》定員15名(先着順)
《問合せ先》寺町知正(T/F 0581-22-4989)
【セッションの内容】
・「議会の基本を知らないと議員活動は安易に流れる」
~基本的な議会のルールと流れ
・「原則に基づく的確な発言、議論が効果を生む」~質疑と一般質問の違い
・「公的手続きを使うことで影響と効果は倍増」~情報公開/住民監査請求
・「9月議会に向けて=決算審査のために」
予算のしくみと流れ/「財政健全化法」
・「具体的問題の解決」
【第2回】10月24日(金)~25日(土)
テーマ「議会活動のレベルアップ/各手法の実践的テクニックを身につける」
【第3回】2009年1月下旬か2月上旬
テーマ「一般質問と議案質疑の組み立て/情報公開/不正支出/予算審議対策」

~「む・しネット」プロジェクト企画~
「おひとりさまの老後」を読む会
 
上野千鶴子さんの著書を読み始めて7年目。
今年度は、話題の75万部の大ベストセラー、
『おひとりさまの老後』がテーマ本です。
読みやすいけれど奥が深い本を一緒に読みましょう
会員制ではなくオープン企画なので、
参加したい方はご連絡ください。
会場はJR岐阜駅東の「ハートフルスクエアG」です。
◆第1回:8月8日(金)10~12時
 小研修室2(ハートフルG)
◆第2回:8月20日(水)10~12時
 小研修室1(ハートフルG)
◆第3回:9月29日(月)10~12時
 小研修室1(ハートフルG)
プロジェクトスタッフは新田幸子と寺町みどり。
お問い合わせは、058-272-2348(新田)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<編集後記> 
 65号完成間近の1月に体調を崩し、まみさんが印刷・発行にこぎつけた。
66号の編集・発行は今大地さんが手を挙げたけれど、
企画段階で脳底動脈瘤が見つかりダウン(手術、療養中)。
校正担当の幸子さんも「C肝」だし、スタッフは揃いも揃って「プロジェクトb(ビョーキ)」です。
体調も快復したので、ペースダウンして発行しましたが・・・先行きはグレー。
ということで、スタッフも、はやく載せたかった記事も、賞味期限切れ間近に(笑)。
仕事がはやく、イキのよい編集スタッフ募集中!! (みどり)
 
(『む・しの音通信』66号)



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前我孫子市長・福嶋浩彦氏を招いて公開講座/既存の自治会ではない自治組織を目指して

2008年08月03日 | 『む・しの音通信』
『む・しの音通信』66号のつづきです。

前我孫子市長・福嶋浩彦氏を招いて公開講座
「自治ネット」公開講座担当・神谷明彦
 

「無党派・市民派 自治体議員と市民のネットワーク(略称:自治ネット)」では、昨年、「議会基本条例」で有名な北海道栗山町議会の橋場議長、四日市大学政策学部の岩崎教授をお招きして公開講座を行ってきました。
今年は、講師として前我孫子市長の福嶋浩彦さんをお招きし、8月24(日)午後2時から名古屋都市センターにて公開講座を開催する予定です。講師に1時間半ほどお話しいただいた後、参加者の皆さんが存分に意見交換できるよう1時間ほどのフリーディスカッションをしたいと思っています。
福嶋さんは、市民自治を徹底的に追及された方で、その考え抜かれた論理は明快です。続投を望む署名運動も起こりましたが、これ以上長く続けてはいけないという本人の強い意志で、2007年に3期12年続けた我孫子市長を引退されました。なぜ3期で辞めるのか。この辺についても目からウロコ?のお答えをいただくことができるのではないかと思います。納得のいく説明に「なーるほど~」の頷きが何回出るか楽しみです。
我孫子市長時代には、常設型住民投票条例、自然環境を守るために市民から資金を集めた「あびこ市民債」、予算編成過程の公表、市の補助金をいったん全廃し再募集、3年ごとに白紙に戻すなど、全国に先駆けてユニークな市民参加施策を展開されてきました。おもちゃ箱の中から泉のように湧いてくる施策のすべてに通じるのは、「市民自治」の追求です。福嶋さんは、市長になる前に市議会議員を3期務めていらっしゃいます。どんな議員だったのでしょうか。また、福嶋議員から見た市議会はどうだったのでしょうか。「議会への市民参加」についても斬新な提言をうかがえることを期待します。
福嶋流の地方分権とは、市民自治とは、市民参加とは、協働とは・・・。あなたの中で、勇気とひらめきのわいてくる2時間半にしたいと思います。

(講座の詳細は、同封のチラシをご覧ください)
(『む・しの音通信』66号)






既存の自治会ではない自治組織を目指して
         三重県桑名市・小川まみ
 

私は、団塊の世代が中心の新興住宅地に住んでいる。あと10~15年後には後期高齢者のまちになってしまう。団地の高齢化は、都市の中の限界集落問題になるという危機感がある。現在の行政の下請けのような自治会ではなく、自分たちのまちの問題を行政まかせにせず、自分たちで解決していく、そんな本来の「自治」が実践できるように自治会を変えていくか、まったく新しい組織を作る必要がある、と私は思っている。
昨年4月に自治会長になり、連合自治会の総会に初めて参加してビックリ。現状は私の想像を超えていた。仕方なく自治会長になった人が多く、四役を決めるのに相当時間がかかってしまい、私は会計を引き受けた。何のために連合自治会があるのかはっきりしないから、やりたい人がいない。
 私の住む団地は高速道路のインターに近いため、数年前から空き巣被害が多く、すでに、二つの地区で防犯パトロール隊が発足している。一つは、自治会が主体、もう一つは小学校のPTA役員が中心になっている。
連合自治会の場で防犯パトロール隊を作ろうという話が出た。私は自治会、PTA、民生委員などを中心に充て職になるのは避けたかったので、あくまで自主参加にこだわった。自治会長やPTA役員だからといって、そこに自動的に組み込まれるのでは、楽しく参加できない。市民活動の基本原則の「やりたい人がやる」が一番いい。
 地域にお祭りがなく、自治会行事も年2回の町内清掃だけ、子ども会もない。名まえは「防犯パトロール隊」だけれど、パトロール活動を通じて顔見知りが増えれば、これが住民同士の交流の場となり、横のつながりを築くきっかけになると思う。今、設立準備の会議を何度か持つ中で、防犯パトロールだけでなく、安心して暮らせるまちを自分たちでつくっていくんだという意識が参加者の中で高まってきたと感じる。
まず、住民同士が声かけすることからスタート。
(『む・しの音通信』66号)



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「薬害C型肝炎」とわたし/元ハンセン病療養所で出合った人/『む・しの音通信』66号

2008年08月01日 | 『む・しの音通信』
『む・しの音通信』66号、P3~4「会員のエッセイ」です。

どちらも読み応えがあります。

「薬害C型肝炎」とわたし   
岐阜市・新田幸子
 

 今から17年前(1992年)、50歳検診で肝機能の異常が見つかった。数値が3桁、昨年までまったく異常がなかったのになぜ? まさに晴天の霹靂だった。異常値が6ヶ月続いたところでC型ウイルスによる慢性肝炎(以下「C肝」)と診断された。とりあえず週に2回「強力ネオミノファーゲン」という注射を続けることになった。週2回の静脈注射は楽なようだが、血管が硬くなってくると結構つらい。感染症などで薬を飲んだりするとすぐ数値が上がる。すると注射の回数が増える。なぜこんな病気になったのだろう?
 1996年にHIV訴訟の和解が成立し、被害者の9割以上がHCV(C型肝炎ウイルス)にも感染していることが分かり、その中でフィブリノゲン製剤が注目され始めた。この製剤は1964年に製造が始まっており、手術やお産で出血が止まらない人にもかなり使われていた。これだったのだ!
 わたしは1969年に出産し、その際、弛緩性出血を起し、止血のために長時間点滴を受けていた。主治医や知り合いの医師にそのことを話すと、「あなたのC肝は99%フィブリノゲンが原因でしょう」といわれた。しかし、出産した病院はフィブリノゲン製剤納入医療機関に載っていたものの、医師は亡くなり廃院となっていた。
 このフィブリノゲン製剤は、アメリカでは効力に疑義があるということで、1977年にFDA(食品医薬品局)が承認を取り消している。にもかかわらず、日本ではその後20年にわたって使われ続けてきた。この違いはどこから来るのだろう。日本政府ならびに製薬会社の人命軽視にほかならない。
 ある日すっかり成長した息子がぽつんと言った。「お母さんはぼくを生まなければこんな病気にならないで済んだんだね」。
 わたしは一瞬ことばを失った。
 「ぼくは肝移植も考えている。必要なときはいつでも言ってね」。
 この病気は、こんなかたちで息子の心まで苦しめていたのだ。
 2002年、薬害肝炎訴訟が提訴され、原告の方たちが病身をおして裁判を闘ってこられた。6年に及ぶ闘いののち、今年1月「薬害肝炎被害救済法」が成立し、新聞やテレビに「全員救済!」の文字が躍った。わたしはC肝であることをカムアウトしていたので、友人たちから「よかったね。おめでとう!」と声をかけられたり、電話がかかったりした。その度に「法律の対象は裁判を闘ってきた原告さんで、わたしは証拠がなくて提訴できなかった」というと「えっそうなの。あの全員救済は肝炎の患者さん全部だと思った」という人が多かった。
 血液製剤や、注射器の回し打ちなどで肝炎患者は350万人ともいわれている。こんな事態を招いた国の医療行政や製薬会社の責任を糾していかなければならない。そして、二度と薬害による被害者が出ないよう、ことばだけではなく、実態の伴った「薬害の根絶」を目指していかなければならない。
 わたしはさまざまな代替治療が功を奏しているのか、今日まで生きてこられた。しかし、これからも血液検査、エコー、年に1~2回のMRI、CT、胃カメラ。そして日常的に注射、投薬は欠かせない。今までどれだけの医療費をつぎ込んできたことか。怖くて計算できない。
 いまいちばん不安なのは、年金暮らしの中で医療費がいつまで捻出できるかだ。確かに、4月1日からインターフェロン治療に助成金が支給されるようにはなった。しかし、この治療は副作用がひどく、効き目もかなり個体差があり、わたしのように治療できない段階の人も多い。
 いま、裁判に続いて原告・弁護団が中心になって、医療費の助成を求める運動が展開されている。また、今国会で「肝炎対策基本法案」が継続審議になった。秋の臨時国会では患者サイドに立った改善策を盛り込んだ法律として、ぜひ可決成立させて欲しい。
いのちには限りがあるのだから。
(『む・しの音通信』66号)


人生を生きるという意味・・・元ハンセン病療養所で出合った人
東京都八王子市・甘利てる代


 「屋我地島」。この周囲わずか20キロの小さな島は、沖縄県名護市にある。島を訪問したのは昨年のことだ。なぜ行きたいと思ったか。ここは元ハンセン病療養所、現在「国立療養所沖縄愛楽園」だからだ。那覇市から北東に80キロ、名護市を通り抜け、さらに進むこと25分。沖縄海岸国定公園の近く、羽地内海に浮かぶ「屋我地島」がある。
 島は一本の橋で沖縄本島とつながっている。橋を挟むように左右に、東シナ海と羽地内海が広がる。橋は1953年、つまり第2次世界大戦後にできたものだ。それまでは屋我地島は正真正銘、南海の「孤島」だ。この島に社会から隔離されて送り込まれたのが、ハンセン病の患者だった。沖縄本島の各地からと八重山地方の離島から名護に送られ、さらに羽地内海をくり船や蒸気船に乗せられて運ばれてきたという。
 沖縄愛楽園(以下、愛楽園)には、昭和13年(1938年)の開設時から平成8年(1996年)に「らい予防法」が廃止されるまでの間、実に10111人の人々が送り込まれた。
 ハンセン病は、らい菌による慢性の感染症であるが、単なる接触では感染せず発症率が非常に低い疾患である。しかし、国は1907年(明治40年)の「旧らい予防法」の制定以降、一貫して終身強制隔離や患者撲滅の政策をとりつづけた。沖縄でも、発症した人間は住みなれた村や町から追われこの島に、「治療」あるいは「入院」と称して移された。
 現在は311人(男性164人、女性147人)が居住している。平均年齢は77.2歳、年々介護を必要とする入居者が増えているというから、高齢者介護施設という側面も併せ持っていることになる。
 私が会ったのは、17歳で愛楽園に送られた一人の男性だ。知花重雄さん(85歳)のおだやかな口調とは裏腹に、語られるこれまでの人生のなんと重いことか。
知花さんが愛楽園に着いてまずしたことは「病気(ハンセン病)で死んでも文句を言ってはいけない、子どもをつくったら園の外で養育せよ、子どもができたら堕胎せよ、園内で結婚するならば男は断種する」などと書かれた誓約書に同意の署名をすることだった。
 「医者はもちろんだが看護婦も、われわれ患者に直接触ることはなかったなあ」と知花さんが当時を語るように、医療従事者は常に帽子、マスク、長靴、手袋という完全武装したかっこうだった。病室に入ってくる際にも、機械的に注射を打ち続ける時にも、同様のいでたちだ。 
 面会は病棟と離れた場所にある面会室で行なわれ、部屋の真ん中が壁で仕切られているわずかな空間で顔をみることしか許されていなかった。しかも面会にも職員が立ち会うという、囚人のような扱われ方だった。ハンセン病患者は「人」ではなく「モノ」であった。「モノ」が「人」に戻るのにどうして長い月日が必要だったのか。
 敗戦後8年たった1953年には「旧らい予防法」が改正され、「らい予防法」となった。本来はこの時点で廃止されるべきものであったが、実現しなかった。1996年に法律が廃止され、患者の人権が認められるまで、さらに40年という歳月を要したのだった。法律が廃止された時、知花さんはすでに70歳を超えていた。予防法の廃止にともなって若い世代の人々は次々と愛楽園を去り、高齢者が残された。知花さんも残った。園内にはシルバーカーを押して歩くお年寄りの姿が目立つようになった。看護師や介護職員が広い園内を自転車で行き来してお年寄りの居室を訪問。生活の支援を行っている。300人のお年寄りが今まさに人生の最後のステージを過ごしているのだ。
 「ここでの生活は本当の幸せとは言えないよ。人間の幸せは食べて寝るだけが保証されればというものではないからだよ」
 衣食や住が足りていても、人間として扱われなければ、人生を生きていることにはならないという知花さんのことばに胸を突かれた。ハンセン病ゆえに、どう生きるかを自己決定できなかった無念さを知った。どう生きるかは、どう死ぬかにつながっている。「これからは一日一日を大切に過ごすよ」。知花さんの、自分らしく輝く日々がそこにあるはずだ。遅すぎた日々であることが、唯一悔やまれる。
(『む・しの音通信』66号)


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