のんびり・・・いそいそ~(*くうかんあそび*付き)

なんとか音楽の勉強を続けているちょっと変な主婦兼ピアノ指導者兼ボランティア演奏者の日常。取り留めのない駄文揃い。

ステーキ肉

2005-05-07 11:53:49 | たべること
昨夜のうちの夕食は筍の煮物、なめこと豆腐の味噌汁
ポークソテーと付け合せ、その他。
ポークソテー用のお肉は所謂ロース切り身とかいう
少々厚めの肉です。


実は結婚して以来、この切り身というのは初めて食べたのです。
いつもコマかバラの切り落とし。
この2つは応用が利くし、特にバラは味もでてとっても美味しいです。
たまーに「切り身って食べたいなぁ・・・」と思うこともあったのですが
なんせ高いのです
今回は行きつけの安売り店で偶然特売になっていた時に
「おお~っ!安い!!」と購入してきました。

あれは中学校の給食の時間。
その日の献立の中にポークソテーがありました。
給食といえば予算の関係からか我が家と同じように
肉といえば「コマ肉かバラ肉」の形状のものしかでたことがありませんでした。
しかし、なぜかその時に限って(予算でも余ったか?)
薄いといえど切り身の形をした豚肉がでました。
この出来事に教室中はわずかに沸きかえりました。
「おい、今日の肉珍しいなぁ・・・。」

でも皆家庭では切り身は食べているのでしょう。
「給食では珍しい」という話題のレベルで
いつもどおり(いや、やや幸せか?)に給食の時間は終わりました。
そして昼休み。
とんでもないウワサが学年中を駆け巡りました。
「おい、今日の給食の肉に見て
 I君が<すげー!今日の給食ステーキだっ!>
 っていったらしいぞー!」

I君は生徒会長も勤める人望厚い人格者(中学生男子にしては珍しいキャラ)。
当時のこのあたりの住環境は
集合住宅ナシ・基本的に本家と分家の集落+新興住宅建て始め・雑木林と畑多し
という絵に描いたような田舎だったのでこういう生徒がいても別におかしくなかった。
(でも稀。自分のことを「オラ」という生徒もいた~)
外食産業なんてほとんど近隣になかったから、切り身の肉を見て
「ステーキ肉!」と認識しても仕方ない。
マンガででてくるステーキ肉は切り身の形だし。

この話が学年中に伝わっても誰もI君を馬鹿にしなかった。
彼の人徳なのだろう。
それに彼はこの田舎にあって、更に田舎の地区に住んでいた。
タクシーはこの地区に乗り入れることを恐れていて
(本当。何もなくて真っ暗で怖かったらしい)
その地区に入る寸前で降車を余儀なくされたという話も残っている。
「彼なら仕方ない・・・(笑)。」
そういう気持ちが大多数であったのだろうと思う。

給食の献立1つでもこんなに盛り上がった時代が懐かしい。
彼はいまどうしているだろうか。
何でも旅客機のパイロットになったという噂を聞いているが
それが本当なら今頃
本物の美味しいステーキを食べられるようになったに違いない。