ラーメンズ第16回公演『TEXT』、感想の続きです。長くなったので二つに分けました。
作・演出:小林賢太郎
出演:ラーメンズ(片桐仁・小林賢太郎)
ネタバレあります。かなりのネタバレです。未見の方が読むと、興を削がれること著しいです、おそらく。観る予定のある方は本文は読まないでくださいね。
*****************************************************************
各コントのタイトルは筆者が便宜上勝手に付けたタイトルです。ご承知おき下さいませ。
『条例の街』
その昔、『ドリフの大爆笑』というコント番組がありました。『8時だよ!全員集合!』より好きでした。この中で、志村けんと桜田淳子が二人でやる、『もしも妻が○○だったら』というコントがあったんです。例えば、『もし妻が宝塚ファンだったら』と前フリをしておいて、妻役の桜田淳子がすべてセリフを宝塚の舞台風に言い、夫役の志村けんがそれに振り回される、というふうな。
それを思い出しました。
これ、いかにお題に合った、それらしいセリフとそれらしい演技ができるか、というところにすべてかかってると思うんだけど、さすが小林くんの台本と仁くん・小林くんの演技。
ものすごくはまっていましたね。
特に『ハリウッド条例』と『ミュージカル条例』。同じような感じになっちゃうんじゃないかと思ったけど、そんな心配、まったく無用でした。
うまいな~。ほんとうまいね。
『ハリウッド条例』の仁くんなんか、あの容姿・あのキャラ、そのまんまでハリウッド映画出られるよね。ハリウッド映画が無理でも、特効野郎Aチームのメンバーには絶対なれるよ、うん。(ん?)
『ミュージカル条例』のとき、崖から落ちそうになるジャックの手を仁くんがつかむシーン。あれかっこいいですね! ピンライトなんか当てちゃって! そして関係ないけど、『仮面ライダー電王』の、イマジンが現世に現れるときの現れ方(上半身は地面から現れ、下半身はその上に空中からぶら下がる)を思い出しちゃいました。すいません、『電王』を見てる人しかわからない上に、ほんとにものすごく関係なかったです。
(関係ないついでに、『電王』面白いですよ。ここ数年の特撮ヒーローものの中では秀逸かと。設定がややこしいんで最初ちょっと難しいけど、キャラクターがいいしライダーのコスチュームもかっこいいし主人公の男の子がかわいい。18才なんですよ すいません。日曜朝八時から。テレ朝系列。イヤ、ほんっとすいません……)
舞台のお芝居ってミュージカルもストレート・プレイも全然見たことないんですが、ああいう演出?というか見せ方?はよくあるものなんですか? それとも彼らの発明? 発明だとしたら、すごいよね……どうなんだろ? 舞台に詳しい方、教えていただけませんか?
最後、『言葉禁止条例』で、サイレンが鳴って連行されるじゃないですか。二人とも一言も声を発してないのに、何で??ってわかんなかったんだけど……
公演を最後まで観たら、「ああ!」って。
(最後まで観たけど「ああ!」ってなんなかったわ、という方のために、一応、野暮を承知でご説明を。最後のコントで、常磐が列車の中で読む新聞に、「アジアの小国、言葉禁止条例に国民がクーデター」っていう記事が載っているんです。強盗しようとして爆弾持ってたのをクーデターと誤解されたのか、強盗の話をしていると観客は思いこまされてたけど実際はクーデターの相談だったのか、どちらかはわからないけど、とにかく二人はクーデターを企てている容疑で逮捕されたんですね。)
こういう、「ん?」と思わせといて、忘れた頃になってさりげなく謎解きをしてくれるって、好きだな~。もっとも、最初観たときは謎解きしてくれてるって気がつかなくて、二度目で「ああ!」ってなったんだけど。すぐに気づきたかったです
ここに限らず、今回の公演はあるコントでの伏線が別のコントで効いてくる、というのが随所にあって、大好き。単独の作品のようで、実はそれぞれ分かちがたくつながっている、という。ものすごく嬉しくなる。
『ジョッキー』
う゛ぉ~、ギリジンだ~、ギリジンだ~!! と最初観たとき喜んだんだけど、二回目に観たら、これはギリジンよりも父さんだな、と思いました。どこがどうギリジンじゃなく父さんなのかは、うまくいえません。要するにギリジンと父さんの違いなんだけど……うーん……やっぱうまくいえない。
とにかく、これはギリジンじゃない、父さんだ!と思ったです。イヤ違う、ジョッキー馬坂仁でしたな。
これは幕間、というか、休憩、というか、そういったら仁くんにすごく失礼ですが、いままでのが全部、観る側に頭を使うことを要求する作品ばかりだったので、ここらでちょっと休憩がてら、バカでも観て気楽に笑ってください、という小林くんの観客に対する気遣いかと思ってました。(どんだけ失礼なの、仁くんに)
だけど! これすら! 最後の作品につながっていくんだよ~(泣)。すべてが最後に収束していくんだよ~(泣)。もう、油断も隙もないんだよ~(泣)。何一つ信じられないんだよ~(泣)。小林くんのバカ~(泣)。
『銀河鉄道の夜』
これですよ。
カネムラですよ。
常磐ですよ。
写植工でお祭りで、なぜか上着がびしょびしょで牛乳が来てなくて、ずっと一緒に行こうな、ですよ。
もう、泣くしかないですよ。
あーもう、こんな顔文字じゃ物足りない。どうしてもっと号泣してるのがないのだ。
とにかくさー……
なんで……こんな……うわーん
コント屋でしょー。ひと笑わせてナンボでしょー。泣かせてどうすんのよー。うわーん
どこから思いついたんだろう、『銀河鉄道の夜』をパロディにしようって。しかもパロディって、ヒト笑わせるもんでしょ? なのに結局原作と同じに泣かせちゃうって、何よー、もー 反則だよー
この作品の最初からずっと、小林くんが異様に淋しげな表情なの。胸が締め付けられるような、辛そうな顔なの。あー、いま思い出しても
一回目に観たときも泣けたけど、本家『銀河鉄道の夜』改めて読んでからまたこれ観たら、もうせつなくてせつなくて。
未読の方は、立ち読みでも何でもいいからぜひ読んでください。読んでからもう一度『TEXT』を観てください。小林版『銀河鉄道の夜』。いろんなこと……考えちゃうと思います。考えちゃって、せつなくなると思います。ぜひ!
ふといま思ったんだけど、小林くんはどういう意図でこの作品を書いたんでしょうね。
彼は自分のことを「コント屋」だと、「どうしたらひとは笑うか」を常に考えて、その方法論に則ってコント書いてるっていってますよね。
だけど、この作品は明らかに、ヒトを笑わせようとはしていない。いや、笑わせようとはしてるかもしれないけど、それよりも重点を置いているのは、ヒトをせつない気持ちに、悲しい気持ちにさせよう、という方だと思うんです。
どうしてなんだろう。
『演劇ぶっく』のインタビュー読んでも、そのあたりのことはよくわかんない。
小林くんのソロライブやプロデュース公演をまだ観ていないので、観たら何かわかるかな。
それとも、これからの小林くんを、ラーメンズを見てたらわかるのかな……
『TEXT』はラーメンズのターニング・ポイントになる作品のような気がします。
いや、ターニング・ポイント、というか……『TEXT』がきっかけで、ラーメンズにターボ・エンジンが付いた!みたいなことになるような。
うーん…なんてわかりにくい例え……
延々書いてきて、最後はグダグダ……もう寝ます……
読んでくださった方、どうもありがとう……
とにかく素晴らしかったですよね……ね…… ……はぁー(何なのいったい)
作・演出:小林賢太郎
出演:ラーメンズ(片桐仁・小林賢太郎)
ネタバレあります。かなりのネタバレです。未見の方が読むと、興を削がれること著しいです、おそらく。観る予定のある方は本文は読まないでくださいね。
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各コントのタイトルは筆者が便宜上勝手に付けたタイトルです。ご承知おき下さいませ。
『条例の街』
その昔、『ドリフの大爆笑』というコント番組がありました。『8時だよ!全員集合!』より好きでした。この中で、志村けんと桜田淳子が二人でやる、『もしも妻が○○だったら』というコントがあったんです。例えば、『もし妻が宝塚ファンだったら』と前フリをしておいて、妻役の桜田淳子がすべてセリフを宝塚の舞台風に言い、夫役の志村けんがそれに振り回される、というふうな。
それを思い出しました。
これ、いかにお題に合った、それらしいセリフとそれらしい演技ができるか、というところにすべてかかってると思うんだけど、さすが小林くんの台本と仁くん・小林くんの演技。
ものすごくはまっていましたね。
特に『ハリウッド条例』と『ミュージカル条例』。同じような感じになっちゃうんじゃないかと思ったけど、そんな心配、まったく無用でした。
うまいな~。ほんとうまいね。
『ハリウッド条例』の仁くんなんか、あの容姿・あのキャラ、そのまんまでハリウッド映画出られるよね。ハリウッド映画が無理でも、特効野郎Aチームのメンバーには絶対なれるよ、うん。(ん?)
『ミュージカル条例』のとき、崖から落ちそうになるジャックの手を仁くんがつかむシーン。あれかっこいいですね! ピンライトなんか当てちゃって! そして関係ないけど、『仮面ライダー電王』の、イマジンが現世に現れるときの現れ方(上半身は地面から現れ、下半身はその上に空中からぶら下がる)を思い出しちゃいました。すいません、『電王』を見てる人しかわからない上に、ほんとにものすごく関係なかったです。
(関係ないついでに、『電王』面白いですよ。ここ数年の特撮ヒーローものの中では秀逸かと。設定がややこしいんで最初ちょっと難しいけど、キャラクターがいいしライダーのコスチュームもかっこいいし主人公の男の子がかわいい。18才なんですよ すいません。日曜朝八時から。テレ朝系列。イヤ、ほんっとすいません……)
舞台のお芝居ってミュージカルもストレート・プレイも全然見たことないんですが、ああいう演出?というか見せ方?はよくあるものなんですか? それとも彼らの発明? 発明だとしたら、すごいよね……どうなんだろ? 舞台に詳しい方、教えていただけませんか?
最後、『言葉禁止条例』で、サイレンが鳴って連行されるじゃないですか。二人とも一言も声を発してないのに、何で??ってわかんなかったんだけど……
公演を最後まで観たら、「ああ!」って。
(最後まで観たけど「ああ!」ってなんなかったわ、という方のために、一応、野暮を承知でご説明を。最後のコントで、常磐が列車の中で読む新聞に、「アジアの小国、言葉禁止条例に国民がクーデター」っていう記事が載っているんです。強盗しようとして爆弾持ってたのをクーデターと誤解されたのか、強盗の話をしていると観客は思いこまされてたけど実際はクーデターの相談だったのか、どちらかはわからないけど、とにかく二人はクーデターを企てている容疑で逮捕されたんですね。)
こういう、「ん?」と思わせといて、忘れた頃になってさりげなく謎解きをしてくれるって、好きだな~。もっとも、最初観たときは謎解きしてくれてるって気がつかなくて、二度目で「ああ!」ってなったんだけど。すぐに気づきたかったです
ここに限らず、今回の公演はあるコントでの伏線が別のコントで効いてくる、というのが随所にあって、大好き。単独の作品のようで、実はそれぞれ分かちがたくつながっている、という。ものすごく嬉しくなる。
『ジョッキー』
う゛ぉ~、ギリジンだ~、ギリジンだ~!! と最初観たとき喜んだんだけど、二回目に観たら、これはギリジンよりも父さんだな、と思いました。どこがどうギリジンじゃなく父さんなのかは、うまくいえません。要するにギリジンと父さんの違いなんだけど……うーん……やっぱうまくいえない。
とにかく、これはギリジンじゃない、父さんだ!と思ったです。イヤ違う、ジョッキー馬坂仁でしたな。
これは幕間、というか、休憩、というか、そういったら仁くんにすごく失礼ですが、いままでのが全部、観る側に頭を使うことを要求する作品ばかりだったので、ここらでちょっと休憩がてら、バカでも観て気楽に笑ってください、という小林くんの観客に対する気遣いかと思ってました。(どんだけ失礼なの、仁くんに)
だけど! これすら! 最後の作品につながっていくんだよ~(泣)。すべてが最後に収束していくんだよ~(泣)。もう、油断も隙もないんだよ~(泣)。何一つ信じられないんだよ~(泣)。小林くんのバカ~(泣)。
『銀河鉄道の夜』
これですよ。
カネムラですよ。
常磐ですよ。
写植工でお祭りで、なぜか上着がびしょびしょで牛乳が来てなくて、ずっと一緒に行こうな、ですよ。
もう、泣くしかないですよ。
あーもう、こんな顔文字じゃ物足りない。どうしてもっと号泣してるのがないのだ。
とにかくさー……
なんで……こんな……うわーん
コント屋でしょー。ひと笑わせてナンボでしょー。泣かせてどうすんのよー。うわーん
どこから思いついたんだろう、『銀河鉄道の夜』をパロディにしようって。しかもパロディって、ヒト笑わせるもんでしょ? なのに結局原作と同じに泣かせちゃうって、何よー、もー 反則だよー
この作品の最初からずっと、小林くんが異様に淋しげな表情なの。胸が締め付けられるような、辛そうな顔なの。あー、いま思い出しても
一回目に観たときも泣けたけど、本家『銀河鉄道の夜』改めて読んでからまたこれ観たら、もうせつなくてせつなくて。
未読の方は、立ち読みでも何でもいいからぜひ読んでください。読んでからもう一度『TEXT』を観てください。小林版『銀河鉄道の夜』。いろんなこと……考えちゃうと思います。考えちゃって、せつなくなると思います。ぜひ!
ふといま思ったんだけど、小林くんはどういう意図でこの作品を書いたんでしょうね。
彼は自分のことを「コント屋」だと、「どうしたらひとは笑うか」を常に考えて、その方法論に則ってコント書いてるっていってますよね。
だけど、この作品は明らかに、ヒトを笑わせようとはしていない。いや、笑わせようとはしてるかもしれないけど、それよりも重点を置いているのは、ヒトをせつない気持ちに、悲しい気持ちにさせよう、という方だと思うんです。
どうしてなんだろう。
『演劇ぶっく』のインタビュー読んでも、そのあたりのことはよくわかんない。
小林くんのソロライブやプロデュース公演をまだ観ていないので、観たら何かわかるかな。
それとも、これからの小林くんを、ラーメンズを見てたらわかるのかな……
『TEXT』はラーメンズのターニング・ポイントになる作品のような気がします。
いや、ターニング・ポイント、というか……『TEXT』がきっかけで、ラーメンズにターボ・エンジンが付いた!みたいなことになるような。
うーん…なんてわかりにくい例え……
延々書いてきて、最後はグダグダ……もう寝ます……
読んでくださった方、どうもありがとう……
とにかく素晴らしかったですよね……ね…… ……はぁー(何なのいったい)
この拙いレビューを読んでくれて、さらにコメント、
ありがとうございます(^^)
「ずっしりくる」、言い得て妙ですね~
同じカテゴリとされてるのがATOM、POTSUNENなあたりも。
私も本公演の中で『TEXT』がナンバー1、『ATOM』がナンバー2です。
オペラにゴールデンにポツネン、来年もみんなでついていきましょうね♪
私好みの非常に「ずっしりくる」公演だったので(同じカテゴリー:ATOM、potsunen第1弾)、もうヘビロテ決定です。
私のブログにも稚拙ながら感想をアップしてありますのでよかったら遊びに来てください。(反転すると読むことができます)
10日以上経つのにまだ引きずってます、TEXT。
「ずっといっしょにいこうな」
また仁くんのね、あのちょっと舌足らず気味のね、言い方が、ね……
いま思い出すだけでうるっときます
「ずっといっしょ」ですよ~、絶対、あの二人は。仁くんのトリセツ持ってるのは小林くんだけなんですから
「ずっといっしょに」
がんばってほしいものです。
トラバさせていただきました。お邪魔しました。
身近にいる唯一のラーメンズファンは、私にラーメンズを教えてくれた恩人なのですが、ファン歴が長くて熱が一段落しているところで、「TEXT」もまだ見てないって言うんです。
語る相手がいないので、ここで思いの丈をぶつけてみました(笑)。レビューともいえないような文章になってしまったけど、うぐいすさんに読んでいただけて嬉しいです(^^)
ほんとに、なんて奥が深い「コント屋」。こんな人たち、他に絶対いませんね。同じ時代に生まれることができて感謝!
素晴らしいレビュー、ありがとうございました。
ラーメンズって、不思議なヤツラですよね。
こんなに、人に語りたいお笑い。
いやさ、人に語りたい舞台って、他に無いですもんw
おまけに、人が語ってるのを聞きたいし♪
いやぁ。放送日からずっと、TEXT世界に
浸りきっておりますww
幸せ~♪