作・演出:小林賢太郎
出演:ラーメンズ(片桐仁・小林賢太郎)
時間電話/心理テスト/ドラマチックカウント/インタビュー/心の中の男/高橋/斜めの日/日本語学校アメリカン/悪魔が来たりてなんかいう
ラーメンズ第8回公演『椿』の感想です。
(以下ずっとネタバレ。ご注意を)
*******************************************************
「時間電話」
話自体はそんなに斬新なものじゃなく、SF小説のタイムパラドックスものではよくあるネタだな、と思いました。未来で自分たちに何か大変なことが起きているみたい、逃げたいから現在を消そう、というのはそれ、自殺と同じことだよね……
「心理テスト」
何を言われても、「そっかー、じゃあしょうがねぇな~」と受け入れる仁くんがかわいい。オチが好き。好きっていうか……決まってて気持ちがいい。「ナイッシュ!」と声かけたくなる感じ。
小林くんは下ネタやるの嫌い、とどこかで読んだ気がするけど(『怪傑ギリジン』でも、仁くんが下ネタを言ったあと「あとで怒られる」って言ってたし)、『時間電話』ではズボン下ろそうとしてたし、この『心理テスト』でもおばあさんもてあそんで捨てたって。このころは嫌いじゃなかったんでしょうか。言ってもいい下ネタとダメな下ネタがあるのかもね。
「ドラマチックカウント」
これ、すごい。すごいよね。
前フリ含めてちょっと無理があるんじゃ、ってところもあるけど、その無理のあるところを逆に笑いにしちゃってるのもすごい。(仁くんが突然「マミー!」って叫んで飲むところとか。あそこが一番笑いが来てた。)
仁くんのセリフが関西弁だったのはなぜだろう、と思っていま見返したら、「ム!メモや!」というところ。ここだけだった、必然性があるのは(笑)。
「インタビュー」
大物気取りの態度が鼻につくロックスターの(と思われる)男のところに、ライター見習いの青年がインタビューに来る。……っていうこのシチュエーションだったら、ロックスターがボケ役、インタビュアーがツッコミ役になるのがふつうだと思う。ロックスターの勘違いぶり、小林くんのロックスター風の大げさな演技を笑うパターン。(ドランクドラゴンにそういうコントがあった。)
だけど小林くんはそうしない。ボケ役とツッコミ役をひっくり返す。ラーメンズのコントが他のコントと一線を画すのは、こういうところからも来るんだなぁ、と思います。
小林くん、こんな声も出せるんだね! いったいどれだけ引き出しあるんだ。怒鳴るときも笑うときもアドリブっぽいセリフのときもずっとこの声を保ってるのがすごいと思った。
ケーキのイチゴを食べて「赤い」というの、仁くんのアドリブなんでしょうか。ここだけ、何回言っても小林くん笑ってましたね。
「心の中の男」
うーん。なんか。こう。もうひとつ。練れてない感じ。
関係ないけど、同じ職場の男の人をデートに誘う場合、会社の前で待ち合わせはないよね。男が期待してたようなことじゃなかったんじゃないの、ちよこさん。
「高橋」
セリフ、よくかまないな~。あんだけ高橋高橋言ってるのに。「たなはし」や「たかなし」が単に「高橋」の一バリエーションにしか聞こえなくなってくるから不思議。それにしても、「たかは・しこたろう」って(笑)。
「斜めの日」
仁くんがかわいい~♪ 「だろうがよう!」がかわいい。おっちゃんこ座りして泣きじゃくるのがかわいい。「早退してきたもんなー」でとったポーズを小林くんが笑ったら、嬉しそーにもう1回同じことやるのがかわいい。小林くんを笑わそうとして(観客を、じゃなく。そうとしか思えない)、汗びっしょりになってヘン顔する仁くんを見守る小林くんの目が優しい。
「日本語学校アメリカン」
来た! 日本語学校! アメリカ篇!
いいな~、このたたみかけ。どんどん加速していくのがたまんない。
「ごせいばいしきもく(御成敗式目)」が「ごせんえんばいすこー(5000円bicycle)」 になるまではいいとして、その先、「ごせんえんばいにしてかえしてくる(五千円倍にして返してくる)」まで行くのが、小林くんだな~と思いました。
昼間、これをパソコンで見ていたとき同じ部屋に子供がいたんだけど、全然聞いてないと思っていたのに、数時間たってから「うんけいかいけいてんきよほー」とか「おうがいいぬがいべすとがい」とか口ずさんでて、びっくりした。声に出して読みたい日本語。
最後の「螺鈿紫檀五弦琵琶!(らでんしたんのごげんびわ)」なんかも、気持ちいい。
日本語学校のCDほしくなっちゃったよ。そこまではいいかなーと思っていたのに。
「悪魔が来たりてなんかいう」
二人の汗がすごくて、そっちの方が気になっちゃった。仁くん、顔がかゆそう。
前半もうちょっとつまめば、結婚式の余興に使えるな、これ。
それぞれ独立したコントだけど実は隠しテーマでつながっている、みたいな構図はこの頃はまだできてなかったんですね。逆にバラエティに富んだ内容になってる。短いのが多いし、初心者のためのラーメンズ詰め合わせセット、といった印象でした。
NHK『爆笑オンエアバトル』に出てた時期と重なってる? テレビ用につくったコント、という感じがするのが多いんだけど……
出演:ラーメンズ(片桐仁・小林賢太郎)
時間電話/心理テスト/ドラマチックカウント/インタビュー/心の中の男/高橋/斜めの日/日本語学校アメリカン/悪魔が来たりてなんかいう
ラーメンズ第8回公演『椿』の感想です。
(以下ずっとネタバレ。ご注意を)
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「時間電話」
話自体はそんなに斬新なものじゃなく、SF小説のタイムパラドックスものではよくあるネタだな、と思いました。未来で自分たちに何か大変なことが起きているみたい、逃げたいから現在を消そう、というのはそれ、自殺と同じことだよね……
「心理テスト」
何を言われても、「そっかー、じゃあしょうがねぇな~」と受け入れる仁くんがかわいい。オチが好き。好きっていうか……決まってて気持ちがいい。「ナイッシュ!」と声かけたくなる感じ。
小林くんは下ネタやるの嫌い、とどこかで読んだ気がするけど(『怪傑ギリジン』でも、仁くんが下ネタを言ったあと「あとで怒られる」って言ってたし)、『時間電話』ではズボン下ろそうとしてたし、この『心理テスト』でもおばあさんもてあそんで捨てたって。このころは嫌いじゃなかったんでしょうか。言ってもいい下ネタとダメな下ネタがあるのかもね。
「ドラマチックカウント」
これ、すごい。すごいよね。
前フリ含めてちょっと無理があるんじゃ、ってところもあるけど、その無理のあるところを逆に笑いにしちゃってるのもすごい。(仁くんが突然「マミー!」って叫んで飲むところとか。あそこが一番笑いが来てた。)
仁くんのセリフが関西弁だったのはなぜだろう、と思っていま見返したら、「ム!メモや!」というところ。ここだけだった、必然性があるのは(笑)。
「インタビュー」
大物気取りの態度が鼻につくロックスターの(と思われる)男のところに、ライター見習いの青年がインタビューに来る。……っていうこのシチュエーションだったら、ロックスターがボケ役、インタビュアーがツッコミ役になるのがふつうだと思う。ロックスターの勘違いぶり、小林くんのロックスター風の大げさな演技を笑うパターン。(ドランクドラゴンにそういうコントがあった。)
だけど小林くんはそうしない。ボケ役とツッコミ役をひっくり返す。ラーメンズのコントが他のコントと一線を画すのは、こういうところからも来るんだなぁ、と思います。
小林くん、こんな声も出せるんだね! いったいどれだけ引き出しあるんだ。怒鳴るときも笑うときもアドリブっぽいセリフのときもずっとこの声を保ってるのがすごいと思った。
ケーキのイチゴを食べて「赤い」というの、仁くんのアドリブなんでしょうか。ここだけ、何回言っても小林くん笑ってましたね。
「心の中の男」
うーん。なんか。こう。もうひとつ。練れてない感じ。
関係ないけど、同じ職場の男の人をデートに誘う場合、会社の前で待ち合わせはないよね。男が期待してたようなことじゃなかったんじゃないの、ちよこさん。
「高橋」
セリフ、よくかまないな~。あんだけ高橋高橋言ってるのに。「たなはし」や「たかなし」が単に「高橋」の一バリエーションにしか聞こえなくなってくるから不思議。それにしても、「たかは・しこたろう」って(笑)。
「斜めの日」
仁くんがかわいい~♪ 「だろうがよう!」がかわいい。おっちゃんこ座りして泣きじゃくるのがかわいい。「早退してきたもんなー」でとったポーズを小林くんが笑ったら、嬉しそーにもう1回同じことやるのがかわいい。小林くんを笑わそうとして(観客を、じゃなく。そうとしか思えない)、汗びっしょりになってヘン顔する仁くんを見守る小林くんの目が優しい。
「日本語学校アメリカン」
来た! 日本語学校! アメリカ篇!
いいな~、このたたみかけ。どんどん加速していくのがたまんない。
「ごせいばいしきもく(御成敗式目)」が「ごせんえんばいすこー(5000円bicycle)」 になるまではいいとして、その先、「ごせんえんばいにしてかえしてくる(五千円倍にして返してくる)」まで行くのが、小林くんだな~と思いました。
昼間、これをパソコンで見ていたとき同じ部屋に子供がいたんだけど、全然聞いてないと思っていたのに、数時間たってから「うんけいかいけいてんきよほー」とか「おうがいいぬがいべすとがい」とか口ずさんでて、びっくりした。声に出して読みたい日本語。
最後の「螺鈿紫檀五弦琵琶!(らでんしたんのごげんびわ)」なんかも、気持ちいい。
日本語学校のCDほしくなっちゃったよ。そこまではいいかなーと思っていたのに。
「悪魔が来たりてなんかいう」
二人の汗がすごくて、そっちの方が気になっちゃった。仁くん、顔がかゆそう。
前半もうちょっとつまめば、結婚式の余興に使えるな、これ。
それぞれ独立したコントだけど実は隠しテーマでつながっている、みたいな構図はこの頃はまだできてなかったんですね。逆にバラエティに富んだ内容になってる。短いのが多いし、初心者のためのラーメンズ詰め合わせセット、といった印象でした。
NHK『爆笑オンエアバトル』に出てた時期と重なってる? テレビ用につくったコント、という感じがするのが多いんだけど……