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南のまち、と森の端

南九州の一隅からちょっとした日常の出来事や思いを綴ります。

高鍋町美術館に行ってきました

2020-11-20 21:16:11 | 芸術文化

「交差する視点 辻野精一・道北昭介」展を鑑賞するため、宮崎県高鍋町にある高鍋町美術館に行ってきました。同美術館は8月以来今年2回目です。

2人は同町の出身。すてに20年から30年近く前に亡くなった作家てすが、壁面に飾られた抽象の大作からはつい何年か前に描かれたような新鮮さを保ち、制作に命を捧げた情熱がひしひしと伝わってきます。いすれも宮崎県の戦後美術の流れの中で欠かせない人でありながら、めまぐるしい現代にややもすれば忘れられがち。2人の仕事を再評価しようという企画の意図も伝わってくるようです。
同じく県美術の先輩である故・雨田正さんの美しい水彩画も特集として展示されていて、じっくりと見てまわる鑑賞者の姿が見受けられました。この展覧会は11月29日まで。入場料は常設展示も含めて大人210円。

抽象画の大作が並んだ会場


同人誌「龍舌蘭」200号記念展

2020-10-17 21:38:45 | 芸術文化

ほんとうに久しぶりに文化的行事に出かけました。宮崎市船塚の宮崎県立図書館2階特別展示室で10月17日から始まった「同人誌『龍舌蘭』200号記念」展(11月15日まで。「龍舌蘭」、宮崎県立図書館共催)。8月のこのページ「宮崎特攻基地慰霊碑」の中でも少し触れたのですが、「龍舌蘭」は1938年(昭和13年)に創刊して以来ずっと宮崎県の文芸の中心的存在として歩み続け、戦後一時休刊したもののこの7月で200号を刊行した、その記念展です。
会場にはバックナンバー200冊の展示をはじめ、「龍舌蘭」を中心に数々の小説や詩、評論などの作品発表し続けた黒木清次、谷村博武、山中卓郎、高橋勇、富松良夫、森千枝、黒木淳吉、阿万鯱人、金丸桝一さんら 文芸に生涯を捧げた人たちの経歴や著作を紹介。また、直木賞候補になった安達征一郞さん、芥川賞候補になった久保輝巳さんの創作活動、また現在の同人の紹介などを多彩に紹介して、文芸、文化に関心を持つ人たちにとって興味深い催しになっています。ぜひ訪れてみてください。

貴重な資料が並ぶ会場

記念展のポスター


久しぶり高鍋町美術館

2020-08-30 01:18:23 | 芸術文化

コロナ禍に翻弄され、安倍首相の突然の退陣表明などあっという間に8月も終わろうとしています。そこで懸案になっていた高鍋町美術館訪問を実行しました。それも自家用車ではなく、じっくり途中の景色を味わおうと各駅停車の路線バスで。日ごろは宮崎市から西の方向、小林、えびの市、湧水町方面に行ったり来たりしていますが、以前よく行っていた宮崎市以北へはなかなか行く機会に恵まれず、久しぶりに高鍋町美術館まで足を運びました。Ⅰ時間ちょっとのバスの旅もいいものです。
高鍋町美術館は立地環境がすばらしく、高鍋城が史跡公園として整備された舞鶴公園のすぐ近く、お城の掘の内側に1999年に開館しました。企画・常設展示室など入場者への配慮がされていて快いし、これまでユニークな企画展など個人的にも注目してきました。当初は7月下旬にうかがうつもりでしたが、コロナウイルス関連で閉館になったりでやっと実現、ほぼ5年ぶりの訪問となりました。
今回、鑑賞したのは「高鍋町美術館館蔵名品選展」で、昨年、20周年記念として刊行された同名の図録に収録された40数点を展示。有田四郎、平原美夫をはじめ地元高鍋町、周辺市町出身の美術家たちの油彩、水彩、日本画、版画、写真、工芸作品がずらりと並び、また大原美術館ゆかりの児島虎次郎、石井十次肖像画を描いた鱸利彦、明治時代に活躍した中澤弘光、写楽やミロの作品、秋月種樹の書画などさまざまだが、なかでも興味深いのは戦後の宮崎美術には欠かせない忘れがちの美術家たちの大作もずらりと並んで壮観。あらためて新鮮な思いで鑑賞することができました。さらに特集としてサイタ亨の洒脱な水彩画約30点が趣きを添え、常設展も書を中心に興味深い作品が展示されています。

この展示もきょう30日で終了してしまうのが残念ですが、最終日にぜひ。近くの舞鶴公園には町歴史総合資料館もあり、1日がかりでゆっくり訪れるのもありだと思います。

高鍋町美術館館蔵名品選展の会場


聴き応えあったベルリンフィルピアノ四重奏団

2020-01-24 21:30:47 | 芸術文化

1月23日夜、宮崎市のメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)・コンサートホール〈アイザックスターンホール〉で開かれた「ベルリン・フィルハーモニーピアノ四重奏団」コンサートに足を運びました。
4人はいずれもベルリンフィルメンバーで、同フィルの公式室内楽アンサンブル。当日演奏した曲は、彼らのために作曲したダニー・エルフマン「ピアノ四重奏曲」をはじめ、シューマン「ピアノ四重奏曲変ホ長調」、ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」。
初めて前から数列目の席で聴きましたが、各楽器から紡がれる音がクリアで、すきのない緻密で高い演奏技術、豊かな叙情、格調高さ、高みへと導いていく絶妙のアンサンブルはさすが。
 インフルエンザが流行っているということでマスクをして訪れましたが、会場の人たちはみな熱心な室内楽のファンといった様子でリスナーとしての質の高さを感じさせて、全体が盛り上がりを感じさせるコンサートでした。安い入場料でこんな珠玉の室内楽が聴けるなんて幸せというほかありません。


ヴィヴァルディの世界味わう

2020-01-13 22:07:48 | 芸術文化

2020年1月13日、宮崎市のメディキット県民文化センター・アイザックスターンホールで開かれた「オルガンとその仲間たちシリーズ2019 ヴィヴァルディ グローリア」を聴きに出かけました。自分にとって今年初めてのコンサートでした。
宮崎県立芸術劇場の2019年度の事業で開かれたものですが、大塚直哉さん企画・監修の同シリーズは11回目となります。今回もパイプオルガン、チェンバロ、指揮の大塚さん、バロックヴァイオリンの桐山健志さんら古楽演奏家、地元の人たちも加わった古楽器オーケストラ、オルガンとその仲間たち合唱団の面々がヴィヴァルディの世界をいきいきと伝えました。
有名な〈四季〉より「春」をはじめ、「オーボエと通奏低音のためのソナタハ短調」「2つのチェロのための協奏曲」「ソプラニーノ・リコーダー協奏曲」などの曲を一流古楽奏者が演奏、大塚さんのパイプオルガン独奏のあと、この日のメインの宗教合唱曲「グローリア」。壮大で厳かな名曲が会場いっぱいに響いていました。
このようなバロックのコンサートが10年以上も続いているなんて、ほんとにすばらしいこと。聴衆も多くの席を埋めていましたし、心から楽しんでいる様子でした。