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南のまち、と森の端

南九州の一隅からちょっとした日常の出来事や思いを綴ります。

やっぱり生演奏

2022-05-02 13:04:36 | 芸術文化

毎年恒例で今年27回目となる宮崎国際音楽祭が始まり、4月30日、メイン会場の宮崎市・メディキット県民文化センター(県立芸術劇場)の演劇ホールに出かけました。
コロナ禍とあって心配もあったのですが、コンサートや展覧会など芸術関連行事にしばらく行っていなかったのでわくわくした気分。密にならない対策などが行われていて少し安心しました。
この日のステージは演奏会1「エクスペリメンタル・コンサート」。現代音楽を中心に毎年人気のある企画コンサートで今年のテーマは「ザ・ヒートルズ」~Love Me Doから60年。ピアノ・監修・解説の野平一郎氏がコロナ感染後の療養のためビデオによる出演となったが、代わりに長尾洋史氏がピアノ・チェンバロを演奏、その他ヴァイオリンの徳永二男、川田知子、小林美樹、ヴィオラ・鈴木康浩、チェロ・富岡廉太郎、フルート・高木綾子、戸髙美穂(宮崎在住)、ソプラノ・佐藤裕希恵の各氏が出演。ビートルズの名曲、「Yesterday」「Let It Be」や共通点のあるラヴェルやドビュッシー、クセナキスなどの曲を魅力的な音で、やっぱり生の演奏の素晴らしさを伝えていました。
今後、5月15日まで「大野和士の世界」「三浦文彰の挑戦」「喪失と悲哀を越えて~大野和士が捧げるレクイエム」「祝賀の舞~ここに集い、明日を音祝ぐ」「巨匠マイスキー~魂の無伴奏チェロ」など多彩なプログラムが続きます。

会場のメディキット県民文化センター入り口前の看板


宮崎県立美術館コレクション展

2021-09-26 16:58:00 | 芸術文化

お墓参りのついでにコロナ禍で遠のいていた宮崎市の宮崎県立美術館に、ほんとにひさしぶりに行ってみました。同館約4200点の収蔵作品の中から選んで展示した「第3期コレクション展」(12月14日まで)。西洋美術の巨匠たちの作品のほか、展示室2では宮崎県出身の瑛九をはじめ塩月桃甫、山田新一、山内多門らの作品が展示され、「宮崎の美術―瑛九と加藤正」、「没後10年 坂本正直」とテーマを設けたコーナーがあります。
今回特に見たい思ったのは坂本正直氏の作品でした。96歳で亡くなるまで精力的な制作を続けた人で、兵士として大陸の戦地に赴いた戦争体験をもとにした作品を多く残した坂本氏。今回は大作6点が展示されています。戦友の死や軍用馬たち。1点1点の作品が戦争の悲惨さ、意味を私たちに訴え、緊張感、充実感のあるコーナーになっています。入場無料です。ぜひ1度観てもらいたいと思います。

会場入り口近くの掲示。作品は坂本「貨車に乗せられて 1973年の夏」


椋鳩十氏の色紙

2021-08-17 16:18:17 | 芸術文化

本棚の一角に児童文学の椋鳩十氏の色紙が1枚飾ってあります。毎日のように眺めていますが、ふと椋氏のやさしい顔の表情を思い出しました。
「活字の林をさまよい思考の泉のほとりにたゝずむ」。たぶん印刷された複製品とは思いますが、もう何年前か忘れたものの鹿児島県立図書館長時代に本人から直接いただいた色紙なのです。やさしそうな顔といかにも文学者らしい落ち着いた雰囲気の先生、といった印象だけは今でもはっきり覚えています。
この文字が刻まれた文学碑祭が鹿児島県牧園町にあるとのこと、また姶良市には椋鳩十文学記念館があり、1度行ってみたいと思っています。「大造じいさんとガン」など湧水町にちなんだ作品もあるし。


レーピン&諏訪内晶子

2021-08-09 17:22:23 | 芸術文化

第26回宮崎国際音楽祭(宮崎県、県立芸術劇場など主催)の、8日に開かれた演奏会2「レーピン&諏訪内晶子」響きあう音、そして祈り、に出かけました。演奏会1のピアソラに続いて、私にとって久方ぶりの一流アーチストによる本格的コンサート。その豊かな音の世界に浸りました。
ヴァイオリニストのワディム・レーピン、諏訪内晶子氏と、梅田俊明指揮、同音楽祭管弦楽団によるプロコフィエフ「2つのヴァイオリンのためのソナタハ長調」、バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」、プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」「同2番」。宮崎ではめったに聴けないプロコフィエフ中心のプログラム。豊かで重厚、存在感のある2人のヴァイオリンの音が会場いっぱいに響き,充実したコンサートでした。バッハの協奏曲はかってアイザック・スターン、ボリス・ベルキン氏が演奏した曲で感慨深く聴きました。
 9日はレーピン氏とバレリーナで夫人のスヴェトラーナ・ザハロワ氏の共演のステージも開かれました。

音楽祭の看板が掲げられた入口

 

 

 

 

 

 


やはり生演奏

2021-08-01 20:44:56 | 芸術文化

楽しみにしていた第26回宮崎国際音楽祭(宮崎県、県立芸術劇場など主催)が始まりました。昨年は中止だったため2年ぶりの開催。まだコロナ感染の心配もあり今回はいくつもある演奏会のうち聴きたい3ステージのみチケットを買いましたが、個人的にもほんとうに久しぶりのコンサートで、わくわくしながら出かけました。
7月31日、メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)で開かれた演奏会【1】エクスペリメンタル・コンサート「ピアソラの風景」~タンゴmeets クラシック」。ピアニストで作曲家の野平一郎氏が毎回監修(演奏)し現代音楽を取り上げてきたコンサートで、今生誕生誕100年にあたりピアソラに焦点をあてました。
野平氏をはじめバンドネオンの三浦一馬、ヴァイオリンの漆原啓子、川田知子、ヴィオラ・篠﨑友美、チェロ・古川展生、ピアノ・高橋優介の各氏が出演。地元のアナウンサー・薗田潤子氏の司会でピアソラの生涯をたどりました。曲はピアソラの代表曲とも言える「リベルタンゴ」「アディオス・ノニーノ」「ブエノスアイレスの冬」などのほか,ピアソラゆかりのヒナステラ、ブーランジェ、コープランドの曲などを重厚に演奏。憂いを含んだピアソラ独特の音楽世界が広がりました。
クラシック音楽はCDなどで毎日のように聴いていまずが、演奏家たちの息づかいまで聞こえそうな、どきどきするような緊迫感のなかで聴く生演奏はやはり最高。幸せを感じながら帰途につきました。
同音楽祭は徳永二男氏を音楽監督に、ワディム・レーピン、諏訪内晶子、三浦文彰、辻井伸行氏らが出演して8月15日まで同センターを中心に開催されています。

開場後のロビーの一角