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南のまち、と森の端

南九州の一隅からちょっとした日常の出来事や思いを綴ります。

黒木清次文学碑祭り

2022-11-21 16:41:21 | 芸術文化

以前このブログでも紹介したことのある「黒木清次文学碑祭り」(小林市文化連盟主催)が20日、宮崎県小林市須木の文学碑前広場で開かれ、出席してきました。
黒木さんは多くの小説、詩作品を発表、同人誌「龍舌蘭」を主宰するなど宮崎県の文学界を牽引してきた人。小林市須木出身の先輩文学者を顕彰しようと毎年のように開かれてきた行事です。
同日は市内外から6、70人が出席。詩作品「朝の鶴」が刻まれた文学碑の前で式があり、挨拶や献花、「朝の鶴」の朗読、フルートと電子ピアノ演奏などと続きました。また、市内小中学生を対象にあらかじめ詩作品の募集が行われ、同日は入賞、入選作品の表彰、子どもたちの朗読も行われました。
宮崎県内でも貴重な文化行事ですが、この日の式の中で、「式典は今回が最後になる」という話があり、残念に思います。子どもたちの詩作品募集は続けていきたいそうですが、郷土の優れた文学者を今後も顕彰していく方法をなんとか見いだしていってほしいと希望します。これまでの文化連盟、市教委など関係者の地道の努力に感謝しつつ。

黒木清次文学碑祭り式典(献花)


バロックの楽しみコンサート

2022-10-11 15:44:57 | 芸術文化

「バロックの楽しみ」というコンサートに出かけました。10日、宮崎市のメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)演劇ホールで開かれた催しです。
出演したのはピアノ、チェンバロの第一人者・小林道夫氏、チェロ奏者で東京芸大教授の河野文昭氏、地元宮崎のフルーティスト・桐原直子氏の三人。J.S.バッハ、その次男・エマニエル・バッハと、テレマンの、フルートソナタ、無伴奏チェロ組曲第1番など5曲を演奏しました。
それこそ久しぶりの生のバロック音楽。自分にとって「ゆふいん音楽祭」以来だった大御所・小林氏と、河野氏。滋味あふれるチェンバロやチェロ、ピュアで柔らかなフルートの音色が重なって荘重な感じであふれ、今の季節にふさわしい落ち着いて格調あるコンサートを満喫したひとときでした。名手・小林氏の演奏に出合えるなど、このすばらしい企画に拍手。


高鍋美術館へ

2022-09-25 23:19:19 | 芸術文化

ほんとうに久しぶり。25日は宮崎市街地から路線バスに1時間ちょっと揺られ、高鍋町美術館を訪れました。11日までの特別展特別展「児島虎次郎 もうひとつの眼」に行けなかったので今回訪れることができてとてもうれしく思いました。
お目当ては23日からスタートした後期常設展「坂本正直 玄奘三蔵法師の旅」。坂本氏(1914-2011年)は一兵士として中国の戦場に赴いた戦争体験を基にした戦争シリーズで知られた画家ですが、それとは別に三蔵法師が経典を求めてインドに向かう苦難の旅を描いたシリーズがあります。生前にまとめて同館に収蔵された作品群の中から今回「馬と語る玄奘法師」「不東・歩く」「伏して観音経を唱える」のなど大作11点が展示されています。決して振り返るなという自らの画業、人生とも重なる遙かな旅。やや暗めの照明の下でかえってブルーや赤の色彩が際立っていたり、独自の精神性の深い作品として迫り、心躍らされるものがあります。この常設展は来年3月26日まで開かれているのでぜひ訪れてみてください。
 また同町教委主催の持田遺跡発掘調査速報展「地下式横穴墓に納められた副葬品 金銅製馬具」(10月2日まで)も開催中。

高鍋町美術館入り口


やっぱり生演奏

2022-09-23 23:41:43 | 芸術文化

コロナの不安から芸術鑑賞も久しくご無沙汰していたのですが、ついに待ちきれず再スタートしました。そのはじめに23日、メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)で開かれた「ピアソラ没後30周年 ガラコンサート」に行ってきました。クラシック・キャラバンの一環で、日本クラシック音楽事業協会、同館共催。
このコンサートに出かけようと思ったのは、ギターの第一人者・福田進一氏をはじめ毎年宮崎国際音楽祭に来ているヴァイオリン・小林美樹、チェロ・上村文乃氏や、バンドネオン・三浦一馬氏ら好きなメンバーが出演すること。14人の弦楽アンサンブルが盛り上げ、「リベルタンゴ」をはじめに「オブリビオン」「タンゴの歴史」「アディオス・ノニーノ」ほかピアソラの名曲を次々に演奏。情熱的な中にも叙情性、哀切感も漂わ独自な魅力を存分に伝え、多くの聴衆は何よりもすばらしい生演奏の音楽世界を堪能した様子でした。


宮崎国際音楽祭終わる

2022-05-16 15:28:11 | 芸術文化

宮崎市のメディキット県民文化センター(宮崎県民文化センター)をメインに開かれていた宮崎国際音楽祭が15日、幕を閉じました。
コロナ禍とあってロビーなどで咳をしている人がいると心配もしましたが、会期中クラスターが発生したというような話も聞かず、何とか終われてよかったなと思ったことでした。    
音楽祭終盤で強く印象に残ったのは14日の「喪失と悲哀を越えて」~大野和士が捧げるレクイエム。大野氏を指揮者に中村恵理、池田香織氏ら声楽家4人、同音楽祭のためのオーケストラ、合唱は新国立劇場合唱団でヴェルディの「レクイエム」が演奏されました。音楽祭初のこの楽曲を聴衆に息つくひまもないくらいに荘厳、壮大なスケールで演奏、おおきな感動を与えました。再び戦争の渦中にある不安定な世界の中で、また、コロナで亡くなった方たちへのレクイエムとしても深く考えさせるものがありました。      

 最終日の15日は広上淳一氏の指揮、宮崎国際音楽祭管弦楽団、パイプオルガン・加藤麻衣子氏の演奏で、小高惇忠「音の旅」より、サン=サーンス「交響曲第3番 オルガン付き」、後半はレスピーギの「ローマの祭」「ローマの松」。 豊かな音の広がりとともに音楽の喜びを爆発させたような、音楽祭の締めくくりにふさわしいすばらしいコンサートでした。

ブーゲンビリアで飾られた音楽祭会場入り口