(裏)長男の荷物

それどこで買ったの?いくらしたの?Where did you get It? How much was It done?

送り終えて

2014年05月18日 16時40分03秒 | お話
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医師が時を告げる。
その前に呼吸が止まっていた。これが息を引き取ったということか。息をしていなくても苦しそうではなかった。安らかに逝ったのだ、と漠然と思った。ああ逝ってしまったと。
愛する人を亡くしたことも悲しいが、残された愛する人たちが悲しんでいるのを見るのが辛い。どうすることもできない。これがボディブローの様に効く。ボディブローを受けたことはないが。思い出すと辛いので割愛。
親戚に連絡。病院でお別れをしてもらう。同時に斎場とお寺さんをどうするか会議。
拙宅は本家ではないので、お寺さんは本家に任せる。お寺さんにアポイントを取ってもらう。
「家族葬でやります!」(キリッ)と言い切る。しかし全く無駄な宣言。
まず斎場か自宅か。近場の斎場に決定で連絡。
斎場=葬儀社。「〇時に迎えに来ます。云々」の打ち合わせをして、病院へ引き取りに来てもらう。
斎場へは直接向かわず、自宅前で一時停車、詳細は割愛。思い出すと辛いので。
で、斎場の控室(小上がりみたいなところ)へ安置。ここが故人がお布団で眠れる最後の日になる。
葬儀社に火葬場の”窯”を押さえてもらう。
「納棺の時間を連絡ください。打ち合わせは明日9時から」で葬儀社撤収。

とりあえず必要なものは印鑑と遺影の元になる写真。印鑑は役所に提出する死亡診断書と対になった死亡届に捺印するため。故人の本籍が現住所と違っている場合があるので要注意。(間違えて書いたけど問題なかった)。届け出は葬儀社が代行してくれます。同じく葬儀社が保険、預金解約用に同書のコピーを用意してくれます。前述解約に相続人全員の印鑑および印鑑証明が必要になります。
遺影。1万円くらいのインクジェットプリンターではフォトショで切り取った画像をA4に引き延ばして印刷すると綺麗に出ない。画像データをSDカードに落として、コンビニのカラープリント印刷したものを葬儀用に使う。
「笑っていて、いい写真」とかお誉めの言葉をいただいたりしてしまう。コンビニプリントだけどね。後日カメラ店で写真プリントしてもらいました。
葬儀社から家紋を聞かれる。本家から教えてもらう(生前に聞いてたのと違う)。五瓜が付いていた。
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    拙宅の家紋
何に使われるかと言うと葬儀社が「お布施」の封筒を30枚用意してくれます。そこに「お布施」、家紋、〇〇家と印刷してある。なぜに30枚も。多分宗派によって法要の度に包むときに使うのかな。

お寺さんとなかなか連絡が取れない。携帯がつながらない。多分、職業柄、随時マナーモードなんだろう。
ようやく、お寺さん到着。枕経をあげてもらう。
家族、親せき、お寺さんで納棺、通夜、告別式の時間を決めて解散。
ここで大変助かったのは親戚。お寺さんの手配からお布施の相場、その後の法要に必要なお布施までお寺さんに聞いてもらった。遺族が直接、聞きにくいものですから。

亡くなった日の夜
何を話したか余り覚えていない。式次第とか、どうでもいい冗談とか。なるべく故人の思い出などには互いに触れないようにしていたのかも。最近の線香、ろうそくは8時間燃え続ける。見張りは不要。適当な時間に交換してしまえば可。深夜、一旦自宅に戻り、HDDから写真を選ぶ。シャワーを浴びて、コンビニプリントして再び斎場へ。

通夜
朝から葬儀社と祭壇や食事、オプションの有無を打ち合わせ。総額いくらと。祭壇高いね、値段が。言葉は悪いですが足元を見られている。かといって値引きする雰囲気でもない。これいらない、あれいらないとか言っていると、長老の方々にお叱りを受ける。でも、お供えや献花は長老の方々の指示でリンゴ2箱60個、同オレンジ、お餅100個とか。ありがたいです。
納棺の前に、葬儀社の人たちが着替えとか、メイクアップとか、数珠持たせたりしてくれるので、一時退出。いわゆる”おくりびと”のシーン。実は病院でキレイにお風呂に入れてもらってメイクまでしてもらっていたのですが、やはりプロに任せようということにしました。故人が生前愛用していた洋服を着せさてもらう。今時、おでこに三角形は着けないよ。吐瀉物が出たりしてえぐい場合があるので、遺族は外で待っていた方がいいと言われました。これはオプション。
終了後、男性が集まって「せーの」で納棺。文字の通り、棺に入ります。淡々と作業。私の心中では、ここで最後のお別れみたいな感じでした。お布団から異質な物に入る訳ですから。
怒られますが、故人が入る前に、ちょっとだけ入ってみたいと思っていました。すごく落ち着くと聞いたので。でも、そのようなことを言い出す雰囲気ではありませんでした。
納棺の後、お寺さんにお経をあげてもらう。
以降、故人の顔を眺めたり、祭壇が組み上がっての見たりして時間が過ぎていく。
特にすることもなく、ノートパソコンを持ち込んでいたのでスライドショーを作ったりしていました。

通夜開始。通夜の読経の時、寝ていたのが母にばれていました。
喪主挨拶。連絡事項の通達。解散。
葬祭場は夜間、家族だけ残される。防犯上、大丈夫なのか?斎場の人に冷暖房のスイッチの場所を聞いておくこと。30℃まで空調の温度を上げても、設定が冷房なら寒い。
食堂にはビール、コーラ、ファンタ、ウーロン茶など。飲んだら自己申告で最後に葬祭費と合わせて清算。ビールはスーパードライでした。葬式だけにドライ。やはりヱビスだとまずいだろうな。1日中、お供えの甘いものを食べていたので、通夜の夜、近所の焼き鳥屋へテイクアウトに。待っている間にジョッキ1杯。通夜の場で焼き鳥食べながらビール2本。もちろん祭壇にもビールをお供えしました。ああ、焼き鳥の塩気が美味しい。4時間寝てしまいました。

告別式
お寺さんの都合だったか告別式は午後になりました。というわけで、参列していただいた方々には「お斎(おとき)」を食べていただきました。
記帳台を設けなかったので、喪主として、来ていただいた方にはお礼をしてお出迎え。
読経、焼香と淡々と式は進みます。
以降は特筆することはありません。確かに辛いです、とだけ書いておきます。遺族はすることが多くて、悲しんでいる暇はない、というのは都市伝説です。悲しむ時間はあります。

帰宅してから何食べたか思い出せないな。

葬儀そのものに、家族葬と一般葬の違いはありません。祭壇、斎場使用料は同じ。
差が出るのが、提供する食事。基本は3種類。参列者が限られるので「通夜振る舞い」は無し。また親族だけの集まりということと中途半端な時間での食事となってしまうので、「精進落とし」は無し。食事は「お斎」だけ。
同様、記帳台無し、会葬お礼は無し、香典辞退と言うことで、香典のお返し無し。以上の費用が差異となります。香典のお返しとかは遺族には、精神的な負担にもなるので辞めてもいいと思います。
祭壇が高いとか文句を言いましたが、葬儀社が病院から始まって家族が斎場を出るまで全て面倒を見てくれます。四拾九日までの法要に使う祭壇も用意してくれました。亡くなってからの役所、金融機関などに必要な手続き一覧とか。遺族の負担を減らすためにも葬儀社を使うのも正解かもしれません。何もかも遺族が背負うことはないのです。
喪主の挨拶は3回
1.通夜
2.告別式
3.火葬場から戻ってきて斎場で会葬のお礼
葬儀社が各挨拶のひな形を用意してくれますが、敢えて自分の言葉で挨拶することにしました。通夜挨拶は参列者の心をつかんで泣かせたが、告別式はネタを外して場を白けさせてしまった(早く忘れたい)。会葬のお礼には、特にお寺さんの手配やお供え手配をしてくれた方々には、ちゃんとお礼をいいましょう。

香典は辞退できますが、お供え、献花は断ってはいけない。しょぼい祭壇でも、お供えと献花を並べれば立派に見える。

香典貰っても葬儀は興行的に黒になることはありません。(当たり前か)だったら、残された者たちの負担を減らした方がいいと思います。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。幼稚なことを書いて恐縮です。こんな忘備録が役に立たないこと切に願っていますが、誰にでも起こりうることであり、避けることができません。こんな文章では私の思いは伝わらないかもしれません。
一言だけ、どんな些細なことでも、あの時ああだったら、こうだったら、とは決して言ってはいけません。
愛する人の死を後悔にしてはいけません。一生かかえる重荷になってしまいます。故人も望みません。
私は後悔を振り切りました、努めてそうしました。
後ろを振り返らず、前を向いて故人とのいい思い出とともに生きていきます。

哀悼の言葉を寄せてくれた親愛なる友人たち、ここに謝意。そして、お願いですから健康診断は受けましょう。

というわけで法要も滞りなく終えました。
宣告をされた余命を乗り越えた記念の東北旅行、その旅行記として始めたブログ。いつの間にか私の旅行記に代わっていた、当初の趣旨から離れてしまった。
ブログを書き続けていいのかな。私は長生きして書き続けるよ。読んでね。
ポエムはもう書きません。いや、書くかも。ブロガーでポエマー。


暗い話題だったので、お笑いを置いておきます。告白すると、未だに、遺影を前にすると「もう逢えない」と考えてしまい、涙が。

多少イレギュラーなことがあっても不信心ものと叱られないよ。故人は許してくれる。


8 コメント

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Unknown (Ryra)
2014-05-18 22:14:36
お悔やみ申し上げます。
おっしゃるっ通り愛する人とのお別れは避けては通れないものです。
後に残されるのは耐えられそうにありません。かといって後に残して悲しい思いもさせたくない。いつか訪れるであろうその時を静かに待ちます。
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Unknown (I Had A Good Time)
2014-05-19 00:49:34
ご丁寧にありがとうございます
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Unknown (Ryra)
2014-05-19 17:29:33
お気遣いありがとうございます。
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Unknown (Ryra)
2014-05-25 08:32:24
隣のおじいちゃんが21日に亡くなりました。93歳です。
高齢だった事もあり、お手伝いで集まった人たちが談笑する場面も・・・
私の祖母は91歳で亡くなりました。大往生だといい、精進落しの料理が振舞われた時には、親戚と おとり持ちの人たちで酒盛りだった。
いくら大往生といわれようととてもそんな気分になれるはずもなく、ずっと台所に篭っていた事を思い出した。
もう17年も前のこと。

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Unknown (I Had A Good Time)
2014-05-25 22:30:22
ご心中、察し申し上げます
死とは別れであり悲しいものです
しかしどうでしょう
あなたのおかげで、子や孫、ひ孫、そしてその先もさらに家族は増えていくでしょう
こんなありがたいことはない
この様にして送られる故人も、満足して旅立たれるのではないでしょうか
大往生はめでたい
不謹慎ですか?お心を悪くされましたらお詫びします
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Unknown (Ryra)
2014-05-25 23:00:24
確かに大往生はめでたい事です。
寿命をまっとうしたのですから。
ですが他人様から言われることには抵抗を感じてしまいます。

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Unknown (I Had A Good Time)
2014-05-25 23:07:16
大往生は誉め言葉です
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Unknown (Ryra)
2014-05-26 12:32:36
やっぱり家族葬がいい
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