【修復腎移植update】
「日本図書新聞」1/16号に、帝京大学名誉教授大野秀樹氏(公衆衛生学)による、近藤俊文「日本の腎臓病患者に夜明けを」(創風社、2015/8)の書評が掲載された。(添付1)大変好意的でよくわかる書評なので別添します。ぜひお読み下さい。
某大手の出版社との間で、高橋幸春さんを仲介として「修復腎移植」についての新書刊行の企画が検討中です。幕間のPRとして「STAP事件」と同様に、「血液型と性格相関論」についての批判論評を書きました。今2回目までネット誌にアップされています。これもご覧下さればと思います。
http://healthpress.jp/2016/01/post-2198.html
3回目は戦前に「血液型・気質相関論」で一大ブームを巻き起こした、エセ心理学者古川竹二の学説の盛衰を紹介する予定です。4回目は「ABO式血液型とその遺伝子」について、5回目で「戦後の血液型ブームに便乗したトンデモ学者」を取り上げるつもりです。
昨年の12/1~2付で、米UNOS(臓器提供ネットワーク)のTOD(治療目的での臓器提供)に関する新方針が公開された。
https://www.transplantpro.org/wp-content/uploads/sites/3/Requirements-for-Therapeutic-Donation.pdf?b2d5de
それによると「生体ドナー委員会」は「治療目的で臓器を摘出され、その臓器が移植候補者に移植するのに適切である個人を表現するのに、<治療的臓器提供者(TOD=Therapeutic Organ Donor)>という新語を創出した」としている。潜在的なTODとして、以下の3疾患をあげている。
1.腎細胞がん(腎摘出後、移植前に腫瘍を切除したもの)
2.尿管の外傷(尿管切断)
3.メープル・シロップ尿症(肝臓ドミノ移植でもっとも多い肝臓ドナー)
3は日本人には少ないので、UNOS新方針が日本に適応された場合、ドナー供給源として一番重要になるのは、「小径腎がん」の場合であろう。2.は交通事故などの場合だが、突発的に起こるのでドナーネットワークが相当に発達していないと、利用する機会が失われるだろう。
ドナー臓器数で見れば、「修復腎移植」が圧倒的多数になるのは明白だ。
UNOSが修復腎移植をTODのトップに挙げたことの意義は大きい。
近藤先生が言われるように、<TODはまだ新聞記事になっていないようですが、OPTN/UNOSが正式に修復腎移植を推進しようというのですから、勝負が付きましたね。>ということだと思う。
徳州会の再申請は今月20日を目途として行われるものと思うが、UNOSの新方針の邦訳が資料として提出されることを期待している。
日本移植学会や透析医学会がどう出るかわからないが、今のところ昨年予想したようによい方向に事態は展開しているように思う。
逆説的な言い方になるが、日本移植学会とメディアが「病腎移植は悪い医療だ!」とあれだけ大バッシングをしてくれたおかげで、徳州会が早期に「日本を相手にせず。世界に直接PRをする」という方針に転換し、国際学会発表などを通じて世界の臓器移植指導者に訴えたことが、ドイツ移植法改正、EU移植ガイドライン改定、WHO指針改定につながり、最後に米UNOSの新方針となったと思う。
歴史とは皮肉なもので、メディアが当初あれほどもてはやした、日本初の心臓移植が後に「医療に名を借りた殺人行為」として移植医療史に汚名を残し、長く続く移植医療不信の根源となり、透析利権がはびこる「世界一の人工透析大国」になったように、「移植マニア」とメディアに批判された万波誠を中心とする「瀬戸内グループ」の医師たちは、「TODの核となる修復腎移植を世界に発信」し、日本が人工透析中心の歪んだ医療から、本来の移植医療の大道へと立ち戻る糸口を与えたとして、その業績が讃えられることになるであろう。
「日本図書新聞」1/16号に、帝京大学名誉教授大野秀樹氏(公衆衛生学)による、近藤俊文「日本の腎臓病患者に夜明けを」(創風社、2015/8)の書評が掲載された。(添付1)大変好意的でよくわかる書評なので別添します。ぜひお読み下さい。
某大手の出版社との間で、高橋幸春さんを仲介として「修復腎移植」についての新書刊行の企画が検討中です。幕間のPRとして「STAP事件」と同様に、「血液型と性格相関論」についての批判論評を書きました。今2回目までネット誌にアップされています。これもご覧下さればと思います。
http://healthpress.jp/2016/01/post-2198.html
3回目は戦前に「血液型・気質相関論」で一大ブームを巻き起こした、エセ心理学者古川竹二の学説の盛衰を紹介する予定です。4回目は「ABO式血液型とその遺伝子」について、5回目で「戦後の血液型ブームに便乗したトンデモ学者」を取り上げるつもりです。
昨年の12/1~2付で、米UNOS(臓器提供ネットワーク)のTOD(治療目的での臓器提供)に関する新方針が公開された。
https://www.transplantpro.org/wp-content/uploads/sites/3/Requirements-for-Therapeutic-Donation.pdf?b2d5de
それによると「生体ドナー委員会」は「治療目的で臓器を摘出され、その臓器が移植候補者に移植するのに適切である個人を表現するのに、<治療的臓器提供者(TOD=Therapeutic Organ Donor)>という新語を創出した」としている。潜在的なTODとして、以下の3疾患をあげている。
1.腎細胞がん(腎摘出後、移植前に腫瘍を切除したもの)
2.尿管の外傷(尿管切断)
3.メープル・シロップ尿症(肝臓ドミノ移植でもっとも多い肝臓ドナー)
3は日本人には少ないので、UNOS新方針が日本に適応された場合、ドナー供給源として一番重要になるのは、「小径腎がん」の場合であろう。2.は交通事故などの場合だが、突発的に起こるのでドナーネットワークが相当に発達していないと、利用する機会が失われるだろう。
ドナー臓器数で見れば、「修復腎移植」が圧倒的多数になるのは明白だ。
UNOSが修復腎移植をTODのトップに挙げたことの意義は大きい。
近藤先生が言われるように、<TODはまだ新聞記事になっていないようですが、OPTN/UNOSが正式に修復腎移植を推進しようというのですから、勝負が付きましたね。>ということだと思う。
徳州会の再申請は今月20日を目途として行われるものと思うが、UNOSの新方針の邦訳が資料として提出されることを期待している。
日本移植学会や透析医学会がどう出るかわからないが、今のところ昨年予想したようによい方向に事態は展開しているように思う。
逆説的な言い方になるが、日本移植学会とメディアが「病腎移植は悪い医療だ!」とあれだけ大バッシングをしてくれたおかげで、徳州会が早期に「日本を相手にせず。世界に直接PRをする」という方針に転換し、国際学会発表などを通じて世界の臓器移植指導者に訴えたことが、ドイツ移植法改正、EU移植ガイドライン改定、WHO指針改定につながり、最後に米UNOSの新方針となったと思う。
歴史とは皮肉なもので、メディアが当初あれほどもてはやした、日本初の心臓移植が後に「医療に名を借りた殺人行為」として移植医療史に汚名を残し、長く続く移植医療不信の根源となり、透析利権がはびこる「世界一の人工透析大国」になったように、「移植マニア」とメディアに批判された万波誠を中心とする「瀬戸内グループ」の医師たちは、「TODの核となる修復腎移植を世界に発信」し、日本が人工透析中心の歪んだ医療から、本来の移植医療の大道へと立ち戻る糸口を与えたとして、その業績が讃えられることになるであろう。
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