日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

梅雨空の京都を行く 続編 - よしみ

2018-06-16 21:15:10 | 居酒屋
先週の落ち穂拾いが続きます。「きのした」の次は「よしみ」の暖簾をくぐりました。
「伏見」なき後、「赤垣屋」と並んで愛用している大衆酒場の老舗が当店です。世間での知名度に関していえば「赤垣屋」に僅差で軍配が上がるものの、たとえていうなら「第一旭」に対する「新福菜館」のようなもので、あってないような違いともいえます。それぞれに美点はあり、少なくとも自分の中ではどちらが上ということはありません。
しかして当店の美点は何かと考えるに、まず浮かぶのが季節感です。さりげなく季節感が織り込まれた「赤垣屋」の経木に対して、こちらの短冊は季節感に満ち満ちています。ただし、今日に関する限りはそれほどでもありません。正確にいえば、「きのした」の品書きが出色だったことにより、それをも超える鮮烈さまでは感じられないとでも申しましょうか。そのような中、天ぷら、照焼、しゃぶしゃぶを選べる鱧が当店ならではでした。

よしみ
京都市中京区河原町通三条上ル恵比須町534-16
075-252-4110
1630PM-2230PM(LO)
日曜定休

住吉・美しい鴨川
突き出し(ざる豆腐)
おでん三品
はも照焼
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梅雨空の京都を行く 続編 - きのした

2018-06-16 19:15:57 | 居酒屋
宿を出て御池通りを東に進み鴨川を渡ると、折しも西日が沈んだ直後でした。西の空が暮れていく中、川床に明かりが灯る京都の夏らしい眺めです。しかし、いかんせん高さが足りず、写真に撮っても絵にはなりません。二条まで上ったところで切り上げました。そのまま橋を渡って「きのした」を訪ねます。
本日の品書きは実に多彩です。夏の京都といえばまず思いつくのは鱧ですが、それに加えて鱸、稚鮎、時知らず、蓴菜、水なす、万願寺の文字が並んだ品書きは、眺めているだけでも楽しくなってきます。去年同じ時期に訪ねたときもそうでしたが、旬の品を複数組み合わせるのが店主の十八番と見え、「うなぎ・蓴菜・アスパラの酢の物」がいかなるものかと想像するのも楽しいものがあります。しかし、あと一月もすればただ暑いだけでしょう。夏らしさをしみじみ実感したい向きには、今が最もよい時期なのかもしれません。

旬味きのした
京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町92-7 佐野ビル1F
075-213-2929
1730PM-2200PM(LO)
火曜定休

風の森・遊穂
突き出し五品
鰯酢〆・水茄子の辛子味噌和え
稚鮎の天ぷら
鯖ずし
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梅雨空の京都を行く 続編 - ホテル杉長

2018-06-16 18:40:34 | 近畿
早々と投宿して一息つきました。本日は毎度おなじみホテル杉長の世話になります。
何度も世話になってきた事実上の定宿ですが、泊まるのは格安の日祝日にほぼ限られ、土曜は初めてのような気がします。それ以前の問題として、土曜に泊まろうにもここが空いていたという記憶がありません。先週末も同様でした。しかし、今週末に限って相当数の空きがあり、なおかつ直前になるにつれて空室が増え、今朝の時点で9室でした。さらに粘れば投げ売りが始まりはしないかと期待するも、土曜の京都で七千円なら十分納得できる料金ではあります。わずかな宿代を惜しんで活動に集中できなくなるのを嫌い、正午を回った時点で押さえるという結果でした。

引き続き空には雲一つありません。今から出れば、鴨川の河原で日が沈むのを見届けられるでしょう。空の青さからして夕焼けにも期待してよさそうです。
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梅雨空の京都を行く 続編 - 京阪電車

2018-06-16 17:53:10 | 近畿
石山からは京阪電車に乗り継ぎました。大津ではなく石山で下りたのは、そうすることで運賃が一区間安くなるからに他なりません。そしてこれは、もう先に進まず払い戻しを受けることを前提にした選択でもあります。結論だけ申しますと、予想外の好天につき和歌山をまたも見送り、明日はレンタカーで活動する方針を固めました。これにより明日大津に戻ってくることになったため、今日のところは素通りして京都へ向かいます。

★京阪石山1727/1765レ/1739びわ湖浜大津1745/C1705→271レ/1810京都市役所前
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梅雨空の京都を行く 続編 - 新快速

2018-06-16 16:15:53 | 近畿
六時間近くにわたった滞在はこれにて終了。新快速で京都方面へ下ります。乗車したのは当駅始発の播州赤穂行、四つの路線に跨がり237kmもの道のりを行く長距離走者です。

★長浜1557/3296M/1645石山
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梅雨空の京都を行く 続編 - 豊公園

2018-06-16 15:41:14 | 近畿
すぐに駅へ向かえば始発の新快速にも間に合うところ、あえて見送り豊公園にやってきました。今更急いだところで時間的には中途半端にならざるを得ません。ならば琵琶湖を見ていこうと思い立った次第です。
着いたときから一貫して、清々しい風が湖面を吹き渡ってきます。気温はそこそこあるのでしょう。しかし湿度が低いこともあり、ほとんど汗をかきません。雲一つない青空を含め、およそ梅雨時とは思えない快晴です。唯一惜しむらくは、地形が平坦なのに加えて高さがないため、眺める分にはよいものの、写真に撮ると全く絵にならないことでしょうか。風のおかげで波があり、西を向くと日差しが強く反射するため、その湖面を広めに入れて撮るのが唯一の選択肢です。
高さがあれば眺めは全く違ってくるため、先週行き損なった八幡山のロープウェイ、あるいは坂本のケーブルカーにでも乗れれば最高だったのですが、あいにく時間が足りなくなってしまい、それが長浜にとどまった理由でもあります。とはいえ、撮る目的なしに眺める分には上々です。もうしばらく風に吹かれてから駅へ戻ります。
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梅雨空の京都を行く 続編 - 長浜鉄道スクエア

2018-06-16 14:36:28 | 近畿
四時間近い滞在を経て切り上げました。現存するものとしては国内最古の初代長浜駅舎と、北陸線電化記念館、長浜鉄道文化館を総称して長浜鉄道スクエアと呼ぶところは、正月に訪ねた西条の四国鉄道文化館を彷彿させるものがありました。ついでにいえば、吹き抜けの屋根を木組みが支える建物も同じです。
ただし、木材の質感と建築物としての造形美にかけてはあちらが断然勝っています。展示についてはおおむね互角ながら、何から何まで圧倒的な原鉄道模型博物館に比べれば、ごくささやかなものともいえます。それにもかかわらず延々滞在してしまったのは、往生際の悪い性分故に、端折って見学することができないからです。清々しい晴天にもかかわらず、屋内の施設に半日注ぎ込む結果となり、果たしてこれでよかったのだろうかという一抹の疑問は残りました。
もっとも、どのような施設にもここにしかない見所があるものです。主役の長浜駅舎はもちろんとして、それ以外に特筆すべきは土瓶と茶瓶の展示でした。茶瓶といえば、自身記憶にあるのは樹脂製の容器だけですが、それが普及するまで一般的だったという陶器の瓶が、年代別に展示されているのです。仮に今思い立っても集められるような代物ではなく、おそらくどこかの収集家から寄贈されたのでしょう。当時はがらくた当然だったであろうお茶の容器が、今となっては唯一無二の貴重な展示となったわけであり、慧眼には思わず脱帽させられました。

もう一つの見所といえるのが前庭に並んだ扁額です。北陸本線といえば、大規模な線路の付け替えが度々繰り返された線区です。それによりお役御免となったトンネルの坑口に掲げられていた扁額が、こちらで余生を送っています。明治の偉人達による「萬世永頼」「永世無窮」などの揮毫には、鉄道の建設が一大国家事業であったことが偲ばれます。
鉄道史上に残る大改修を繰り返しつつも、北陸本線は我が国の大動脈であり続けてきました。しかし三年前、新幹線の開業により金沢以東は放棄され、その現状たるや無惨というほかありません。数年後に新幹線が延長されれば、天下の北陸本線は米原から敦賀までの50km足らずを結ぶに過ぎない、本線とは名ばかりのローカル線に転落するわけです。壮大な理想を掲げて鉄道を建設した先人達が、この現実を草葉の陰でどう思っているかが気になりました。
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梅雨空の京都を行く 続編 - 快晴

2018-06-16 10:31:37 | 近畿
「しらさぎ」に乗ること自体が目的だったと申しましたが、それ以外にもう一つの理由がありました。長浜に寄るつもりだったのです。昨秋行き損なった長浜鉄道スクエアを訪ねた後、「住茂登」か「能登」で昼から一杯やろうという算段でした。しかしその皮算用が狂ってきました。
六月の中旬という時期からしても、先週末の経験からしても、仮に晴れたところで蒸し暑かろうと思っていました。屋内の施設を選んだのも、昼から一杯やろうとしていたのもそのためです。しかし列車を降りるやいなや、琵琶湖の方から吹いてくる清々しい風に意表を突かれました。上空も紺碧の青空です。最新の予報によると、この好天は明日も続くことになっています。梅雨空の表題とは裏腹の快晴ですが、もちろん歓迎すべきことには違いありません。
これでは昼から酒など食らっている場合ではありません。とりあえず長浜鉄道スクエアだけは行くとしても、昼は手早く済ませた方がよさそうです。
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梅雨空の京都を行く 続編 - しらさぎ3号

2018-06-16 09:37:18 | 東海
名古屋からは「しらさぎ」で米原方面へ下ります。実は、米原へ行くなら「ひかり」にそのまま乗ればよく、そうすれば一時間も早く着くところでした。料金についてもわずかとはいえ割安です。しかるにわざわざ乗り継いだのは、乗ること自体が目的だからに他なりません。
数年後に新幹線が延長されても、敦賀までの足として、この列車が細々と生き永らえる余地はあるかもしれません。しかし、名古屋から北陸へ列車で直通する手段は事実上失われます。それに乗じて高速バスが攻勢をかければ、房総特急のように風前の灯となる可能性も十分にあるでしょう。それだけに、乗れるうちにできるだけ乗っておきたかったというのが真相です。

★名古屋850/しらさぎ3(3M)/1002長浜
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梅雨空の京都を行く 続編 - かきつばた

2018-06-16 08:44:42 | B級グルメ
名古屋で一旦下り、きしめんをいただくという流れは先週末と同様です。しかし、全く同じことの繰り返しでは面白くありません。かねがね気になっていたのは、ホームの上り方にある「住よし」に対して、下り方にある店舗がいかなるものかということです。一度試してみるには今回がよい機会でしょう。東海道線上りホームの「かきつばた」に飛び込みました。
下りのホームにも同じく二軒の店があり、もう一方の店舗は「憩」を名乗っています。ただし、揚げたての天ぷらを売り物にしているのは「住よし」と同様で、同じ業者による店なのだろうとおよそ察しがつきました。それに対して、こちらの店の行灯には「おでん」の文字があります。その触れ込み通り、カウンターではおでん舟が湯気を立てていて、すぐそばに電気式の酒燗器が鎮座していました。
きしめんだけでなくおでん、奴、どて焼に唐揚げなど簡単な肴もあって、一杯やるにはお誂え向きの品書きです。知名度ではあちらに及ばないことから、差別化を図った結果こうなったのでしょうか。食券制を採らず、お冷やを紙コップでなくグラスで提供するところにも、「住よし」へのさりげない対抗意識が感じられます。真相はさておき、左隣では常連らしき三人組の先客が朝から一杯引っかけており、こちらはこちらで根強い人気があるようです。天ぷらは作り置きと見え、きしめんの味については「住よし」が上ということになりそうですが、雰囲気に関していえばこちらの方が優っていました。

かきつばた
名古屋駅1-2番線下り方
700AM-2100PM
きつねきしめん380円
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梅雨空の京都を行く 続編 - ひかり501号

2018-06-16 06:37:14 | 関東
本日は少し遅めの出発です。始発の「ひかり」で旅立ちます。
西への旅はこれで三週連続ですが、どういうわけか週を追うほど列車が混んできています。例によって始発の一本後に出る「のぞみ」に合わせて乗り込んだところ、二列席の窓側は早々と埋まり、三列席ならどうにかという状況でした。どうということのない混みようとはいえ、品川と新横浜でも乗客を拾うことを考えると、余裕綽々というわけでもありません。後続の「のぞみ」に回っても五十歩百歩でしょう。先を急いでいないこともあり、空いた「ひかり」で行くことにした次第です。

★東京626/ひかり501(501A)/818名古屋
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