日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

無理な新橋かけないわ - 身知らず

2018-06-05 21:27:59 | 居酒屋
毎週火曜の酒場めぐりが定着してきました。四週目にもなると要領がつかめてきます。お昼を軽めにとどめて腹具合も万全、満を持して訪ねるのは「身知らず」です。

一年を大きく超えて無沙汰しているところはなくなったと先週申しましたが、実は昨年この店に一度も立ち寄ることができませんでした。正確には、複数名で訪ねたことが一度あり、それを入れれば一年弱の無沙汰ですが、一人で訪ねるのは実に一年半ぶりです。それほど長く遠ざかってしまったのは、早い話なかなか入れなかったという事情によります。何度か訪ねてみたものの、ことごとく混み合っていて敬遠し、機会を逃したまま今日に至りました。そのような経緯もあり、返り討ちも覚悟の上で店へ向かうと、意外にもテーブルに先客が一組残っているに過ぎず、いともあっさり入店という結果です。
そのようなわけで、相変わらず順調そうではありますが、親方の呂律がますます回らなくなっているのが気になります。お客が早めに帰ったため、一杯やって上機嫌なのかと最初は思いました。しかし、大分前から禁酒していたことを考えると、酩酊するほど酔ったわけでもなさそうです。額に脂汗が滲んでいたり、かなり疲れた様子が窺われることからしても、具合がよろしくないのは明らかでした。それと関係あるのかどうかは不明ながら、明日からの三日間は臨時休業するとのことです。少しでも骨を休めてくれればよいのですが。身知らず柿が実る頃、再びお目にかかれることを願っています。

今週末に誕生日を迎え、四十代の後半に突入することについては昨日も申しました。前半を締めくくるにあたり、どこへ行くかと考えたとき、浮かんできたのがここでした。この店と出会ったのは14年前、四十代前半で脱サラした親方が店を構えて二、三年目の頃です。つまり、出会った頃の親方とほぼ同年代になるわけであり、そう思うと感慨深いものがあります。
それとともに感慨深いのは、店内に掲げられた福島民報の号外です。今年の新酒鑑評会で、福島から全国最多の19場が金賞を獲ったと報じるものでした。もちろんその大半は会津の蔵です。この店と出会った当時、都内で会津中将を扱う店がいくつあったかを考えると隔世の感があります。さりげなく貼り出された号外に、草分けとしての矜恃が現れているようでした。

身知らず
東京都港区新橋4-11-6 植木ビル1F
03-5473-9540
1700PM-2300PM
土日祝日定休

会津中将二合
お通し(浅漬け)
会津馬刺しもも
くじら汁
コメント