おはようございます。17時間弱の航海を終えて小樽に着きました。下船後小樽駅に直行して記念撮影し、只今旭展望台から市街を眺めているところです。
一昨年訪ねたときは快晴が仇になり、ただ眩しいだけの眺めでしたが、今日は雲が適度に日差しを遮ってくれます。気温は13度で無風、薄手の雨合羽を羽織ってちょうどよく感じる気候です。しかし、小樽でこれなら、道東、道北は相当冷えるでしょう。道内では寒さに震える夜が続くかもしれません。
それにしても、昨夜は終始落ち着きませんでした。大袈裟に言うなら、お盆の園家山キャンプ場、末期の北斗星のようとでも申しましょうか。唯一にして最大の欠陥は、とにかく船内の居場所がなさすぎるという点に尽きます。テントか個室に籠もって一歩も外に出ないならともかく、サイト、あるいはロビーカーで晩酌できるような状況ではないということです。見方を変えれば、個室が快適になり所要時間も短縮されたという点で、トラックドライバーには歓迎されているのかもしれません。しかし、旅の交通手段として考えた場合、価値は数段貶められたというのが実感です。
車を北海道へ渡すとき、往路の交通手段として最も多く世話になってきたのは小樽航路ですが、これは実を取るならこの航路が一番だったからに他なりません。太平洋フェリーに比べて華やかさには欠けるものの、早朝に出発して新潟へ乗り込み、日本海の風に日がな一日吹かれて、沈む夕日を眺めつつ晩酌し、早々に休んで翌朝夜明けとともに走り出すという起承転結には、夜行を基本とする他の航路にはない唯一無二の旅情があります。しかるに、船が変わっただけでこうも変わるものかと驚かされました。
順当に行けば復路は平日となり、今日よりも多少はましになってくると予想されます。夕方に出て翌朝に着くという使いやすい時間帯に変わったこと、いずれ金沢まで行くことを考えても、帰りも新日本海フェリーにするのが自然な成り行きではあります。しかし、往路があまりにひどかっただけに、たとえば太平洋フェリーで仙台へ行き、そこから会津を通って行くのも一案かと考えているところです。行きと同様、直前まで状況を見極めてから判断します。