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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

歩き始めた日々

2009-10-18 21:38:42 | 日々随想
国道1号線を西へ
権太坂を過ぎて 今日の仕事場へ
その道中 ふと 9年前の夏が甦った


2000年の8月15日 55回目の終戦記念日
僕は始発の電車で 日本橋へ向かった
そして14日後の28日 僕は京都へ辿りついた


東海道を歩いてみたいと思ったのは
箱根の峠を 自分の足だけで 越えてみたかったから
そして いっそ 京都まで歩けるなら 行ってみたい


19世紀末 浜松から 山葉寅楠なる人物が
自作の 初めてのオルガンを担いで 箱根の峠を超え
東京に辿りつき 音楽の先生に見てもらった


全く 使い物にならなかった


そして 寅楠は 再びオルガンを担いで 箱根を超え
ようやく認められ そして オルガン製作を開始する
それが かのヤマハの出発点


今や世界のヤマハ 
極東の日本で これだけ音楽やピアノが普及しているのは
彼の情熱があったから


僕は それを 逆ルートで追体験したかった
彼がいなかったら 僕は こんな極東で
調律師なんて やれなかったのだから


ふうん


8月の灼熱の太陽の下 毎日30キロ以上歩いた
足が故障して ひきずりながら 歩いた
何の価値もなく 何の意味もなく ただ歩くために歩いた


あの時 たくさんのモノを失った
得たものといえば 諦めることは いつでも出来る
だから あと1日だけ頑張ろうと ささやかな目標の継続
たったそれだけのこと


日本橋を出発して 最初の夜が 戸塚だった
夕立に遭い ズブ濡れになって 駅近くのホテルに泊まった


諦めることは いつでも出来る
だから 明日だけでも もう一日だけ頑張ろう
いつだって たった一歩の連続でしかないのだから