Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

愛犬のいのち

2016-02-12 22:41:12 | Weblog

 朝から冷たい霧雨が降っている。こんな寒い日に、我家の愛犬モモは、玄関前のテラスに毛布にくるまり、微かに息をしている。その息も口に手を近づけて見ないとわからないほど静かな呼吸になっている。モモは雌の甲斐犬で14歳9ヶ月になる。甲斐犬は気性が荒い犬と云われていたが、この犬は違って優しく誰からも可愛がられた犬であった。私は15年近い歳月、この犬に癒されたし、愛情を持って接してきた。しかし、今から丁度1年ほど前であったが、毎朝の日課であった散歩に行くと、歩く速度が遅くなったのを感じだ。また機敏な表情も鈍くなっていった。それでも家を出かけるときは全身で喜びをあらわしリードを引張っていった。

 その愛犬も、昨年12月頃から、朝夕の散歩は、私が急かしても気の向かない時はいかなくなった。行っても距離は我家の周りを一周する程度となっていった。その後は、段々散歩に行かなくなり庭を自由に行動できるように綱を外した。そんな状態であったが、食欲はあり呼べば尻尾を振って喜んできた。しかし老衰は少しずつ進んでいて、目や耳も遠くなっていった。そんな折ネットで鹿肉が、よいことが載っていたので、その肉を注文して与えたりもした。それにより一時的とは思われたが、元気になったような気がした。1月中旬になると、庭先を万遍なくぐるぐると回るようになった。人間でいう徘徊に似た行為だ。

 その後は目が見えにくいのか、時々構造物に当ったり、与えていた飲み水のボールをひっくり返したりもした。食欲は、以前より少なくなったものの、ゆっくりと食べると、ほゞ完食に近い食べ方をした。そんな状態が続いた2月9日頃であったか、夜中の2時ごろ、庭で赤子が泣くような声がした。それは5~6回泣き、声も大きくなった。急いで起きて庭に出ると竹やぶと塀の間に入って泣いていた。直ぐ玄関の土間に毛布を敷いてそこに寝かした。朝起きると玄関ドア-の隅で、ガラス越しに外を見ていた。出すとおぼつかない足取りで庭に出て行った。そして竹やぶや潅木の中に入って誰かを呼ぶように泣いた。一日4~5回あり10日、11日も同じように続いた。

 11日の夕方、娘がやってきた。妻が伝えたものであったが、状況から愛犬の見納めになると思ったからなのか。12日になり、排便させようと、庭に出すと、物置の隅などに頭を突っ込んで動かなくなっていた。動物の習性なのか死を予感すると、目立たない木々の中とか、建物の影とかに入り、そこを死に場所と考えているらしい。そのような習性を出るようになった。夕方になって玄関内に入れ毛布に包まれ横になっている。それは死期が近づいていることを予感させられた。今日犬用の紙パンツを買ってきて履かせてあるが、出来るだけ生き続けてほしいと願う。