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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「あおげば尊し」

2006-04-20 21:43:44 | 映画
重松清の原作が好きだった。

冒頭から
『ああ、市川準の映画ってこうだったっけ』な雰囲気。
「トニー滝谷」の時は登場人物が少なかったので、
必然のようだった静謐さは、
今まで観てきた市川作品の特徴だった。

教師だった父を家庭で見取ることにした光一は、
自分も小学校の教師をしている。
末期癌の父親に家族ができることは、
もうなかった。

ある日クラスの少年が授業中に
インターネット死体写真を見ていた。
興味本位で集まる子供たちを叱り、
少年に
「見てはいけない」と諭すと
「どうして死体を見ちゃいけないの?」
と言われ、明確に答えられない光一。

そうして、
死に興味を示す子供たちに
課外授業として父親の姿を見せることにするが、
それがいいことなのかどうか、
実際は解らないままだ。
横たわるだけの父の元に
唯一通い続ける少年は、何を思っているのか?

厳しい教師だった父には、
見舞いに来る教え子もいない。
しかし、彼には確固たる信念があった。
そういう時代でもあったのだ。

父親の命の火が
少しずつ薄れていくのを見つめながら、
”死”ということ、
教師としての父親の人生、の
解らなさに向き合う光一。

とにかく、じわじわと泣けてしまった。

父親役は誰だろうと思っていたら、
遺影で加藤武だと解った。
ほとんどのシーンが横たわったまま、
セリフも少ないのに、
最後まで威厳を失わない父親を見事に演じている。

テリー伊藤が思いのほか好演。
薬師丸ひろ子も、
芯の強そうな妻として、自然だったし、
夫を看取る母親も、
言葉少なく祖父を思いやる孫も、
ドラマティックとは対極の演技。
学校の子供たちのリアルさは
「ノーライフ・キング」に通じるものがある。

静かに時が流れていくのだが、
何気ない場面で涙が溢れる。
そして、
ラストにまた涙。

あおげは尊し
最後に歌ったのはいつだっただろう?

玉姫さま乱心

2006-04-19 22:29:18 | Weblog
というわけで、体調不良なり。
カラオケでたまに歌いますが、
やはり戸川純ってスゴイ。
”となりのインド人”はサビしか解らないけど。
椎名林檎が出てきた時に
「これって戸川純だよね」
と言っていた同年代多し。
女の情念。

ゲルニカが好きだった男の子は、
さて、今、何をしているやら。

♪髪を切った私に~ 

2006-04-18 20:39:34 | Weblog
髪を切ってから3週間ほど。
久々にショートらしいショートに。
実はこれが結構寝癖とかついちゃうのさね。
面倒だったりする。
そして、
昨日髪を洗いタオルドライした後、
ドライヤーをかけようと鏡を見たら、
てっぺんに毛のある(ここ大事)
アラーキーもしくは南部虎太!
のように
両サイドがはね上がってて大笑い。
ちゃんと直しましたけど、
うーん、我ながら笑えた~。

春だというのに

2006-04-17 22:38:46 | Weblog
一向に暖かくなりませんなぁ。
なのに、
春だからか、
おつむのネジが緩んだり、
(これはワタシ)
体調不良だったり、
そういう話が聞こえてきます。

ガラス越しのお日様に騙されて
身軽な格好で外に出るのは危険な気温。
でも、もう中旬もすぎたんだけどなぁ。
誰か”春を呼ぶ踊り”でも踊って下さーい!

なんくるなく、ない よしもとばなな

2006-04-16 20:48:35 | BOOK
最初は「なんくるない」が文庫化されると思ったんだよね。
でも、HPの表紙写真が違う雰囲気で、
本屋で見かけたときは
ムック「本日の、吉本ばなな」の文庫化?
と思った。
そして、手に取って見ると
「なんくるなく、ない」おお、違っているじゃん。
沖縄旅行記みたいなもので、
雑誌に掲載されたものやHPの日記の再編集でした。
初めて読む文章は少なかったのに、
買ってしまったよ。
読んでしまったよ。
沖縄って、
北国から見るとまるで異国だなぁ、何もかもが。
行ってみたいな~。
と夢ばかりが膨らむのでありました。

そうそう、
以前にりんけんバンドのLIVEに行ったとき
うちなーぐちの歌詞の訳が
舞台の横に出ていたのよ。
で、カチャーシーを客席皆でやったんだけど、
あの映像で見る沖縄の人々の柔らかい手の動きは、
道産子にはなかなか出来なくて、
やはり”ソーラン節”の地でござるなあ、
と思ったんだよ。

わんこメトロに乗る

2006-04-15 22:21:54 | Weblog
ニュースでやっていました。
地下鉄に乗り込んで走り回って、
止めちゃったそーです。
今まで
乗り込んだ犬猫はいるけれど、
走り回ったのは初めてだそうです。
取り押さえた時には
(おおげさだが、そう放送されていた)
口の横から血が出ていたとか。
ゴールデンでしたが首輪はありませんでした。
ニュース画面で人懐こそうに、しっぽをパタパタしてました。
一体彼に(オス?)何が起こったのでしょう?
飼い主はまだあらわれていないようです。
まさか野良ではあるまいに。

交通局は「見回りを強化します」とコメント出してましたが、
わんこを地下鉄駅で見かけるなんて、めったにないですけど。
(ここ20数年で2回ほどありますが)
誰かを咬んだりすると、大事になるからですか?
なんか違う気がするのは、気のせいかなぁ。

懐かしさすら感じない再会の友

2006-04-15 19:57:06 | Weblog
九州から友達がやって来ました。
考えると会うのは十一年ぶり。
待ち合わせ場所で
『すぐに解るかなぁ』と待っていたら、
少し大柄になった彼女登場。
(まぁ、それはお互い様・笑)
気分はついこの間別れたように、
「どーも」
「久しぶり」
「で、何食べる?」
感動の再会てな雰囲気にはちっともならず。

お互いに予想したほどオバさん化してないねー、
と、
近況やら身内の話やら、彼女の子供の話やら。
ごく普通の世間話で時間は過ぎます。
懐かしトークはほとんどでなかったなぁ。

彼女は仕事をしているし、
PTAの役員もやっていて忙しく、
さらに
電話が居間にあるという今時じゃない条件で
年に数回しか電話でも話さないのですが、
本当にいつでも会っているような気分でした。

彼女は実家に用事があって来たので、
夕方の電車で去って行きましたが、
改札口で
「またね~」と手を振った時も
お互いごく普通の別れの気分で。
また、がいつになるやらさっぱり見当がつかないというのに。

2,3年振りでも
「久しぶり~!」
「元気だった~!」
とお互いハイテンションになる友人もいるので、
何が違うんだかさっぱり解りませんが、
彼女がきちんと日常を営んでいる健全さ、
そういうものも関係あるのかな~、
と、ぼんやり考えています。

色々な友人がいて、
それぞれに見えている私も少しずつ違うんでしょうが、
私の自慢は”いい友人がいること”
それを言い続けたいなぁ。

あわて床屋も川辺にまだいなかろう

2006-04-14 20:21:01 | Weblog
ぐらい寒い。
昨日最高気温二桁にのったのが数十年ぶりの遅さとか。
(はて、40年くらいだっけか)
今日も一桁で、風があったので寒かったです。

明日九州から来る友人から
「おみやげ何がいい?」とメール。
えー、名物は何だろう?何でも良いよ~。
とレスしたら電話がきました。
「話したほうが早そうだから」
そうだねー、と
話をしているうちに
「明太子は好き!」
「じゃあ、買って行くけど、どこのがおいしいのかな?」
「え、地元の人はどこで買うの?」
「スーパーとか」
「え?」
九州物産展で売っているようなでっかい高っかい明太子は、
見たことないって。
ああ、そうですね。
日々食べるたらこはスーパーで買うね。
奮発したってデパートかな。
木箱に入ったご贈答用なんて、カタログでしか見たことない。
「たらこをおみやげに欲しい」
なんて言われたら私も悩むわ。
名物と地元民の関係なんて、そんなもんよね。

六花亭とロイズのチョコと白い恋人は好きだけど。
(お菓子ばっかり~)

「雪に願うこと」

2006-04-13 22:42:47 | 映画
大人の映画でした。
それは、
人生につまづいたことのある人の心の奥底に、
働きかける力のある作品ということ。

故郷と家族を捨てて手に入れたはずの成功。
そこから転がり落ちて全てを失った弟は、
帯広でばんえい競馬の厩舎を営む兄の元に逃げ込んだ。
すぐにはしっくりといくはずもない兄弟の姿。
けれど、
東京で生きてきた考えた方が通用しない、
どっしりと地に足がついた厩舎での労働と生活を送るうちに
馬と人とのかかわりの中、
弟の心のなにかが溶けてゆく。

ばんばの馬はサラブレッドよりもはるかに大きく、
馬体は1トンを超える。
レースはその身体で重い鉄のソリを曳きながら、
障害を越えるという泥臭いもの。
そこに人生を映して見るのは、
大人にこそできることだろう。

馬にかかわる出演者全てが、
とても馬に馴染んでいたのが驚き。
特に騎手を務める吹石一恵が素晴らしい。

弟役の伊勢谷友介が、
いつの間に力をつけたのか
挫折したエリートが立ち直る様を
見事に演じている。

兄役の佐藤浩市、
実は苦手で本数は見てるけれど、
好きな作品は「魚影の群れ」だけだったが、
今作は文句なしの演技。

弟の幼馴染で同じ厩務員の加藤を演じた
山本浩司が印象深い。
まだ三作しか見ていないけれど、
タダモノじゃあない。

小泉今日子が
賄いのおばちゃんに見えるのが、
うれしいやら淋しいやら。
厩務員の個性的な面々や、
脇を固める実力派も豪華。

そして、
馬達の存在感ときたら。
競争中に身体から立ち上る湯気や、
障害の前で立ち止まる姿や、
必死に足を進めようとする姿に、
愛玩動物ではない生き物の力強さを思い知らされる。

さらに、
早朝のトレーニング時に明けてゆく空の美しさにも、
心魅かれた。

全国に先駆けて上映らしいですが、
とにかく、
沢山の大人に観てもらいたい作品。
日本映画の底力かも。

アナログな頭

2006-04-12 21:51:41 | Weblog
アナログな頭にデジタルの服を着て、
知ったかぶりで
ネットなんてやっちゃってるけど、
時間を見るときには
ふと横を向いて
アナログの文字盤の目覚ましに目をやる。
そのほうが、
『あと何分』とかすぐに解るんだもん。

アナログな頭にデジタルの服を着て、
知ったかぶりで
メールなんてやっちゃってるけど、
ちょっとエラーで
”送信できませんでした”メッセージがくると
バカみたいにあわてちゃうのさ。
てか、何で英文なんだよっ!
インフォシークで翻訳しちゃったじゃないか。

アナログな頭にデジタルの服を着て、
春の雨音をBGMにネットサーフィン。
でも、
知ったかぶりなんだなぁ。
うふふ。
一生アナログ頭でいいもーん。