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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「家族を想うとき」

2020-01-20 23:30:28 | 映画
2020.1.7

今年一本目。

そもそも
職歴からも要領が良くないことをみてとれるのこの父親は
どうやってこの仕事にたどり着いたのだろう?
個人事業主という聞こえの良さとは正反対のひとつ幾らの宅配ドライバー。
冷酷無比と呼ばれることに躊躇しないボス
殺気立った朝の職場
車を買うために売り払った妻の車
自分次第で稼げるという、蜘蛛の糸ひとすじ程の希望にしがみついたのだろうか。

仕事に使う足を失くした妻は
訪問介護先にバスで通うしかなく
移動の時間は賃金に換算されないうえ
訪問先の人々に淡々と接することが出来ず契約時間をオーバーし
子供と過ごす時間が無くなってしまう。

父親は
かつて手にしていた自分達の家を買うことができれば
元の家族に戻れると信じることで自分を支えているようだが
それがとてつもない枷になっている。

思春期の息子との諍いが増えたことも
賢い娘が無表情になってゆくのも
妻との口喧嘩が頻繁になったのも
取り戻したいものの為と新たに始めた仕事のせいだ。
逆恨みの暴力にさらされたのも。

制裁金を要求するボスの冷酷さと人を人と思わない無慈悲さを持たない者は
はいずりまわって生きてゆくしかないのか?

今ほど通販が普及していない昭和に
知り合いがお歳暮の配送を仕事にした時も条件がほぼ同じだが
携帯電話も電子機器も無い時代だったので
追い立てられ方が全く違うのだろう。

ケン・ローチは現実をそのまま見せるから
逃げ場が無くて辛いのだ。
自分もここに描かれる階層に属するから。

「i-新聞記者ドキュメント」

2019-12-19 22:56:05 | 映画
わー、久し振りに開いたぜこの画面。

わたわたする日々が尾を引いて
師走も終わり間近じゃーん!
とダッシュで久しぶりの映画館へ。

もっと緊張しながら観る内容かと構えてたら
望月さんがバイタリティだけじゃなく面白い人だし
森達也監督の
弱気に見えるが尋常じゃない粘りっぷりが
笑えました。

もちろん
権力の傲慢さをスクリーンサイズで観るツラさったら
スダレおやじの毛をむしりたくなること多々
官僚たちを蹴り飛ばしたくなっちゃうし
おまわりをこんなに大量に見たら吐くわ~
と感じた私は
報道とか絶対できないわ。
だから報道は仕事をちゃんとしてくれや。

留守番電話に脅迫メッセージいれてた声が
おじいちゃんぽくて
人生の終わり近くにこの無様さか、と
気の毒になった。

「台風家族」

2019-09-11 23:05:36 | 映画
2019.9.9

もう少しシリアス度が高いかとおもったら
笑える場面多くて面白かった。
とにかく小鉄はクズ過ぎなうえ小物感しかない
親戚に子悪党がいて迷惑がこんなとこまで?!という経験があるので
最後までしんみりとか一ミリもせず。
しかしストーリーのとんでもない展開にひきこまれまして
麗奈の彼氏のポンコツ具合がツボった!
PG12ってどこ?と観ていたら彼氏だったよね~、ぐふふ。

末っ子のこじらせ方がまたヒドい。
遺産争い全世界配信って何故にそこにたどり着いたのか。
ちょっとバカなとこかわいいんだけどさー
あれ?
兄妹4人ちょっとバカだった?

次男
新井君さぁ、いい役じゃん
重要過ぎてカットも取り直しもできないね、あれじゃ。
剛くんとの芝居の話聞きたかったよ、バカバカ。
性犯罪は
どんな人が起こしても腹立たしいのに・・・うーん
バカー!

銀行強盗をした父親の真実、
あるいは小鉄への父としての思い
そこで泣いてた人いましたが、ワタシは支店長に同意なので特には。
お母さんについてはシリアスには受け止めました。

あの場面で
そうめんをどっさり茹でてしまうよな奥さんだから
小鉄と一緒にいるんだろうが
娘にゃ迷惑度が高すぎるよ。
ピアノ習わせてくれてもさ。

笑わせたいのかしんみりさせたいのか解りずらい嵐の夜ですが
(あんな見つけ方)
おかあさんは海に行きたいと言ってたんだから
ハッピーエンドじゃん、と思いました。

「淵に立つ」

2019-08-25 23:14:41 | 映画
深田晃司監督と主演の筒井真理子さんのトーク付き上映会。

観に行きそこなっていた気になる作品だったので
おとついチラシを発見してダッシュ。
映サの主催なのかスタッフに若者多くて、
さらに相米慎二監督作品「台風クラブ」のTシャツ着てる男子いたりして
(あきらかに生まれてないよねキミ)
昔映画祭のスタッフやった時の事思い出したよ。

浅野忠信の
佇まいだけで心をざわざわさせる役って最高に怖い。

金属加工の工場を営む利雄
妻の章江の信仰だけではなく、彼女自身にも無関心だ。
娘の蛍はかわいいが
妻が教会に連れて行くことにも食事の前の祈りにも何も言わない。
金銭的に困っているわけでもないし
人生も家族もこんなもんだろうと、考えることを避けているようだ。

ある日工場に八坂が現れる。
利雄の知り合いで刑務所に入っていたらしいことが解る会話の後
どう話が転がったのか
妻への相談もなく八坂が住み込みで働くことになる。
これがひとつ目の利雄への違和感。

利雄の意図が読めない言葉や行動は
観ているこちらに深読みをさせるのだが
章江までが八坂との距離感を踏み外して行き
悪いことが起きる予感がどんどん膨らんでゆく。

ひとつの不誠実が不幸を呼び込み
娘の蛍をも巻き込み
原因と結果の連鎖で身動きの取れなくなる利雄と章江。
生きてゆくことの理不尽が他人事なのに痛くなるほど目の前で展開する。

なんであんなことになっちゃったの?
考えても考えても誰の心情にも寄り添えなくて混乱したが
いい映画なんだよなぁ。

媒体でみて、気難しいのかと勝手に思っていた監督は骨まで映画好きのお喋りさんで
筒井真理子さんも実は映画オタという話が聞けて楽しかった。
「よこがお」も近々観に行きましょう。

「ダンスウィズミー」

2019-08-18 23:51:42 | 映画
2019.8.17

矢口史靖の作品でただのミュージカルなわけがないっ。

予告でダンスシーン見せすぎじゃない?
なんて感じたのも頭のほうだけ。

一流企業のOLでタワーマンションに住んでいて
あとは玉の輿だけ
そんな風に見える静香だが
シャネルなど一流ブランドのショッパーが手つかずでいくつもある部屋。
おや?小さな違和感

同窓会に出かけた姉の娘を連れて
しょぼい遊園地に遊びに行ったことで一大事が起きる。
三流催眠術師に”音楽が聴こえたら歌って踊る”催眠をかけられて、
会社の会議で踊りだしてしまう。

ここまでが予告などで知っていたストーリーなのだが
矢口監督の作品だもの
ヒロインは喜劇のような悲劇
時にはブラックな喜劇に巻き込まれてジェットコースターのよう。
笑ったわー
そしてロードムービーだったとは全く知りませんでした。
道中がこれまた一難去ってまた一難
しかし笑える展開で
最後の静香の選択まで含め
ハッピーな気分になりました。
だから好きなのさ、矢口監督作品。

皆さんのダンスシーンが素晴らしいです。
フラッシュモブをうさんくさいと感じる私も楽しさ炸裂。

レストランのシャンデリアを壊すと桁違いの賠償金で身上つぶすので
十分に注意しないと(まずそんなことない)
札幌市民会館はあんなんじやないので
ロケは函館どまりですね。

「凪待ち」二回目~舞台挨拶ライブビューイングつき

2019-07-06 23:20:18 | 映画
席取りに手間取ったので前の方で観る羽目になり
観づらかった。

やっぱり郁男には優しさより弱さを感じる。
そのほんの少しの優しさ
そんなもの無いほうが乱暴に自堕落に好き勝手に生きて行けるのに
郁男や周りはそれに振り回される。

ファンではない人の感想で
香取慎吾の身体の大きさが異形であるゆえの効果
みたいなことが語られていて
今日そこに注目してみたら
確かに大男の暴れる様というのは怖さがひと段階あがる。
大きさには慣れてしまってたスマファン。

不吉に傾く画面の意味には気がついていたが
鏡を意図的に使った画面にも今日気がついた。

郁男たちの将来が明るいとはいい難いし
貧乏くじを引き当てる才能?が消えうせるとは思わないが
美波を育てながら自分をも育てていけるかもしれないという風に考えれば
郁男も幸せをつかむ能力がつくかもしれない。

エンドロールがやっぱり泣けた。

「凪待ち」

2019-06-30 18:00:07 | 映画
2019.6.28

郁男が優しいなんて思わない。弱いんだ。
ぎゅうぎゅうと押さえつけられて育ったのだろう。
力か言葉か人間関係か、もしくはそれら全てに。
だから、うつむいて何かが通り過ぎるのを待つようになり
うつむいたが為に心の中に澱む思いが突然暴力として噴き出す。
そんな男になった。

美波と郁男の気が合うのは、郁男の中の子供が顔をだすから。
亜弓が母親の目線で心配していた時
郁男は
血が繋がってないから心配しなかったわけではなく
子供の気持ちで考えただけ。
それが事件に繋がったのは誰のせいでもない。

学生の頃の亜弓は
明るくて可愛くて地域の人気者だったことが分かるエピソードがある。
光りを放つ人は影をも引き付けてしまう。
それが悲劇の種として深く埋め込まれていたことは
犯人ですら気がついていなかった。
その種が発芽するきっかけが郁男を伴っての帰郷だ。
父親の病気、娘の不登校、郁男のギャンブルと失業
それらを良い方向に転換できるかもしれないと
出て行くしかなかった故郷に亜弓は戻ったのに。
少しでも幸せな方向に進みたかっただけなのに。

職場の同僚がノミ屋に引きずり込んだわけじゃない。
競輪の話にアドバイスをしたのは郁男だ。
依存症と手を切ることの難しさ。
競輪仲間は「石巻には競輪場ないじゃないか」と言い
確かにその通りだったのに。
職場の同僚が会社の金に手を付けるほどはまってしまったことに
無関係だとも言えない。
依存症を悪化させるのは家族の優しさだ。
お金を差し出し、借金のしりぬぐいをすることは
その場しのぎですらなく状況を悪化させる。

ただ
亜弓の父が船を売った金を渡したのは
そんなことをも見透かしたうえでのことだろう。
地元のヤクザにすら仁義をきらせるほど荒れていた若い頃があったなら
堕ちていく奴はさんざん見て来たはずだから。
美波がなついているにはそれだけの心の繋がりがあり
郁男の中にも光があることを知ったから。

波にのまれた亜弓の母
形を変えた沿岸
転校先でいじめられた美波
借金を返すための除染作業
東北は今も傷だらけで人はそこに生きている。
その場所で
霧に包まれた中うっすらと見える灯台の光のようなかすかな希望を
郁男と美波は生きてゆくのだろう。

海に沈めた一枚の紙と
エンドロールの海の中の景色に泣けました。

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

2019-06-29 23:34:56 | 映画
2019.6.28

IMAXって、出来た時にストーンズの何かを観た以来かなー。
3Dはディズニーランド以来というわけで
映画は初だと思われる。
眼鏡ONメガネはちと煩わしいが、まあ。

人は飛び出さなくてもいいのに
キングギドラ出てきて、おおっ3D!
ただのギドラなんだっけ?キングギドラじゃないの。
やっぱりマッドサイエンティストになっちゃうんだねー、あなたですか。
チャン・ツィイーも出てるのか知らなかった。
♪モスラーやモスラー
曲もモスラでした、スゴイ。
噂通り監督が怪獣オタクなのね、素晴らしい。
ラドンか、そうきたか。

前回のゴジラは足が長すぎだ、こりゃ恐竜だ
そう思って観に行かなかったんですが造形は変わってないのかな。
「シン・ゴジラ」挟んだから違和感なくなったのか?

4DXで観た人が「水、とにかく水」と言ってた意味も解りましたよ。
怪獣映画が観たかったので
ゴジラが最後に勝ったので、楽しかったです。
メインの他の怪獣の一体が六本木ヒルズにあるヤツに似ていたが
雑だったが
いいの。
ゴジラがカッコ良かったから。

「海獣の子供」

2019-06-27 23:47:32 | 映画
2019.6.25

幼い頃の水族館での楽しそうな琉花
それが中学の部活で仕返しとして粗暴な行為を行う琉花になるまで
どんなことがあったのかは
描かれていない。
私はこのコ好きになれないな、と思ったが
想像で補う部分が多くて頭がフル回転していた。

父親の職場。水族館を尋ねて出会った少年ウミ
ジュゴンに育てられた子供って?
現実から浮遊していることを当たり前として話は続く。
ソラは意地悪すぎ。

地球の生き物は海から生まれたが
生命の元は宇宙からやってきて
人間の中にも宇宙が息づいている。

観念的な感想としてはそうなんだけれど
「光るのは見つけて欲しいからだよ」
このセリフと
あらゆる海の生き物の描かれ方が美しくて心に残った作品。

エンディングは最後の最後まで立たないで、
ネットでみかけたことを気に留めていて良かった。
あの赤ん坊はウミなのかもしれない。


「勝手にふるえてろ」

2019-06-03 23:36:16 | 映画
2019.6.1

閉館上映にて

ヨシカやっべー!
どこが妄想でどこが現実なのさ?
もしかして全部?
女子社員が皆で昼寝する会社とか本当にあったら嫌すぎ。
隣の人干し野菜作ってるとかヘンな人、
って片桐はいりかよ!
イチってそんなにカッコいいか?

観ている自分の頭の中も高速トーク

そう、
ただのイタイ女と突き放せないのは
微量だけれどヨシカ要素があるせいなんだよなー、ひゃひゃひゃ。

イチに会いたいそれだけで
成りすましで同窓会ひらくエネルギーの凄さを別なことに使えないのか?
使えたらイチに固執してないか、そうか。
それにしてもヨシカやべーって。

松岡茉優もちろんいいけど
監督凄くないですか。


スガイよ、しばしのサヨナラだ。