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moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

アイルランド日和

2005-09-07 23:02:33 | コラム、というか
汽車にのって 汽車にのって アイルランドのような田舎へゆこう ひとびとが 祭りの日がさを 日がさを くるくる回し 日が照りながら 雨の降る アイルランドのような 田舎へゆこう ~丸山薫

なぜか知らねど、きょうはアイルランド日和なのだった。

ウィスキーの話からだったろうか、あるお客さまと「アイルランド」について話した。とはいえ、ふたりともアイルランドへは行ったことがないので、内容はかなり怪しい。入れ違いでやってきた、ときどきいらっしゃる、けれどもふだんはあまり言葉をかわしたことのないお客さまが、こう唐突に語りはじめる。「このあいだ10日間ばかり夏休みをとって、アイルランドへ行ってきたんですよ」。そしてひとしきり、アイルランドの印象をめぐる話がつづく。ひと、風景、ことば、気候、そしてたべもの・・・こちらはだいぶ信用がおける。

きわめつけは、とてもひさしぶりにcafe cactusのおふたりが顔を出してくださったことだ。以前、渋谷で「日曜カフェ」をされていたおふたりは、現在フルタイムのカフェを開店すべく準備中。その新しいカフェでは、去年旅して印象深かったアイルランドのメニューも食べれるかも・・・と、いつだったかそんな楽しげなプランを耳にしたような・・・。はたして真相やいかに?(というよりは、うっかり真相を聞き忘れてしまっただけ・・・失敗。)

そんなこんなで、きょうはまだ見ぬアイルランドに思いをはせてしまう、おかしくてふしぎな一日だった。

一夜明けて

2005-09-05 19:36:27 | コラム、というか
うべの「集中豪雨」から一夜が明けました。やはり気がかりだったのでお店の様子をのぞいてきましたが、おかげさまでなんとか無事だったようです。

テレビや新聞でごらんになった方も多いことと思いますが、今回の猛烈な雨で「善福寺川」が氾濫しかなりの被害が出ています。ぼくの住む家は、今回もっとも大きなダメージをうけたエリアから歩いて10分弱ほどのところに位置しています。おなじ町内で停電になった家々もあったようですが、幸いなことにぼくのところはこれといったトラブルもなく無事でした。

ところで、けさ、もっとも被害の大きかった善福寺川周辺の様子をみてきましたが、すでに川の水位はふだんとあまり変わらない程度にまで戻っていました。けれども、町全体にはドブ臭さと消毒液の匂いとが漂い、パトカーや消防、ガスや電力会社、それにマスコミなどの車輌がひしめく町並みは、いつもの閑静な住宅街の景色とはまったくちがったものになっていました。浸水した住宅やオフィス、工場ではみな後始末に大わらわといった状況で、被害の大きさを物語っています。

実際この目で現場をみて感じたことがいくつかあります。ひとつは、おなじ川のちかくでも土地のちょっとした高低差で明暗を分けているということ。ふだん歩いていてもあまり気にならないような土地の起伏が、こういった場合には大きく影響するようです。川のちかくにお住まいの方、これから住もうという方は、そんなことを頭の片隅に置いておいたほうがよいでしょう。いざというとき、どちらへ逃げたら安全かが事前にわかると思います。

もうひとつは、道路と玄関との段差がすくない家、ガレージや住居が半地下になっている家のダメージがことさら大きいということです。もともと、今回氾濫した善福寺川、妙正寺川、それに神田川といえば、かつては大雨のたびに氾濫することで知られた川でした。そのため、古くからある家は玄関の位置が高くなっていたりするのですが、都による洪水対策の調節池の整備が進み氾濫することもすっかりなくなったため、記憶の風化とでもいうのでしょうか、比較的あたらしい家やアパートではそういった対策を講じていない住宅が目立ちます。そして、今回こうした住宅の多くが壊滅的な被害をうけています。あらかじめ、住民はもちろん、行政や工務店、建築家、住宅販売業者などが、その「土地」にかんする知識や情報を共有することの必要性を感じました。

浸水した家の前には、家財品の数々が無造作に山積みされていました。ベッドや家電品など、ほんのさっきまでふつうに使われていた品々があっという間にゴミになってしまったのです。黙々とゴミを運び出す住民の姿に心が痛みます。今回これほどの、台風にも勝る「豪雨」に見舞われるなどといったい誰が予想したでしょう。天災とは、つくづく唐突に、なんの心構えもないところにやってくるものだということをあらためて思い知らされた気分です。

とにかくだいじなのは日ごろからの備え、これにつきます。


実況中

2005-09-04 22:26:17 | コラム、というか
を閉める一時間ほど前から降り始めた雨。片づけている間に降り止むどころか、逆にどんどん勢いをましていまや猛烈な雷雨・・・。とてもじゃないが、外には出られません。やむなく店で雨宿りしていますが、二時間ちかく経ったいまも雨脚が鈍る気配なし。おなか減った~。早く帰りたいよ~。今日中に帰れるのだろうか(泣)。

以上、ひまつぶしがてら「moi」から実況してみました・・・。

エクセレントなスパイス、らしいです。

2005-09-03 23:53:10 | コラム、というか
フィンランドのサイトにて、これはどうしたものかというシロモノを発見。



いわく、どんなお料理にもマッチするエクセレントなスパイス。ちょっと待ったァ!この不気味な黒い物体こそは、あのサ・ル・ミ・ア・ッ・キではないか!!!

子供のころよくみかけた、デコレーションケーキのうえにのっていた宇津救命丸のような銀色のつぶつぶよろしく、これをケーキやアイスクリームにトッピングして食えとでもいうのだろうか・・・。まあ、おみやげにはよさそうですね。ゲームで負けたらごはんにパラパラ、おかずにパラパラといった「罰ゲーム」的使い方はもちろん、イジメやいやがらせにも最適です。たぶんね。

かもめ食堂

2005-09-02 23:30:28 | コラム、というか
「邦画初オール・フィンランドロケ」が(局地的に?!)話題になっている映画『かもめ食堂』の公開が、来春に決定しました。

ヘルシンキで日本食堂を営む三人の女たちの姿を描いたこの作品、作家/エッセイストの群ようこがシナリオを担当し、小林聡美もたいまさこ片桐はいりというインパクト十分な(というか十分すぎる)三人の女優が競演するということでいまからたのしみです。メガホンをとるのは、『バーバー吉野』という不思議な映画で長編デビューした荻上直子。さらに、アキ・カウリスマキの『過去のない男』で主役をつとめたマルック・ペルトラが客役で登場するというのもたのしみですね。

ところで、タイトルの「かもめ食堂」をフィンランド語に直すと「Ravintola Lokki」になります。そこでさっそく検索してみると・・・やっぱり実在しました、「Ravintola Lokki」。サイトをみるかぎり、ラハティの海辺にたたずむなかなか気持ちよさそうなレストランです。もちろん日本人が経営しているわけでも、日本食レストランというわけでもありませんが。

映画の『かもめ食堂』のほうはフィンランドでの公開も予定しているとのことですので、チャンスがあれば「フィンランドの映画館でみる」というのも面白いのではないでしょうか。

たまたま目にはいる

2005-08-31 23:00:04 | コラム、というか
メリカ南部を襲った猛烈なハリケーン、「カトリーナ」。テレビでは、壊滅的な被害を受けた街の様子をニュースキャスターがリポートしていた。背後にみえるのはなにかのショールームだろうか。大きなガラス窓は完全に割れ、なかはあらゆるものが散乱しているようなありさまだ。

おっ?そのとき、目にはいったのはこんなもの。

イームズの「ラウンジ・チェアー」。映画監督ビリー・ワイルダーのためにデザインされた椅子だ。

うわぁ~、もったいない。

先日もちょっと触れた、1965年のある雑誌。あっ!料理のレシピを紹介するページで目にはいったのは、こんなもの。



目ざといひとはもうおわかり、ですよね?画像左手に写っている白いホーロー鍋。

エステリ・トムラが絵付けしたFINEL社のキャセロール。アンティ・ヌルメスニエミのポットなどもつくっていた、フィンランドのホーロー製品メーカーのものだ。「VEGETA」という名前のこのシリーズ、ちょうど60年代なかばから70年にかけて製造されていたものなので、まさに「現役バリバリで活躍していたころの写真」といったところ。

それにしても、この時代の日本の雑誌に姿をみることができるということは、つまり当時日本でも販売されていたということだろうか?どこか日本の台所の片隅で、いまも毎朝コトコトと「豆腐のみそしる」でもこしらえているのだとしたら、それこそたまたま目にしたい眺めではある。

1965年のカンビール

2005-08-29 23:12:16 | コラム、というか
1965年に出版されたある雑誌をパラパラめくっていたら、こんな広告をみつけた。それは「カンビール」の広告だった。

誌面には、「プルトップ キリン缶ビール 新発売!」という大きな黒い文字がおどっている。さらに、こんなキャッチコピーも添えられているのだった。

「カン切りのいらないカンビール!」

ビックリマークつき、である。さらに説明文が、それがいかに革命的な事件であるかを主張する。

「つまみを指で押し上げて引っ張るだけで簡単にあけられます。」

つづいて、

「いっぺんに 大きなアナがあくので吹き出しません。」「ゴクゴクゴクッとひと息にーキリン缶ビールのあたらしい魅力です。」

そういえばたしかに、子供のころ「トマトジュース」の缶はそんなふうにカン切りであけて飲んでいたなァ。中身を出すための大きめの穴とちいさな空気穴、ふたつの穴をあけていた。けれども缶ビールまでもがそんな具合だったとは、まったく知らなかった。いったい、当時はみんなどのようにして缶ビールを飲んでいたのだろう。グラスに注いで、では「缶ビール」の意味がないだろう。かといって、カン切りであけた「穴」から飲んだのではいかにもまずそうだ。やはり、かんづめのようにカン切りでフタを全部あけて飲んでいたのだろうが、気をつけないと口を切る心配がある。なかには血まみれになったヤツもいたにちがいない。

けれどもそれにもまして「革命的」だったのは、「吹き出さない」という点にあることはこの広告を読めばあきらかである。缶ビールを飲もうとして、はからずも優勝した野球チームのビールかけ状態になってしまうひとびとが後をたたなかったのだろう。「おいおい、優勝祝賀会じゃないんだから」、飲むひとはそう考える。ビール会社のひとは「なんとかならんものだろうか」、そう考えた。こうしてこの画期的な「プルトップ缶ビール」が世の中に登場したのだとしたら、NHKはすみやかに「プロジェクトX」でとりあげてもらいたいものである。

まあ、いきさつはともかく、いまぼくらが無防備に缶ビールのフタをあけているその背後にはからずもビールかけ状態になってしまった無数の名もないひとびとの存在があったということは、せめて心に刻みつけておいてもバチは当たらないのではないだろうか。1965年の雑誌はぼくにそう語りかける。

iTMSで遊んでみた

2005-08-27 23:47:53 | コラム、というか
ソコン(mac)のハードがある日突然クラッシュしてしまい、おかげでなしくずし的にOS.10ユーザーの仲間入りを果たしたという話は、以前こちらでも書いたとおり。せっかく「OS.10ユーザー」になったのだからと、今月オープンしたばかりの「iTunes Music Store(iTMS)」で遊んでみた。

iTMSはアップルコンピュータが運営するミュージック・ダウンロード・ストアで、期待されていた日本国内でのサービスがようやくスタートし話題になっている。

ダウンロードできる曲はぜんぶで100万曲以上と鳴り物入りでのスタートだったのだが、いざフタをあけてみるとなぜか探している曲(アーティスト)にかぎってみつからない。打率にしたら2割くらいだろうか。かなり欲求不満気味。一曲150円という価格については、まあ妥当なところ?いままで一曲だけのためにアルバムを買ったりしたこともあったことを思えば、かえって「安い」といえるかもしれない。

ところでぼくは、このiTMsを利用してこんなふうに遊んでいる。
お気に入りの曲のタイトルを入力してストア内を検索すると、いろいろなアーティストによる「カヴァー・バージョン」をかんたんにみつけだすことができるのだ。ぜんぜん知らなかったり、あるいは意外なアーティストがカヴァーしていたりして、なかなかおもしろい。こういう場合、その一曲のためだけにアルバムを一枚買うというのはけっこう勇気がいるところだが、一曲単位で気楽に購入できるのはとても便利だ。これから先、もっともっとラインナップが充実してくることがあれば、このiTMSを利用する機会も人ももっとふえるにちがいない。

残る問題は、ぼくがいまだにiPodを持っていないという事実だろうか・・・。

台風一過

2005-08-26 11:32:49 | コラム、というか
風は深夜に千葉市に上陸し、そのまま東の海上へと抜けていったようです。早朝には雨もあがり、いまはすっかり台風一過の青空がひろがっています。もちろん「moi」も通常通り11時より営業中。しかし・・・、暑い。

moiでは去年の秋、台風で「プチ床下浸水」に見舞われているので今回もかなり戦々恐々としていたのですが、おかげさまで東京地方は暴風域にはいりながらも、運よく猛烈な雨雲の塊の直撃からは逃れることができたため無事でした。ホッ。

ところで今回風雨の襲来を予測するのに、以前お客さまから教えていただいた、この「防災情報提供センター・リアルタイムレーダー」がとても役立ちました。とくに台風の場合、デカい雲の塊がくるくる渦巻きながら移動しているので、バリバリ文系のぼくでもその動き方を見ればこれから一時間後、二時間後にどのあたりが豪雨に見舞われるかがある程度予測可能なんですよね。今回も日付が変わる前にチェックした時点で、これなら大丈夫そうだな、というのが予測できたおかげでゆっくり眠りにつくことができました。インターネットよ、ありがとう。

とはいえ、これで台風のシーズンが終わったわけではありません。用心には用心を。気がかりなのはわかるけれど、よいこのみなさんは台風のまっただなかに畑の様子を見にいったり、屋根に上がったりするのだけはやめましょう、ね。