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moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

謎解きの旅~目白編

2005-10-03 23:38:22 | コラム、というか
手線をつかって池袋から渋谷まで通っていたころのこと、車窓から一瞬ちらりと姿をみせるある「建物」のことが気になって仕方なかった。それは、目白と高田馬場とのあいだの丘の上にそびえたつ白亜のモダンな建造物だった。そこで、長年の「なぞ」を解くべく、その「正体」をたしかめに目白へと行ってきた。

目白駅から歩いて10分ほど、急な坂をのぼりつめた丘のてっぺんにその「建物」はあった。



スパニッシュ・コロニアルというのだろうか、白亜の壁とアーチ状の窓が印象的な建物である。門柱には「日立目白倶楽部」という表札がかかっているが、こちらのサイトによると、もともとは学習院大学の寄宿舎として昭和初期に建てられたものだという。山手線からみえるのはこのエントランスのちょうど裏側の部分で、その窓からは新宿の高層ビル群がきれいに見わたせるはずである。日立製作所社会貢献部のみなさま、どうか一年に一度くらい一般向けの「見学日」を設けていただけないものでしょうか?

このすぐちかくにもうひとつ、目を引く建物がある。日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会だ。



この教会を設計したのは、建築家の遠藤新フランク・ロイド・ライトのもとで、「旧帝国ホテル」や池袋にある「自由学園明日館」の建築にたずさわった人物である。閑静な住宅街に静かに溶け込む教会の姿は、ここ東京ではめったに出会うことのできない眺めではないだろうか。

さらに足をのばすと、やがて「おとめ山公園」へとたどりつく。名前の由来は、この一帯が徳川将軍家のお狩り場であったため「立ち入り禁止」であったこと(「御留山」)からきているもので、「乙女」がいるわけでも、ましてや「お留ばあさん(推定81歳)」がいるわけでもないので、あしからず。



それにしてもここはすごい。一歩足を踏みいれれば、そこは「公園」というよりも文字通りの「山」である。都心にこんなスポットがぽっかり残っているなんて、ちかくを何度も通っていながらかんがえたことすらなかった。散歩にはわるくないけれど、人気がないのと木々が鬱蒼と茂っているため、女性のひとり歩きは避けたほうがいい。

周辺には、まだまだ風情のある古い住宅や洋館などが残っているものの、途中、解体や改築の工事現場に幾度も遭遇した。古い建物やそうした街並がすきな方は、ぜひ、いまのうち足を運んでおいたほうがいい街だとおもう。

クロスワードパズル

2005-10-02 23:31:32 | コラム、というか
ィンランド人のすきなものといえば、「ristikko」。新聞や雑誌でよくみかける「クロスワードパズル」である。

きのうも、フィンランド語を教えにきているLiisaさんから「やってみるか?」と手渡されたのだが、無理無理。フィンランド人が眉間にシワをよせて悪戦苦闘しているパズルを、ボキャブラリーがほとんどゼロに等しい外国人がやろうというのだから、はじめっから無理にきまっている。

単純な連想で単語を埋めるものだけならまだしも、「ジャングルにある(いる)のは?」(といわれても漠然としすぎだって)とか、「オエッ!」と書いてあるだけだったり(答えは「吐き気」・・・笑)と「難問」ぞろい。「時のひと」の名前なんて、ふつうわかるわけないし。それでも、オンラインディクショナリーの力など借りつつなんとか1/4くらいまで埋めてはみたものの、ギブアップ。子供向けの「クロスワードパズル」だったら、フィンランド語を勉強しているひとの「教材」として役立つかも。


ちなみにフィン語ですけど(当然か)、こんなサイトもありました。

みるっこ

2005-09-30 23:57:55 | コラム、というか
年もたつと、さすがに店のあちらこちらに調子のかんばしくない部分がでてきたりするもので、ここ数日はグラインダー(コーヒーミル)の様子がなんとなくおかしい。

様子がおかしいといってもべつにあきらかに故障したというわけではなく、なんとなく微粉がふえたとか以前とくらべて挽き目が一定しないような気がするといった、そんなささやかなレベルのものである。とはいえ、いったん気になりだしたら最期、気になって気になって仕方がなくなる性格ゆえ、営業の合間に分解掃除をほどこしてみたりとあわただしい。

moiで使用しているのは、業務用のグラインダーや焙煎機で定評のあるフジローヤル製の「R-220」という機種で、コーヒー専門店などでよくみかける「R-440」という機種を家庭用にコンパクトにしたものである。ちなみに「みるっこ」というステキな愛称もつけられている。「家庭用」とはいえ、いちどに挽ける豆の容量がちがうくらいで、性能じたいは「業務用」とほとんど変わりがないという話だ。じっさい、知り合いの「豆屋さん」によればそうめったに壊れるものではないらしい。

ほんとうなら、不測の事態に備えて「ベンチ要員」を置いておきたいところではあるのだけれど、そのような余裕は残念なことに、ない。鳴りもの入りで登場したルーキーも、そろそろ肘に「不安」を抱える年頃にさしかかってきたということなのかもしれないが、夏も去り活躍の機会もますこれからの時期、なんとかだましだましでもふんばってもらわなければ。

みなさんも、うちの「みるっこ」に温かい応援よろしくお願いします。

インスタントな「旦那」になる

2005-09-28 21:40:50 | コラム、というか
都での「おたのしみ」といえば、なんといっても「旦那洋食」を堪能することである。

街をあるけば、由緒正しきグリルから家族経営の気さくな洋食屋まで、たくさんの洋食屋が軒をつらね自慢の腕をふるっている。イタリアンよりも中華よりも「洋食」をこよなく愛するぼくとしては、そこはまさしく地上の楽園なのである。とりわけ西陣界隈は、キング・オブ・洋食、「旦那洋食」のメッカ。そして、その一角に店を構えるあこがれの名店が「萬春」である。

その「萬春」の味が「冷凍食品」でカジュアルにたのしめてしまうのが、この上等洋食シリーズ「萬春 ライスグラタン」なのだ。「たかが冷凍食品じゃん」などと侮ってはいけない。コレ、相当に旨いのだ。まあ、値段もそれ相応ではあるけれど、このクオリティーからかんがえればけっして高くはない(と思う)。

京都の「萬春」で本物の「旦那」を気取るのは無理でも、これを食べればインスタントな旦那気分は味わえそう?!

コーヒー豆を買いに

2005-09-26 18:17:58 | コラム、というか
動不足ゆえか、ここのところなんだかやけに歩きたい願望が募るいっぽうだ。おまけにきょうはさわやかな秋晴れ。そこで、家での仕事を一時中断して高円寺までぶらぶらとコーヒー豆を買いに歩いてゆく。

Oクンいきつけの「豆屋」、さわやこおふぃは高円寺駅のほどちかくにある。迷った末、深煎りの「さわや夏ブレンド」というのと9月限定の「今月のブレンド」とをそれぞれ100グラムずつ購入する。

9月のブレンドは、パナマ北部の「ベルリナ農園」で生産されたティピカ種をベースにしているとのこと。パナマの豆なんて、めずらしい。伊藤博『珈琲を科学する』(時事通信社)によれば、生産量自体が少ない上、その半分が国内での消費にあてられているのだそうだ。道理で耳なじみがないわけである。



それはそうと、はじめての店で豆を買うのはちょっとドキドキする。よくふくらむ新鮮な豆だろうか、香りはちゃんと広がるだろうか・・・そんなことをいちいちかんがえながら豆を挽き、ゆっくりゆっくり湯を注ぐ。さいしょのひとくちは、さながら祈るような気分である。

できあがったコーヒーは、バランスのよさとさわやかな酸味が印象的な端正な味わい。「アテ」なしで、できればストレートで飲みたい、まさにきょうの空のようなブレンドだった。



往復わずか5キロメートルちょっとの、コ-ヒ-豆を買いにゆくちいさな旅。いい気分。

ルーシー・リー展~ZOKA coffee

2005-09-19 23:47:24 | コラム、というか


が傾いたのを確認してから、四谷へ。土手の草むらからきこえるのは秋の虫の声なのに、日差しはあいかわらず夏そのもの。おかしな気分だ。上智大学のキャンパスの脇をぬけニューオータニ美術館へと向かう。ここでいま開催中の「ルーシー・リー展 器にみるモダニズム」をみるためである。

ルーシー・リーの展覧会は去年「滋賀県立陶芸の森」でもおこなわれていて、そのときは東京からも熱心なファンがだいぶ駆けつけたという。春には日本でもが出版されたりと、ますますの人気ぶりである。ぼくはというと、ある程度まとまった数の彼女の作品をみるのはこれがはじめて。とはいえ、その静かなたたずまいは以前から気になっていたのだ。

よくいわれるように、ルーシー・リーのつくる大皿や花生にはどこか日本のやきものを思わせるところがある。けれども、どこかが、なにかがやっぱりちがう。「やきもの」の「や」の字も知らないような人間が言っていることなのでまったくアテにはならないが、偶然にゆだねているような部分がないというか、細部まできっちり計算されデザインされている、そんな印象なのである。そこにあるのは自然の道理ではなく、明白なヴィジョンの下、西欧的な理性によってコントロールされた完璧さ。こういう作品が(ほんとうの意味で)生きるのはいったいどんな空間なのだろう、そんなことをかんがえながら会場を後にした。

ぶらぶらと歩きながら、赤坂見附にある「ZOKA(ゾッカ)」というコーヒーショップにはいる。よくある、シアトル系の新進のコーヒーショップらしい。ぼくの場合、こういうところでもオーダーするのはたいていふつうの「ブレンド」である。これはたんに好みの問題。でも「ブレンド」がおいしくなかったら、やはりその店へはあまり行かなくなる。

さしたる期待はしていなかったのだけれど、ところがどうしてここのブレンドはなかなかおいしい。ちなみにエスプレッソマシンは、La Marzocco。「リンゴンベリーのスムージー」なんてメニューもある。いまのところ目白と赤坂の二カ所だけのようなのであまり利用する機会はなさそうだけれど、巷にあふれかえっている「S」や「T」よりも、個人的に使いたいのは断然こちら。

庶民派、ですから。

2005-09-17 23:33:02 | コラム、というか
性に「肉」がたべたくなって、駅のちかくの「東海屋」という肉屋さんで「ロースカツ」を買ってきた。ここの「揚げ物」はかなりおいしいのだ。

「ロースカツ」は「やわらかい」のと「ジューシー」なのと二種類あって、どちらかを選ぶことができる。肉屋さんの「お惣菜」なのだが、「エビフライ」も大きくて人気。荻窪というと教会通りのコロッケ屋さんが人気だが、ぼくはもっぱらこちらが気に入っている。

時にはこうして「カツカレー」をこしらえ洋食屋気分に浸れば、その「幸福感」たるや相当なものである。ああ、庶民に生まれてよかった。

名作椅子と月見コーヒー

2005-09-13 15:10:13 | コラム、というか
宿で、ひさしぶりに髪を切る。最近は休みのたび体調を崩していたおかげで、いろんな「予定」が未消化のままになっている。これでやっとひとつ消化できた。

夜は、いとこたちと汐留で食事会。そのまえにしばらく時間が余ってしまったので、青山の「蔦珈琲店」でひまをつぶすことに。空にはやや太めの半月がぽっかりと浮かんでいて、庭のすすきを見やりつつ思わぬところで「月見コーヒー」をたのしむ。



「カレッタ汐留」にははじめて行った。こういう商業施設はどこも似たりよったりであまりおもしろいものではない。と思ったのだが・・・、いや、いいよ、ここ。というのも、ここ「カレッタ汐留」には《100 Design/Chairs Rambling 》といって館内に「名作椅子」が100脚設置されていて、ぜんぶ座り放題なのだ。閑散としているのをいいことに、イームズのラウンジチェアやラ・シェーズ、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・チェア、サーリネンのチューリップ・チェア、ヤコブセンのスワン・チェアなど、ここぞとばかり座りまくってきた。ああ、おもしろかった。調子にのって「ラ・シェーズ」に座ったウチの父親は、「お風呂にはいってるみたい」といとこにからかわれていた。うまいこと言うなぁ。たしかに、座るひとを選ぶ椅子だな、これは。

そういえば、いつも髪を切ってもらっている美容室の椅子は、すべてイルマリ・タピオヴァーラ 「ドムス・チェア」。なんとも「お尻孝行(?!)」な一日。

選挙の日

2005-09-11 23:21:06 | コラム、というか
ょうは衆院議院選挙の投票日でした。みなさん選挙へは行かれましたか?

今回moiでは、J-WAVE「Good Morning Tokyo」《選挙へ行こう~Let's Go Vote!》キャンペーンに参加させていただいていましたので、もちろんぼくも行ってきました。出勤がてら、朝の7時半くらいに投票所をおとずれたのですが、予想以上に多くのひとがいてこの選挙への関心の高さを物語っていました。

ところで、投票日のmoiはいつもなかなかな賑わいをみせます。店の先にある小学校が地域の投票所となっているせいで、ひとの往来がぐっと増すからです。どのくらい増すかは、投票率に比例します。というわけで、今回は相当に期待を寄せていたのですが・・・

さすがに午前中は、いつもの倍以上の往来がありました。ただ、午後からは雨が降りだしてきたこともあってか、だいぶ落ち着いてきてしまいましたね。けっきょく、いつもの週末よりやや空いているくらいの感じでアテがはずれてしまい・・・おかしいなァ。「客足を読む」のはホントむずかしいです。

期待が大きかっただけになんとなく不発、そんな気分の選挙日のmoiでありました。

スウェーデンの靴べら

2005-09-09 23:52:39 | コラム、というか
ウェーデンみやげにIさんからいただいたプラスティックの靴べら。



ストックホルムの現代美術館で扱っているグッズとのこと。真っ白いボディに、黒字で「Moderna Museet」のロゴを配しただけのいたってシンプルなデザイン。大きさは140mmで手のひらサイズ、もちろんすこぶる軽い。スウェーデンらしいこじゃれた靴べらである。企業などのノヴェルティーとしても気がきいているかも。

6月にストックホルムを訪れたとき、時間がなくてこの「現代美術館」や「建築美術館」のあるシェップスホルメン(Skeppsholmen)へ行けなかったことがかえすがえすも残念だ。