ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

カエルの産卵(ライティングチェストの制作 その3)

2013年03月05日 | 木工
朝起きると、またうっすらと雪が積もっていた。







道に積もるほどの雪ではなかったけど、ちょうど夜降ったので、山は真っ白に雪化粧。
それが朝日が当たると音を立てて融けてゆく。
さらさら、ざーざーという音で谷間が満ちる。




融けた後の陽だまりに、オオイヌフグリが咲き出していた。




昼は気温も上がって、池で鳴くカエルの声も盛んに聞こえてくる。




しばらく粘って、やっとカエルの写真を撮ることができた。
ヤマアカガエルの抱接。
なにしろ、近づくと隠れて静かになってしまうので、なかなか姿を見ることも難しいのです。
何日か前から鳴いていたけれど、今日初めて水に入ったのではなかろうか。
こうなっているとなかなか逃げにくいのは同情いたす。

まだ池の周りには雪が残っている。
この二匹の乗っているのも実は凍った泥です。
私が乗ると、ぱりぱりと割れる。
カエルは変温動物などというけれど、その気になればこんな寒いところでも活動できるのですね。
以前、氷の張っているような池でヒキガエルの産卵を見たこともある。
カエルをなめちゃいけない。




夕方見に行ったら、卵があった。





その水の中に、オタマジャクシが現れるのを待つものが、、、





カエルを見て一日過ごしているわけではありません。



家具に付ける副資材も全て揃った。




引き違い戸になるガラス。
飛散防止フィルムを貼り、面取りをし、引き手を加工したもの。
もちろんガラスの加工屋に発注したものです。
大小6枚あります。

ガラスの注文は図面から出した寸法を業者に伝えるわけですが、
どこか寸法を間違えていたらどうしようという恐怖感が常に付きまとう。
自分で作るものならば、間違ってたら作り直せるという甘えがあるけれど、
注文して作ってもらうものはそうはいかない。納期もかかる。
嵌めてみて、正しかったことを確認して、ホッとする。

そのほかに、ガラスの棚も注文した。





これは蝶番。高級な、真鍮製の肉厚なもの。
精度、高級感はばっちり。
一枚で、ファミレスのランチが食べられるくらいの値段します。





これはLED照明。
スガツネというメーカーのもの。
こちらも一つで家庭用ゲーム機がソフト付きで買えるくらいのお値段(!)。
これを二つ使う。





裏板に嵌めるアクリル板。
透明と半透明の白(乳半)
ネットでアクリル加工業者から。
こういうものがネットで加工・取り寄せができるようになったのは、本当に便利。




その他副資材の一部。

家具用コンセント、スイッチ、棚ダボ。
右下の白っぽ物はガラス棚用の吸盤が付いたダボカバー。


こんなに副資材が多い家具は珍しいです。








蝶番付けた。
本体の箱と、扉の両方を掘って付ける。
こうすると体裁もよく、支点が真ん中に来るようになる。
面倒かと思ったけれど、位置がぴったりと決まるので、意外と扉を付けるのは楽だということがわかった。
これは収穫。




引き出しのストッパーについて。
写真はストッパーを縦にして引き出しのお尻を入れようとしているところ。




引き出しを半ば閉め、手を突っ込んでストッパーを捻れば飛び出さなくなるという仕掛け。





これは机になる蓋。まさにこの家具のキモです。
閉めるときに棚板の角が当たらないように、内アールに削ってあります。
これは組んでしまうと見えなくなるので、言わないと気づいてもらえないところですが、
かなり面倒な工作なのでここでお披露目したい。

なぜこんな面倒なことをするのかというと、
蓋を閉めたときに、家具の前が平らになるようにしたいから。
普通のライティングビューローは蝶番を使いますが、
その蝶番の支点が必ず家具の前にあるので、閉めた蓋が前に出っ張ってしまうのです。
わたしのは蓋の動く支点を家具の中に入れる工夫をしているので、出っ張らない。
うーむ、わかりづらい、言葉で説明するのは。












だいぶ見た目が違うけど、兄弟の家具セット。

組み立てが終わり、扉、引き出しも仕込んだ。
後はツマミを作って塗装して、
乾いたらいろんな部品をくっ付けて、作るのは終わる。

もう少しだ。









カエルの来訪(ライティングチェストの制作 その2)

2013年03月01日 | 日記
今日、夜になってカエルが池で鳴きだしました。

このブログの表題なので、報告しないわけにはいかない。


今日は予報ではかなり暖かくなるようなことだったが、意外と寒かった。
しかも例年になく雪が残っていて、カエルの産卵にくる池もまだほとんど雪に埋もれています。
なので今年は蛙合戦は遅れるのかと思っていたのだけれど、
夜暗くなってから、カエルの声がしたので驚いた。
去年も3月1日に来たので、全く同じ日に来たことになる。
律儀なカエルたち。
でももう暗かったので、産卵は確認していない。
気の早いオスが一人で鳴いていたのかもしれない。




一応写真を載せておこうっと。
ご覧のとおり、雪がまだだいぶ残っています。
水も冷たかろう。






そういえば、釣りが解禁になったようだ。
朝、川には大勢の釣り人が並んでいた。
山にいて釣りもしないというと、釣り好きの友人はあきれた顔で私を見る。
仕事が気になって、あまり遊ぶ気にならないのが本音。






民家の庭に福寿草の花を見つけた。
この春始めて見る花かもしれない。




さて、仕事仕事。


ひき続きややこしい箱物家具の制作中。





だいたい刻みは終わった。
こんなに組み立てる前にいろいろ加工がある仕事は珍しい。
写真は家具の内側になる方の写真です。
こんなに穴だらけになってしまった。




これは蝶番の付く凹み。
本体の方にも掘るのが良い仕事だそうで、実はここまでやるのは初めてです。







これは引き出しのストッパー。
引き出しを入れるときは下の写真のように縦にして、
入れてからひねって横にすると、
引き出しを引いたときにはストッパーが後ろ板に当たり、
閉めたときには前板に当たるようになっています。
これも組む前に付けておかないと付けにくいので先に付けとく。







これは裏板。
裏板も本体と同じクルミの無垢材です。
フローリングのような感じで狭い板を並べてはめ込みます。
こういう構造にするのは、板が乾燥で縮んでも隙間ができないようにするため。
広い無垢の板をはめると収縮が大きく、隙ができることがあります。
裏板の加工だけで小一日かかってしまった。








さてこれはなんんでしょう?
それはお客様と私との秘密です。










いよいよ組み立てが始まりました。
組み立てはわりとすぐ終わってしまいます。
その前の加工にかかった時間がうそのようです。
組み立てが始まると急に工房が狭く感じます。
平面が立体に立ち上がってくるからでしょう。
今回は特に慎重に、焦らず、少しづつ、組み立てています。





直角にちゃんと組み立てるように、
L字の定規を作り、組み立てているものにそれをクランプで固定して、
正確に組みあがるように工夫してみました。

この状態で一晩置き、翌日続きの組み立てをします。

並行して引き出しや扉の加工も進めます。