ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

新作椅子の制作

2015年09月11日 | 木工
私のところでも、ずいぶんと雨が降りました。




いつもは小川のような流れの工房の前の川も、ピーク時はこのような濁流になりました。


10年前くらいでしょうか、この村も甚大な大雨の被害がありました。
個人的には被災しませんでしたが、消防団の一員として土嚢を積んだり、
土砂に埋まった家屋を掘るために徒歩で被害地に行ったことを思い出します。

大変でした。

被災した人の苦労は想像して余りあります。






新作の椅子を作りました。

新作といっても、定番の椅子のデザインを流用したものです。









椅子作りは五分の一の模型を作ってデザインや座り心地を検討します。






見づらいですが、ベニヤに描いた原寸大の図です。
これで角度や細かい寸法を確認します。






加工の終わった部材です。







後ろ足の組み立て。
前がなくて変な感じ。






前足の組み立て。






前後の組み立て。






このように前すぼまりの骨組みです。






背もたれ。

標準のものよりひじ掛け部分を長くしてあります。






帯鋸で挽いて成型します。






塗装前までできました。

たまたま修理で帰ってきた、デザインの元になった椅子と並べてみます。



この右の椅子をご覧になったお客様が「これで座面を広くして胡坐がかけるものが欲しい」というご要望でした。

ならばそのまま広げればいいじゃん、と思われるかもしれませんが、なかなかそのようにはいきません。

元の椅子は前足と後ろ足を結ぶ骨組みが十文字になっているような構造です。
これをそのまま伸ばせば座面の奥行きも深くなってしまい、うまくいきません。
この辺の説明は難しく、うまくお伝えでできませんね。


つまりは座面を広くするというご要望を満たすために、構造そのものを考えなおす必要に迫られました。



アイデアスケッチを描き、模型を作り、お客様にお伺いを立て、また変更する作業を仕事の合間合間にしているうちに一年経ってしまいました。
お待たせして本当にすいませんでした。





おまけ。




色づいた柿の葉っぱ。


だいぶ秋めいてきました。

でも晴れればまだ蝉が鳴いています。


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