ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

冬場の漆塗り

2017年01月13日 | 木工
風邪をひいて二日休み、お正月を挟んで火事の出動で二日休み、いろいろ障害がありましたがやっと大口の漆塗りが終わりました。




これが私の漆室。
間口2m、高さ2m、奥行き1.2mの容積があります。
断熱材を入れ、内側にザラザラの板を貼ってあります。
壁と床と扉の内側に霧吹きし、ヒーターを置いてその上に水を張ったバットを置いて温度と湿度を保ちます。

漆は20度ほどの温度と70%ほどの湿度で乾きます。





塗る時には一旦すべてのものを室から出します。




前にも書きましたが、漆塗りのトラブルは

①湿度、温度の条件が合わず乾かない。
これは絶対条件です。

②泡ふき
塗った物より暖かい室に入れると導管の空気が膨張して漆を押し上げ気泡が出来てしまう。

③焼け
やはり塗るものが冷えていて室に入れて温度、湿度をかけることにより表面が結露して漆が白くなってしまう。


どれも寒い冬に無理をして漆を塗ると起きやすい失敗です。


④その他としては木地に油や塩が付いてて乾かない。





冬場に漆を塗るのには室のヒーターは着けっ放しにし、朝暖房を入れて室温が20度ほどに上がるのを待ってから塗る必要があります。二時間ほどはかかります。






灯油ストーブに加えて、タタキに置いた薪ストーブも燃します。
上には水を張ったバケツを載せて湿度を稼ぎます。
安物のストーブですが、意外とちゃんと燃えてくれます。




五回ほど塗って完成です。





だいぶ前に出来ていたベンチ。
ケヤキ材です。





パソコンなどを置く机。
天板は後ろをちょっとだ剥いだだけの良い板です。





ここにキーボードが乗ります。
スライドレールで出し入れします。


ほかにも何点かありますが割愛します。



冬の漆塗りは光熱費もかかり、気を遣い時間を食い、大変です。



さあ納品に行くぞ。



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