災害支援ボランティア 宮北会(みやきたかい)

東日本大震災後、岩手県宮古市・山田町で被災者との「顔の見える」交流活動を続けています

宮北会 2018・年頭のご挨拶

2018-01-01 05:44:03 | 挨拶・回想

2018年にあたって                   

-その心の中にこそ未来はある!-

「3.11東日本大震災」から8年目を迎える。

津波被災地の山田町の様相は、大きく変わった。高い防潮堤が作られ、あの美しい山田湾を平地からもう見ることが出来なくなった。仮設住宅が解体され復興住宅に被災者の多くの方が移動を始めている。かさ上げされた土地に商店が建てられ、住宅も建ちはじめている。

しかし、人口はどんどんと減少が続き、かつての賑わいを見ることはできない。ここに住む人たちの大部分は、この土地に未来を描けない戸惑いの中にあるというのが現実だろう。「復興」という言葉に寄せた「故郷の未来」とはこんなものではないはずだという焦燥感や、こんなものなんだという諦観のなかを行き来しているような気がする。まだまだ苦しい現実がそこにはある。

この8年になる変化を宮北会として現地に行き続けながら、変わりゆく山田の姿と苦渋のその現実に対して、私達は何を出来るのだろうかと何度も問い返す日々でもあった。

こう書いていると、そこには何の未来もないように思えるが、しかしそうではない。

たしかに山田町の現実の姿は苦しい。しかし、そこに生きる人たちの姿に、やはり私たちは心をうたれる。行く度にその想いを強くするのは私一人ではなく、現地訪問をしたみんながそう実感している。あの想像を超える悲惨を体験して今を生きる被災者の皆さんの凛とした美しい心と、悲しみに向き合い超えていこうとするその姿に心打たれるのだ。そしてそこにこそ未来がある。街の景観や物質的な形ではなく、手をつなぎ、励まし合い、それでも自分たちが出来ることをしていこうとするその心にこそ、未来があるのだと思う。そこから、未来を生みだす力がきっと起きてくることだろう。私たちはそこにしっかりと目を向けていきたいと思う。そこを学んでいきたいと思う。そしてこれからも一緒に、この埼玉の地から共に手を取り合い、歩いて行こうではありませんか!宮北会はそのために存在し、被災者と共に歩こうとする個人の集まりである。評論する団体ではないのだから。

2018年のこの一年も、そのために何が出来るかを考え、一つ一つ実行していこうではありませんか。本年もどうかよろしくお願いします。

2018.1.1

宮北会代表  江藤善章



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