我家でこの鳥を飼い始めてもう6年余になる。長女夫妻宅から管理を託されたまま現在に至っている。
アフリカ南西部ナミビア原産のこの「コザクラインコ」の平均寿命は、最長15年位だそうだ。幼鳥の頃から通算するとこの鳥も多分「老鳥」の仲間入りをしているのかも知れない。しかし、とても元気で人慣れしているし、動作・表情が実に愛らしい。1日に1~2回は鳥籠から出して「放鳥運動」をさせている。
当方が鳥籠に近づくと、籠を開けるまで執拗に、上体を左右に動かしたり、首を上下動したりして「早く鳥籠を開けて呉れ・・」と喜び勇みながら、催促している様子も健気である。
鳥にとってはこの放鳥が、1日のうちの「至福の時」でうれしいのだろう・・あちこち飛び回り、そのうち止まり心地のよさそうなケ所を見つけ、暫しおとなしくしている。
当方がパソコンをやっていると知らぬ間に肩に乗り、そのうち腕を伝って手の甲をつつく様な仕草をする。
やがてキーボードの上をちょこちょこ歩き回り、傍に用紙などがあると、得意の「紙切り作業」が始まる。細長くきれいに刻み切った部分を口に銜え、「見てよ・・」と云わんばかりのポーズを取ったりもする。
「フータロ」にとって、当方のデスク周りでの一番のお気に入りスポットは「蛍光灯のかさの上」である。両足を綺麗に揃えて止まり続けて羽繕いをしたり、惰眠を貪ったり暖かいところを好むのもやはり、原産地の血が通っているからだろう。
言葉の真似は苦手な種類だそうなので、「フータロ」は一言も喋れない。得意技は、鋭い噛み癖と声高で声量も豊かなことだ。夜9時ごろ、鳥籠に「ひざ掛け毛布」を掛けると動きが止まり、やがて眠りに付くのだろう。
朝8時を過ぎてもその毛布が掛かったままだと、大きな鳴き声で、「早くとって・・」と啼き続けて訴えているようだ。鳥にどんな感情や心があるのか知る由もない。
日々単調な生活の中で「フータロ」と当方は、極く僅かな時間だがその間「癒し癒されたりする関係」にあることは確かだ。だから、この先もこうして、老鳥と老生の睦まじい関係がまだまだ続くことを切に願いたいものである。
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