長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

110.長島充 版画展 『神話と伝説』 in 大阪  始まりました。

2013-11-12 16:16:19 | 個展・グループ展

10日(日)大阪府高槻市の画廊、アートデアート・ビューで始まった、『長島充 版画展 神話と伝説』のオープニングに行ってきた。東西世界の神話・伝説を主題にした連作版画作品、約30点の展示となっている。

朝、家を出て東京駅から新幹線に乗り京都駅で乗り換える。ここから20分弱で高槻駅に到着。チェックインにはまだ速いが今夜の宿であるホテルに荷物を預け、徒歩で画廊に向かう。アーケードや繁華街を抜けていくと、静かで落ち着いた雰囲気の地区となる。昭和の匂いがする民家がところどころに登場し、ちょっと嬉しくなってついカメラを向けてしまった。ゆっくり歩いて5分ほどで画廊に到着した。ここも古民家を改造した画廊なので玄関をくぐって声をかけると、なんだかひさびさに親戚の家を訪ねてきたような不思議な気分になってしまう。まだ午後速い時間帯なので、お客さんは来ていない。中からオーナーのSさんの明るい声が聞こえてきた。

2年前に『日本の野鳥』を主題とした連作版画の個展を開いていただいた。明るく親切なSオーナー夫妻が控えの小部屋から登場すると、まだ2回目なのになんだか懐かしく、ホッとしてしまった。前回は初日にアーティスト・トークを行ったが、今回はラフに作家を囲むお茶会をするという。画廊の中央のテーブルでそんな事前打ち合わせをしていると、ポツポツとお客さんが訪れ始めた。ほとんどがリピーターの方で絵を前にSさんとお話しできるのを楽しみに来ているようす。この地域のサロン的な役割も担っている空間になりつつあるようだ。

3時になりお茶会の時間となったころ、お客さんも次々と増えてきて京都方面から3人の画家仲間も駆けつけてくれた。前回に続き京都からお出でいただき3点の作品を購入される方もいた。多くの絵描きがそうであるように、人前で話すのは得意なほうではない。さて、どんな話題から話そうか…版画を始めた頃からの主題の変遷を話すことに決めた。20代後半からバブル経済を挟んで40代初めまで、世の中の豊かさとは裏腹に、社会への疑問が強く「反物資文明」をスローガンに人間風刺的なテーマを長く続けていたこと…40第後半から現在まで主題もアンチテーゼの強い内容から「共生」へと変化してきたことなどをトツトツと語った。質問も多く少し戸惑ったが、穏やかな雰囲気に助けられて無事終了。

会場で記念撮影を済ませ、二次回は有志で近くの海鮮飲み屋になだれ込む。画廊では話せなかったいろいろな話題が飛び交い、あっという間にお開きの時間。最後に残った5名と、Sさんお勧めのジャズのライブハウスに移動し三次会。残念ながらライブ演奏はちょうど終了したところだが、薄暗い照明の雰囲気のあるお店で歓談に花が咲く。高槻市は神戸市を抜いて全国で一番のジャズ・フェスの開催される町だということだ。今度はフェスに合わせて訪れてみたいなぁ。ここでほんとうにタイムオーバー。残った人たちと再会を約束する握手を交わし、一人宿へと戻った。展覧会は18日(月)まで、僕は会場にはいませんが、京阪神地域の版画ファン、アートファンのみなさま、この機会にぜひご高覧ください。画像はトップがお茶会のようす。下が個展会場のようすと昭和の匂いのする高槻の民家。