サンタ・クルツから1号線を南へ。
周りは畑ばかりの眺め。
気持ちよい風。
Monterey(モントレー)まで行こうか、と思ってたのだが、途中でひどい渋滞に。
Moss Landing、という奇妙な地名の場所で、車が殆ど動かなくなってしまった。
これじゃサンタ・クルツから車で40分程度で行けるはずのところが、2倍かかってしまう・・・
と、目の前に明光風靡な湿地の風景が現れた。
これがMoss Landing?
とりあえず、渋滞から避けるように右折し(あ、右側通行ですから)、そのMoss Landingとやらに行ってみることにした。
海に近い湿地なので、潮の香りがする。
潮の流れが緩やかなので、砂が堆積して出来た土地なのだろうか。
島には苔むすように、潅木の低木が生えている。
入り江なので、殆ど波が立たない。
よーく見ると、島の緑の淵に、たくさんの海鳥が止まっているのが見える。
(この写真でも、淵のぎざぎざしてるのが、実は鳥)
すがすがしい気持ちになって、何か落ち着く。
きれいな景色に癒されるって、こういうのを言うんだなあ。
車でさらに奥に進むと、皆が車を駐車しているところがある。
こんもりと緑の丘。
私も車を止めて、行ってみることにした。
空の青に、きれいな緑。
こういう緑色は、日本ではなかなか見ないよね。
雨が多いから、どうしても葉中の葉緑素が増えて、緑色が濃くなってしまうらしい。
やはり、この色は夏は暑くて乾燥する地中海性気候(Cs)のなせる業か。
遠くには、たくさんの漁船と、空にそびえたつ二本の煙突。
後でWikipediaで調べたら、もともとは鯨漁船が出る港町だったらしい。
二本の煙突は何か、というと、これまた有名らしくて、WikiによるとPG&Eの火力発電所らしい。
天然ガスを燃料に使った火力発電所だということで、1949年からあるんだそうだ。
何と60年も歴史のある発電所...
うーん、PG&Eといえば、エリン・ブロコビッチ(過去記事)。
あの映画のせいで、というか、あの映画で初めてPG&Eという会社の存在を知ったので、
PG&Eというと、どうしても「公害」とか「汚染」という言葉を思い出してしまう。
ここは汚染されてないか、この村の人たちは大丈夫だろうか、とか心配になってしまう。
ここからは、想像の翼だが(深読みの翼とも言う)、
やっぱりこの辺りって、昔は公害問題なんかもあったんじゃないか、とか勝手に想像が膨らむ。
きっと、もともと貧しい漁村とかだったんじゃないか。
PG&Eが、それにかこつけて火力発電所を作った。
それでもともと貧しかったこの辺りの人たちは、そこに勤めるようになった。
その後、公害問題なんかも起こった。
でも、村の経済がPG&Eに依存してるから、誰も大きな声で文句は言えず、被害をこうむったのは弱者だけだった・・・
などと、まるで、水俣におけるチッソのようなものを想像して、勝手にお話を作ってしまう。
以上、想像終わり。
想像だけじゃなくて、関連情報がないか調べてみたら、どうやら60年代後半にPG&Eによる大気汚染が本当にあったらしいね。
やっぱりそうなんだ・・・。
恐るべき、PG&E。
ただ、その周りに広がる景色自体は暗い想像は吹き飛ばすほどの絶景。
過去に何があったとしても、今はもうもともとの美しい自然を取り戻しているんだろうね。
(このあたりも水俣に似てるなあ、と思ったりして。余談。)
皆が車を止めて、つい降り立ってしまうのも良くわかる。
砂の丘の方にのぼっていくと、はまなすのような、砂地らしい草がいろいろ生えている。
このあたりの草地は保護地域とかで、入っては行けないことになっている。
この丘を越えると、海が見える。
一面、砂浜だ。
海に入って、海水浴している人たちもいる。
正直風は結構冷たいのに、良く入るなあ。
写真の端っこにうつってるのは、お父さんと娘の二人で、砂のお城をつくってるところなのだが、これがなかなかの芸術作品だった。
お城の城壁がスコップできれいに模様がついて、本当に模型のお城みたいだった。
お父さんが凝り性の模様。
砂は熱い。
靴を脱いで、ジーンズのまま砂浜に横になってみる。
砂の熱さがじわっとジーンズを通じて足に伝わってくる。
何か「砂のサウナ」に入ってるみたいで、あったかい。
波の音を聞きながら、ついうとうとしてしまう。
1時間もいただろうか、だいぶ気分もよくなってきたので、うちに帰ることにした。
帰ってからは昼寝。
気持ちよい日曜のお昼の過ごし方だった。
途中、つい気になってつまらない話を書いちゃったけど、Moss Landingの風景はお勧めです。
保護区として、自然は美しいけど、人はまだまだすくないので、自分の世界に浸れますね。
すぐに立ち寄れるので、是非行ってみてください。